楽しいお散歩!でも油断は禁物。
飼い主さんとのお散歩は、犬にとってもとても楽しいものです。いつもの慣れた散歩道、人や車の動きもわかっているから大丈夫。そんなふうに油断していませんか?
盗難
お散歩の通り道、ついでにちょっと買い物というのが習慣になっている方も多いかと思います。店先にリードをつなぎ、ちょっとの時間だけ・・・。でも、そのリードに鍵はついていますか?周囲を通りがかる人たちは、その犬があなたの犬だとご存知でしょうか?
残念なお話ですが、こういった状況下での犬の盗難は後を絶ちません。そして大抵の場合、再び愛犬と会うことはできないといったことになります。その目的は、盗んだ犬を飼うためや転売、あたかも自分が保護したかのように装い飼い主からお礼を受け取るためなど、信じがたい理由まで様々です。
犬の盗難は、飼い主が十分に気をつけていれば防げることですのでお散歩中は愛犬から目を離さないようにしましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬の誘拐、盗難目的は多岐にわたります。転売目的や里親詐欺、謝礼などの金銭目的から、自分で飼うためや飼い主への嫌がらせや虐待目的なども。
また、イギリスではコロナ禍でペット需要が高まった影響による盗難事件が増加したそうです。
リードをつけることはもちろんですが、買い物時だけでなくドッグランなどでも放置するのは危険。どんなときも愛犬から目を離さないように心がけましょう。
火傷
真夏の炎天下、コンクリートの道路を犬と一緒にお散歩している人をよく見かけます。人間がつらいのはもちろんですが、犬にとってのこの状況をさらにつらく、場合によっては命に関わることもあります。
犬は、汗腺が肉球にしかなく汗をかいて体温調節することができません。特にブルドッグやシーズー、パグなどの鼻が短い犬種は呼吸がしづらく、体温調節が苦手で熱中症にもなりやすい犬種です。
さらに、真夏のアスファルトの温度は50~60℃にまで達することもあり、帰ってきたら肉球が大火傷を負っていたなんていうこともあります。真夏のお散歩はできるだけ早朝や夜間などに行くようにして、炎天下でのお散歩は絶対に避けましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
熱中症は人間にとっても危険ですが、犬の熱中症は進行が早く、命に関わるさらに危険な病気です。
元気がない、食欲不振や呼吸が荒くなるなどの軽度から、けいれん、意識障害など症状には段階があります。重症の場合は、急性腎不全、播種性血管内凝固、脳障害などを起こす恐れやそれらによる後遺症のリスクまであるといわれています。
少しずつ水を飲ませたり、保冷剤などを体にあてる等の応急処置はもちろんですが、意識がないなどの重度の場合は一刻も早く動物病院へ!軽度で症状が落ち着いた場合も当日中に動物病院を受診することをおすすめします。
なにより、高温多湿の環境や猛暑日の日中の散歩や外飼いはNGです。犬は人よりも体高が低く地面に近いので、人が感じるより暑い環境にいることを忘れずに。
身近な有毒植物
お散歩コースに生えている草花、気にかけることもなく目にしているその植物が実は犬にとっては有毒なものがたくさんあります。
犬がお散歩中に目にした草花を食べるのは、実はよくある行為なんです。植物の種類や犬の体質にもよりますが、中には強い中毒症状が出る場合もありますので、日頃から用心するに越したことはありません。
犬に有毒な植物
【草花】アサガオ、ヒヤシンス、ポインセチア、アザレア、アジサイ、アマリリス、シクラメン、スズラン、チューリップ、パンジー、ユリ全般など
【雑草】イラクサ、ドクゼリ、マムシグサ、アサ、イヌサフラン、ウルシ、トリカブト、ヒイラギ、ワラビなど
【観葉植物】アイビー、ドラセナ、ポトス、アロエ、ディフェンバキア、フィロデンドロン、モンステラなど
道端に生息している草花や雑草、公園や庭などに植えているものや、インテリアとして育てている観葉植物の中にも犬に危険な有毒植物は意外と多くあります。お散歩中に限らず、飼い主さんは家の中の植物の植物にも十分に注意する必要があります。
雨の日
雨の日にかわいらしいウェアを着てお散歩している元気なワンちゃん。でも、その足元にできた水溜まりの中には、他の犬の糞尿はもちろん、いろいろな菌が潜んでいる可能性があります。
水たまりの水は、舐めさせないようにしましょう。また、あまりにも雨が強く降る日などは家の中で遊ばせることをおすすめします。
ガードレールに繋ぐ
犬だけがガードレールに繋がれて、飼い主さんの姿が見当たらない場面を時々見かけます。ですが、その繋ぎ方は本当に安全でしょうか?飼い主さんが戻るまで動かず、ずっとお座りや伏せをして待っているでしょうか?
通りがかりの誰かに触られたりしませんか?もしかすると、急に小さな子供が駆け寄ってくるかもしれません。あなたの犬は、小さな子供に慣れていますか?何かの拍子に、車道に飛び出してしまったら・・・。
飼い主が目を離している間、犬はさまざまな状況に単独で向き合わなければいけません。止むを得ず犬から離れなければならない場合には、できる限り安全が確保できる場所に繋ぎ、最短時間で戻りましょう。周りの人にも犬にも安全な繋ぎ方をしておきたいですね。
犬同士のトラブル
全ての犬たちが仲良くできれば何よりですが、体格差のある犬を嫌う子、噛み癖のある子、怪我や病気で治療中の子など...性格や癖もさまざまです。もし近づける際には、相手の飼い主さんに一声かけるなどの配慮が必要です。
また犬同士だけでなく、飼い主の間でトラブルになることも。「相手の犬が自分の犬に飛びかかってきたのに、飼い主は笑いながら見ていた」、「見知らぬおじさんが会うたびに勝手におやつをあげようとする」、「大型犬を連れた女性がいつも引きずられるようにお散歩していて怖い」など。
必要のないものはしっかりと断る、愛犬のストレスになりそうなものはできるだけ避けるなど、自身や愛犬がトラブルの発端にならないようにするのはもちろんですが、同時にトラブルに巻き込まれないようにしましょう。
まとめ
毎日同じ散歩コースは犬も人も慣れていて楽ですが、気づかぬうちに注意が散漫になっていませんか?
たまには少しコースを変えてみたり、慣れたコースでも目線を変えて周りを見ると、気が付かなかった危険や新たな発見があるかもしれません。
また、周りへのちょっとした気配りでトラブルを回避できることもたくさんあります。愛犬との日々のお散歩をさらに快適で楽しいものにしたいですね。