犬が飼い主の服を引っ張る心理3選
歯が痒い
私たち人間と同じように、生まれたての子犬には歯が生えていません。生後二か月ぐらいで乳歯が生え揃い、多少個体差はありますが、おおよそ生後4~6か月で永久歯に生え変わります。その「歯が生え揃う時期」と「乳歯から永久歯に生え変わる時期」に歯茎に何とも言えないむず痒さを感じるので、おもちゃなどを盛んに齧ったりします。
もし、生後一年以内の子犬で、飼い主さんの服だけでなく、スリッパ、自分のおもちゃ、ソファの脚などの家具などをむやみに噛みたがる場合は、歯の生え変わりによって歯茎が痒いことが考えられます。
飼い主さんの注意を引きたい
飼い主さんの注意を引きたいとき、よく犬がする行動の一つに「お手」があります。例えば、「おやつを頂戴」「遊んで」などの要求があるときに、飼い主さんの腕などに前足で「チョイチョイ」と軽くひっかくような仕草をします。
これは、飼い主さんの関心を自分に向けさせて、何か要求を伝えようとしていることが多いと思います。「飼い主さんの服をひっぱる」時は、もっと具体的に「こっちに来て!」と飼い主さんを自分が行きたい場所へ連れて行こうとしている意思があるのかも知れません。
おやつをしまっている場所や、遊び道具を置いている場所、散歩に行くためのグッズなど、犬の要求に関連したモノや場所に誘導しようとしていると考えられないでしょうか。
飼い主さんと遊びたい
タオルや、口でひっぱりっこをして遊ぶ習慣がある犬にとって、飼い主さんの着衣も「同じ布」です。力加減なく、袖やすそなどを噛み締めて、尻尾を激しく振り、足を踏ん張って、興奮し少し唸ったりしていたら、「この布で引っ張りっこして遊ぼう!」と飼い主さんを誘っている可能性が高いと思います。
犬が飼い主の服を引っ張らないようにするために
飼い主の服を引っ張る行為を放置すればどうなるか?
いつも、「服を引っ張れば飼い主さんは自分の要求を叶えてくれる」と考えます。自分の要求を通すときは、飼い主さんの体の一部である服を引っ張ればいい、と犬が覚えてしまったら「お腹空いた」「散歩に行きたい」など、犬に何か要求があるたびに服を引っ張られてしまいます。
飼い主さんの服を引っ張らないようにするために
「飼い主さんの服を引っ張っても、要求は通らない」と思わせることです。服を引っ張り始めたら、無視し、服を脱ぎ、その場に何も残さずに黙って立ち去る。それを根気よく繰り返せば、「何かを要求するために飼い主さんの服を引っ張っても無駄」だと学習します。徹底的に根気よく続ければ、必ず改善できます。
服で遊ばない
着衣を引っ張られなくないのであれば、もう着なくなった古着であっても、人間が着ていた服で犬と遊ぶのは止めましょう。どうしても、その布で遊びたいのであれば、服の形ではなく、リメイクしてロープ状にするなど、犬が服だと認識しない形にしてから遊ぶようにしましょう。
まとめ
私たち人間は、犬と言葉で会話して意思を通じ合うことはできません。つまり、何を考えているのか、どうして人間が理解できない行動を取るのかの完全な正解を突き止めることは不可能です。科学的な根拠がなければ、今回の「飼い主の犬の服を引っ張る心理」についていろいろと考えてみても、全ては仮説です。
もし、それでも確信を持ちたいのであれば、歩き方や息遣い、尻尾の動き、表情から愛犬の感情を察するしかありません。けれども、愛犬の行動の理由や原因を「知りたい」という好奇心で観察することは、飼い主さんに自分の意思を伝えたい愛犬と、その意思を知りたい飼い主さんとで会話をしているのと同じことではないでしょうか。
もし、ご自分の服を引っ張られたとき、「甘えたいのかな」と飼い主さんが感じたのだとしたら、それは愛犬の気持ちを愛犬の「服を引っ張る」という行動と、そのときの愛犬の表情や動きで「甘えたいんだよ!構ってよ、遊んでよ!」という愛犬の気持ちをキャッチできているからかも知れません。