暑い夏から寒い冬への変わり目となる秋
暑い夏が終わり本格的に寒い冬が始まる迄の9〜11月は、過ごしやすい「秋」です。最近は毎年のように異常気象だと言われて夏が長くなり、秋が短くなっているように感じている方も多いかもしれません。
秋は、暑さによる疲労が蓄積して体調不良を起こしやすくなっている状態を元に戻し、寒い冬に備える準備をする大切な時期でもあります。それは愛犬も同じです。自らの意思で暮らし方を変えられない愛犬達の健康管理は、飼い主さんがしっかりと行わなければなりません。
1. 気温の変化に伴う影響
運動量
夏は暑さのため、散歩の時間を早朝に移し時間も短くする等により、運動量がかなり制限されていたはずです。さらに、愛犬の体には暑さによる疲労が蓄積しています。
涼しいからといきなり長時間の散歩をしたり、激しい運動をさせるのではなく、様子を見ながら徐々に増やしていきましょう。散歩前の路面温度の確認も、しばらくは続けて安全を図りましょう。
食事管理
夏の暑さで食欲が落ちている犬が多いと思います。涼しくなってもいきなり給餌量を戻すのではなく、様子を見ながら少しずつ戻していきましょう。
ビール酵母は良質なタンパク質の他にビタミンやアミノ酸も豊富に含む自然食品なので、いつもの食事にトッピングするのもおすすめです。
換毛期
秋は、夏毛から冬毛へ生え変わる換毛期です。普段よりも抜け毛が多くなるので、頻度を上げ、丁寧にブラッシングしましょう。
特にダブルコートの犬種は、アンダーコートが大量に抜けます。たとえ短毛種であってもしっかりとブラッシングする必要があります。
子犬や老犬への注意事項
子犬や老犬は環境変化への順応が難しいので、特に注意が必要です。
消化器系へのダメージが出やすいので、下痢気味の場合は消化の良い食事に切り替えるとか、水分をしっかりと補給することが大切です。シリンジや水を染み込ませたガーゼなどを利用して、口に水を含ませるのも良いでしょう。
2. アレルギー関連
犬に感染するノミの最盛期は7〜10月です。他にも、ダニ、ヨモギ、ブタクサ、キリンソウなど、夏〜秋にかけて増えるアレルゲン(アレルギー反応を起こす原因となるもの)も多いです。そのためか、犬の血液中の抗体値(アレルゲンを攻撃する物質の量や強さ)も、秋になると増える傾向があります。
アレルギーを持っている愛犬にとってはつらい季節なので、食事内容に気をつけ、住環境から排除できるアレルゲンはできる限り排除し、触れないように避けていくことが大切です。
3. 秋に行われるご家族との行事
秋にはお月見やお彼岸といった行事があります。最近では、ハロウィンも普及してきたようです。そういった行事をご家庭でなさる場合は、愛犬の誤飲・誤食に気をつけましょう。
お団子や串といった食べ物はもとより、化学薬品を使った装飾品にも注意が必要です。また、取れやすい飾りがついたような洋服を着せる場合も、目を離さないようにしましょう。
4. 秋に多くみられる発情期
犬の場合、メスが発情し、オスがそれに誘発されて交尾に至るのが普通です。そのためオスはいつでも交尾が可能な状態で、特に発情期といったものがあるわけではありません。
メスの発情は、5〜10ヶ月程度のサイクルで年に2回程なので、必ずしも時期が決まっているわけではありませんが、3〜5月の春と、9〜11月の秋に多いと言われています。
発情したメスに誘発されたオスは、メスを獲得するために激しい喧嘩をします。また発情したメスも、ホルモンバランスの関係か発情中は攻撃性が高くなる傾向があるようです。
そのためメスの発情中は、オスもメスも、飼い主さんがその行動に注意をする必要があります。
5. 台風関連
9〜10月は、台風シーズンでもあります。特に最近は、信じられないほどの降雨量で大きな被害が各所に発生しています。台風が発生したら進路を確認し、外飼いの犬は必ず事前に室内に避難させましょう。
雷や暴風雨の音・光に怯えている場合は、落ち着かせてあげましょう。一番大切なのは、飼い主さん自身が慌てず怖がらずに落ち着いた行動をとることです。また、外の音を和らげるためにも、テレビやラジオを付けっぱなしにしておくことをおすすめします。被害状況も迅速に入手できます。いざという時に愛犬を同伴して避難できるよう、日頃から準備しておきましょう。
まとめ
夏バテは見た目でも分かりやすく、自然と愛犬にも注意を払うのですが、秋になると過ごしやすくなってきた安心感が先行し、ついつい注意が行き届かないこともあるようです。
四季がはっきりしている日本で暮らしている以上、愛犬にも四季折々の観点による健康管理への配慮が必要です。特に子犬や老犬は環境変化に順応しづらいので、より一層の注意が必要です。