迎えた直後の子犬との接し方
初日
新しく迎える子犬と良い関係を結ぶためには、やはり初日が肝心です。親犬や兄弟たちから離され、子犬はとにかく不安でいっぱいです。初めて見る家族、初めての場所で、とにかく緊張し途方に暮れている状態なのです。
まずは、飼い主さんが自分の味方であり、頼れる存在であると思ってもらう必要があります。しかし、最初からリーダーシップを発揮しようとしてもうまくはいきません。まずは飼い主さんが堂々として落ち着いた態度で、子犬を優しく導いてあげるという気持ちでいましょう。
そして、肝心なのは「触らず、話しかけず、目を見ない」ことです。子犬から少し離れたところに座り、子犬が自分の意思で近寄ってくるまで静かに待っていましょう。食事と水を用意してあげ、お腹が満たされて子犬の緊張が少しずつ解けてくるのを待つのも良いでしょう。
トイレについては、初日からトレーニングが必要になりますが、とにかく失敗しても怒ってはいけません。とにかく焦らずゆっくりと時間をかけるという心構えが必要です。
最初の1週間
子犬を迎えてワクワクしている飼い主さんやそのご家族は、一刻も早く子犬と一緒に遊びたいと思っていることでしょう。しかし焦りは禁物です。
最初の1週間は、とにかく子犬を新しい環境に馴染ませる期間です。子犬との接触は、食事とトイレのみと考えてください。特に最初の3日間程度は、心身共にゆっくりと休ませてあげることが大切です。
ご家族が子犬の敵ではなく味方であること、家の中は安全で安心して安らげる場所であることを理解してもらいましょう。重要なのは、周囲に危険なものを置いておかないことと、室内の温度や湿度を適切にコントロールすることです。
ただし、クレートの中から出たがって鳴き続けたり夜鳴きをしたりしても、決して応じてはいけません。子犬にとって必要なことなのだと、心を鬼にしてください。
賢い犬にするための子犬時代の接し方
子犬の脳にはたくさんの刺激を与えよう
犬の一生は人の一生ほど長くはありませんが、決して短い期間というわけではありません。その長い犬の一生を共に生活するのですから、やはり賢い犬になって欲しいと願うのは、当然のことでしょう。
賢い犬に育てるためには、子犬の時に、脳にたくさんの刺激を与えることです。多方面から刺激を与えることで、偏らずにバランスのとれた、しっかりと賢い犬に育つでしょう。
では、子犬時代にどのような刺激を与えれば良いのでしょうか。子犬の脳に刺激を与えるための工夫ポイントを5つ、ご紹介しましょう。
(1) 社会性を身につけさせる
元々犬は社会性の強い動物ですが、子犬時代に飼い主さんとしか触れ合わずにいると、どうしても社会性が身につきません。また、仲間と交流したいという欲求も持っています。特に飼い主さんが一人暮らしの場合は、飼い主さん以外の人とも積極的に交流させましょう。また、できるだけ他の犬とも一緒に遊ぶ機会を作りましょう。
(2) やりがいを与える
犬種により、狩猟や牧羊犬としての適性を色濃く持っており、犬は走ったり、捕まえたり、探し物をしたりと、それぞれ得意分野を持っています。犬種やその犬の性格により、その子の得意を活かした課題を与えて、生活の中にやりがいを与えましょう。そのためには、フリスビー遊びやアジリティなどの競技が活用できます。
(3) しつけにもひと工夫
ただ「お座り」や「来い」「待て」などを教えるだけではなく、そこにひと工夫加えて別の要素と組み合わせることでも、子犬にとっては新しい刺激になります。トレーニングが進むに連れ、少しずつ新しい要素を加えていきましょう。
(4) ただ食べるだけにしない
本来、犬の祖先たちは自分たちで狩りをして獲物を捕まえなければ、食事にありつくことができませんでした。工夫しなければ中から餌が出てこない立体パズルのような容器は、子犬にとって格好の刺激剤です。市販のものもありますが、細長い棒やペットボトルを利用して手作りすることもできます。
(5) 散歩コースもたまには変えてみる
たまには散歩のコースや時間を変えてみましょう。子犬にとっては新しい刺激となり、興味がかき立てられることでしょう。
まとめ
全く見ず知らずの人が、初対面の時からぐいぐいと寄ってきたら、おそらくあなたは警戒してしまうのではありませんか。犬だって同じです。初めての家に連れてこられた犬には、それなりの接し方があるのです。また、育ち盛りの子犬時代の脳に適度な刺激を与えることで、賢い犬に育てることができます。
これらのコツやポイントを知った上で子犬と接すれば、その子犬とは生涯深い絆で結ばれることでしょう。