【獣医師執筆】高齢犬の通院で気を付けるべきこと

【獣医師執筆】高齢犬の通院で気を付けるべきこと

高齢犬になると季節の変わり目に体調を崩したり、持病を抱えるようになったりと、動物病院へ通院する機会が少しずつ増えていきます。そういった際に適切なタイミングでの通院や動物病院との関わり方をすることで、健康で幸せな時間を過ごすことができるようになります。この記事では、高齢犬が動物病院に通院するときに気を付けるべきことをご紹介します。

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記事の提供

日本大学生物資源科学部獣医学科卒業後、獣医師としてペットの総合商社に入社。主に小動物臨床に従事。2007年に株式会社フジフィールド創業し、動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。2021年に株式会社TYLに取締役として参画。

日頃から動物病院に通院して主治医を作る

動物病院で問診中の犬と獣医

高齢犬の通院に関わらず、愛犬の健康を守るためには、日ごろからかかりつけの動物病院、いわゆる「主治医」を作っておくことがとても重要です。

高齢犬になって、いざ定期的な通院が必要になったときに、愛犬の性格や既往歴を獣医師が知っていることで、病気診断の精度が変わってきます。

また、日ごろから健康診断などで定期的に通院し、診察を受けていることでもメリットがあります。

愛犬のことだけでなく、飼い主さん自身の生活リズムや考え方をじっくり病院側が理解することができます。

これにより、愛犬にとって「どんな治療が一番良いか」「飼い主さんが無理なく続けられるか」を考えながら治療を進めることができます。

高齢犬になってから急に新しい動物病院へ通院することは、獣医師に愛犬のことを理解してもらうまでに多くの時間と労力を費やしてしまうことに。

なにより一番負担がかかるのは、病気で苦しんでいる愛犬です。

そうならないためにも、日頃から健康診断などで定期的に動物病院へ通院し、信頼できる主治医を見つけておくことが大事です。

様子を見ないで早く通院する

ベッドの上でグッタリする犬

若い愛犬であれば、「少しの下痢や食欲不振ならば、2~3日様子をみる」という方は多いと思います。

確かに少しの下痢ならば若ければ体力もありますし、自然の回復力で改善することも多くあります。

しかし、高齢犬の場合はどうでしょうか?

元々からだの余力が低くなっている高齢犬にとっては、たとえ少しの下痢でも、身体への負担は若い頃とは比べ物にならないこともあります。

また、隠れた慢性疾患の場合、進行がゆっくりなため、「少しづつ食欲が落ちる」ことや「動きが鈍くなる」ことも多くあります。

そういった際に様子を見てしまうと、いざ通院した際には重症化してしまっていることもあります。

病気治療の基本は『早期発見、早期治療』です。

愛犬の変化に気付いたら早めに通院するようにしましょう。

今までの検査資料などを持っていく

診察中の犬

愛犬が高齢になるまでの既往歴や健康診断、予防の状況などが判る資料があれば、できる限りまとめたものを持って通院するようにしましょう。

特に今まで実施した血液検査などの結果や既往歴のわかる手帳があると、そこからの情報から診断のヒントが見つかることも少なくありません。

こういった資料は、急にまとめようとしても大変です。

愛犬が若い時から、整理して保管しておくようにしましょう。

病院に行く時間帯を考えて通院する

待合室

動物病院によっては、特定の時間帯は混雑していて、診察まで1~2時間待たなくてはいけないこともあります。

そのような混雑する時間帯に通院して待つことは、老犬の体力を消耗してしまい、病状をさらに悪化させてしまうこともあります。

特にそのような時間帯は、待合室が満席になってしまい、暑さや寒さの影響がある屋外で待たなくてはいけないこともあります。

その結果、更なる体力の消耗の危険性があるため、救急の場合以外は出来るだけ避けることが賢明です。

また、出来るだけ診療までの待ち時間を減らすためにも、電話などで混雑する時間帯を確認しておくほうが良いでしょう。

最近では、予約制にしている動物病院も多くありますので、余裕をもって予約ができると負担を減らすことができると思います。

日ごろの様子を知っているヒトが付き添って通院する

問診中

動物病院の診察では、獣医師が正しい診断と治療を行うために問診を行い、今までの状態を把握するための質問をしていきます。

例えば、心配になっている症状が

  • いつからあるのか
  • 具体的にどんな症状なのか
  • どのくらいの頻度でおきるのか
  • 悪化しているのか
  • 何かきっかけはあったのか

など様々なことを質問していきます。

このような質問は、愛犬の状況について出来るだけ正確な情報を得るためであり、そこから何か気付きがあれば病気の治療に大きく影響します。

その為、何か病気が疑われる際に動物病院に通院するときは、必ずいつも一番身近で老犬のお世話をしている家族が付き添うようにしましょう。

そうすることで愛犬の治療がよりスムーズに行えることでしょう。

まとめ

高齢犬

冒頭にも書きましたが、高齢犬になると、動物病院へ通院する機会はどうしても増えていくのは仕方ありません。

ただし、事前に通院の準備や心構えをしておくことで、愛犬と幸せな時間をより長く過ごすことができるはずです。

「今、元気だから大丈夫」と思っていては、あとで後悔してしまう結果になるかもしれません。

是非、ここで紹介したことを覚えて実行するようにしてください。

執筆者

藤野獣医師

アニホック往診専門動物病院
院長獣医師/株式会社TYL 取締役
藤野 洋(ふじの ひろし)氏

日本大学生物資源科学部(旧 農獣医学部) 獣医学科卒業後、獣医師としてペットの総合商社に入社。主に獣医師として小動物臨床に従事しながら、ペット用品及び生体販売、フランチャイズ展開の知見を深める。2007年3月に株式会社フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。2017年3月に株式会社フジフィールドをファンドに株式譲渡。動物病院のグループ化とIPOの土台を築くために、譲渡先であるファンド出資の会社にて代表取締役としてM&A推進と既存グループ動物病院及び店舗の運営全般を行う。2021年2月TYLに取締役として参画。

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