犬の言葉「ボディランゲージ」
当然のことですが、犬は言葉を話すことはできません。
ですが、その代わりに「体の動き」で気持ちをあらわします。
体の動きで気持ちを伝える「ボディランゲージ」は、犬が飼い主さんへ思いを伝える「犬の言葉」といえます。
では、そのボディランゲージとはどのような動きで、どのような場面で使われるのか、そしてその時の犬はどのような気持ちなのかを見て行きましょう。
ペロペロと口元をなめる場合
犬が飼い主さんの口元をペロペロとなめることがあります。
この行動は、母犬に食べ物をねだるときの名残りとされており、飼い主さんを母親とみなし甘えているのです。
「好きだよ」
という気持ちを伝えています。
腹部やのどを見せる
自分より強い犬に対して、犬の弱点といえる腹部やのどを見せます。
これは強い犬に対しての服従の意味をあらわします。
「降参しているから、攻めてこないで」と伝えています。
飼い主さんにリラックスした状態で腹部やのどを見せるのは、
「信頼してます」
「幸せだな~」
と安心している気持ちを伝えています。
お辞儀・飛び跳ねる
遊んでほしい場合、お辞儀のような動作やとび跳ねたりします。
具体的には、前足を曲げお尻をあげてお辞儀をしているような格好や、飛び跳ねるようにして左右に素早く動いたり、前足や鼻を使ってつついたり様々な動作を行います。
お尻をくっつける
飼い主さんに犬の急所であるお尻をくっつけるのは、リラックスして『安心している』証です。
このポーズは、飼い主さんに信頼をおいているポーズなので、「お尻をくっつけて失礼だ!」
と叱ってはいけません。褒めたり、スキンシップをはかりましょう。
しっぽを振る
しっぽを早く左右に振る時は、「嬉しい・喜び」の気持の表れです。
飼い主が外出先から家に帰ってきた時は、
「おかえり、待ってたよ」
と飼い主の帰りを喜びます。
逆に『怒っている時』にもしっぽを振ります。
『しっぽを上向きにして激しく振る時』は警戒していますので、犬は『この人に襲われるかも。』と思っています。
この時に犬を撫でようと手を出すと、吠えられたり、咬まれたりするので注意が必要です。
犬がしっぽを振るのは『喜んでいるだけではない』ことを知っておきましょう。
犬のもう一つの言葉「カーミングシグナル」
カーミングシグナルとは、犬が緊張する場面に直面した時に、自分自身を落ち着かせるため、もしくは相手(他の犬)を落ち着かせるために、『敵意がないことを示す』一連の行動です。
また、飼い主さんへ自分の不安やストレスを知らせるシグナルとして、使う場合もあります。
それでは、犬はどのようにして、カーミングシグナルを使うのでしょうか。
行動毎に詳しく見て行きましょう。
あくびをする
イライラしている時、不安がある時にあくびをします。トレーニングの時、飼い主さんから叱れている時にもあくびをすることがあります。
この時は「そんなに興奮しないでよ」と逆に飼い主さんを落ち着かせようと伝えているのですが、飼い主さんはバカにされていると感じ、さらに怒ってしまうことがあります。
目を合わせないようにする
犬にとって真正面から目を合わすということは、威嚇行為にあたります。
敵意がない方が目線をそらします。
トレーニングの時に苦手なことをさせようとして、目をそらす時は、『聞こえないふりを決め込んでいる』という意味があります。
自分の足の裏を舐める
極度の不安やストレスを感じていることを和らげたいときに足の裏をなめます。
飼い主さんは愛犬のストレスを察知して、ストレスの原因になる要素を取り除いたり、発散させるなど、対策を行うべきでしょう。
体をブルブル振る
トレーニングが長引くと、体をブルブル振る行為がみられます。
これは、『もう飽きた。休憩したい』という気持ちをあらわしています。
このサインを愛犬が見せたら、少し休憩をとるようにしましょう。
近づくときに半円を描くように近づいてくる
飼い主さんがイライラして呼び寄せようとする時、まっすぐではなく半円を描くようにゆっくりと歩いてくることがあります。
これは、『そんなに怒らないでよ』という気持ちをあらわしています。
愛犬のためにも、少し柔らかい対応をしてあげると良いでしょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
このように言葉を使うことができない犬ですが、実は人間と同じように感情が豊かな動物なんです。
わんちゃんたちは、私たち飼い主や、他の犬とのコミュニーションをとるため、さまざまな方法で感情や思いを伝えて来ます。
今回ご紹介した、『ボディランゲージ』や『カーミングシグナル』はほんの一部分。
愛犬の見せる様々なボディランゲージやカーミングシグナルをよく観察し、愛犬の気持ちを汲みとり、愛犬とより深い信頼関係を築くようにしましょう。
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女性 けんしろう