散歩不要説はいつから?
いつのころからでしょうか。小型犬は散歩が要らないといった話をときどき耳にするようになったのは。日本のペットブームの歴史をたどってみると...。
90年代前半に大型犬のハスキーブームが鎮火し、代わりにおっとりとした気質を持つシーズーや、CM効果によりチワワ人気に火が付き、小型犬が一斉にペットショップに並び出しました。その頃から「散歩は要らないので楽ですよ」といったセールストークが聞かれるようになったように思います。
犬の欲求
健康な成犬の持つ欲求とは、食事、愛情、運動の三つ。これは大型、小型に限らずどの犬も持っている欲求でしょう。どれも家の中でできることですから、この三つが満たされていれば散歩は必要ないとお考えになる方もみえます。
でも、これだけだと犬は少し退屈かもしれません。退屈は破壊行動など何らかの問題に発展するケースがありますので配慮が必要です。脳への刺激によって犬はより健全な精神を保つことができますから満たしてあげたい部分です。
散歩がもたらす効果
草むらや電柱などに着いた他犬の匂いを嗅ぐことによって様々な情報を得る作業。これは愛犬家の間では「クン活」などと呼ばれています。犬は本来、匂いを嗅ぐ能力に長けた生き物ですから、クン活は犬が持つ本能的な欲求をダイレクトに刺激する行動だと言えますね。
犬の持つ好奇心や本能へのアプローチにはその大きさに関わらず散歩が有効でしょう。他にはこんな利点があります。
- リフレッシュ
- 犬のお友達ができる
- 筋力UP
- ストレス解消
- 太陽を浴びて幸せホルモンが増える
- 適度な紫外線でカルシウムの吸収率をUP
- 排泄習慣のリズムがつく
散歩に行かないとどうなる?
1.社会化不足によるメンタル弱化
先日見たテレビ番組の中で、芸能人のこんな愛犬エピソードが放映されていました。「うちのヨークシャーテリアは3歳なんだけど、ビビりだからたまにカフェに連れて行っても他の犬を怖がって震えるし、全然歩かないから散歩も行けない。でも小さいし部屋を自由にしているからそれで充分みたいなんだよね」。
もちろんテレビ番組の中のたった一コマですから実際にはどうかわかりません。しかし、犬がかわいそう、と感じたのは私だけではないはずです。同時に、犬の社会化をさぼると結果こうなるよね、とも思いました。歩かないのはなぜでしょうか。他の犬が怖いのはどうしてでしょうか。
散歩を中心とした社会化が不足すると、遭遇した様々なできごとに過剰反応する傾向にあります。
2.運動不足による体力低下
家でただ自由運動させているのと、外へ散歩に出るのは運動量がちがいます。例えば地面。土、砂利、芝、草むら、アスファルト。足腰へかかる負荷がそれぞれに変化しますね。時には全速力で駆けてみたりなど、そうした家の中だけでは体験できない運動により、犬の筋肉は散歩を通して知らず知らずのうちに鍛えられているはずです。
しかし、家の中ではどうでしょうか。自由運動させているつもりでも、実は単調な日々の動作にすぎないという場合もあるかもしれません。
3.刺激不足が招く病気
単調でメリハリのない日々は、人がそうであるように、犬もまた同じようにつまらなく感じるでしょう。近年、犬のアルツハイマー病が取り上げられる機会が多いですが、一因として刺激不足との関連性を指摘する専門家もいます。散歩で適度な刺激を受けさせ、いつまでも健康に暮らしたいですね。
まとめ
小型犬に散歩が必要かどうか。この問いに対しての答えはもうみなさんお分かりですね。散歩に行かない理由を探すよりも、行くメリットが大きいことを感じていただけたら嬉しいです。
お気に入りのウェアを羽織り、愛犬に可愛いリードを付けたらドアをOPEN!季節の香りが、心地よく包んでくれますよ。あなたと愛犬の日々が幸せと愛に満たされるように応援しています。それではまた。