犬筥(いぬばこ)とは雛道具のひとつ
出典：amazon.co.jp
犬筥は雛道具の一種です。たくさん種類のある雛道具には、それぞれ固有の意味が込められています。
犬筥は犬をかたどった小箱です。小箱といっても張り子で作られています。犬筥の持つ意味は狛犬とよく似通っていて「女の子の幸福と健やかな成長」となっています。
昨今では、犬筥は張り子で作る事にこだわらずに焼き物のものも増えています。犬筥の最大の特徴は、雄と雌の犬筥で一対となっている点です。
犬筥の由来と意味
犬は縁起の良さを象徴する
犬筥の由来は「犬は古くから縁起の良い動物」として、知られていることからきます。
現に、犬は昔の時代から人間を災厄から守ってくれると考えられていたので、犬の形の人形などを置くことによって厄除けになると昔の人々は考えていました。
最も人間の犬の信仰が顕著なのは神社の狛犬でしょう。犬筥のモデルは狛犬とされています。狛犬の持つ意味が、「子供の幸せと安全」です。なので、多くの人が犬といえば神社の狛犬としてのイメージが強いかと考えられます。
また、犬は安産である事も多くの人に知られているため、安産の守り神として信仰されています。今日でも多くの人が妊娠5か月の戌の日に妊婦帯を巻きます。犬筥は江戸時代になると嫁入り道具として上級階級の家庭に広がっていきましたが、段々民間にも犬筥という概念が広まり、現在、張り子の形の犬筥が主流となりました。
犬筥の意味
犬筥に込められている意味は「女の子の健やかな成長と幸福を願う」の意図が込められています。
犬筥は元々、天皇家の繁栄を願う飾りとして利用されていた経緯もあるので、雛人形においても内裏雛の横に飾られています。雄犬の中にお守りを入れ、雌犬の中には化粧道具を入れていたとも伝えられています。
犬筥は雛飾りの中でも特に華やかなものになっています。古来の人々が犬を敬い、子孫繁栄を願って大切にしていた証拠だと考えられます。
犬筥はどこで手に入るのか
犬筥は骨董店であれば、どこの店舗でも犬筥は手に入ると考えて良いでしょう。また、京都の人形屋さんやインテリアショップにおいても犬筥は置いてあると考えられます。
京都の人形屋であれば、伝統的な雛飾りに関する物は季節が近付けば多くの店で販売されると考えられます。しかし、日本古来の犬筥を京都伝統の骨董屋で買い求めるとなると、高額になる可能性が高くなります。
京都の人形屋だと、犬筥は有名な職人さんが手作りでひとつひとつ丁寧に仕上げるため、関東の人形屋で購入するよりも値段設定が高くなります。骨董屋も犬筥が古ければ古いほど価値が上がるため、基本的に犬筥は安価ではないと考えられます。
実は犬筥が入手できるのは店舗だけではありません。通販でも犬筥を購入する事は可能です。
【瀬戸焼】 須原陶磁工房 須はら飾り 犬筥（白・左） / お楽しみグッズ(キッチン用品)付きセット
須原陶磁工房という店舗はAmazonや楽天のネット店舗を設けています。犬筥も１万円以下で販売されているため、安価で入手する事が可能です。
ノリタケ 置物 歳時記 蓋物 犬筥（いぬばこ）
また「ノリタケ」という店舗でも犬筥は販売されています。こちらは１０万円からの値段設定になっていますが、雛飾りとして考えると安価であると思われます。
まとめ
犬筥は、古来の人々が犬を縁起の良い守り神として考えていたため、雛飾りの一員となりました。昔の人々が犬を大切にしてきた伝統は、今になっても受け継がれているという点が素晴らしいと感じられました。
また、犬筥は人形屋や骨董品ショップだけではなく、ネット通販でも安価で質の良い物を購入する事が可能です。昨今では雛飾りは、家族の人数に対して家の広さを十分に取れない家庭も多いと思われます。
しかし、立派な雛飾りを娘に与えたいと考えている家庭は犬筥も用意してあげてください。通販で簡単に購入できるので、入手のハードルは低いと考えられます。
古き良き伝統を受け継いで子孫に残していきたいです。日本古来、子孫繁栄の象徴として伝えられてきた犬を大切にしていきましょう。
