何で飼い主さんはいないんだろう
他人の家に預けられても最初のころは、室内を探索するのに夢中になったり、見慣れない家具や置物に興味をそそられたり、いつもと違うおもちゃやおやつに浮かれたりと、不安や退屈を感じずに過ごす子も多いかもしれません。
ですが、ふと気づいたときに「あれ、何で飼い主さんはいないんだろう?」と飼い主さんを探しはじめる場合があります。わんこはただでさえ、「いつも通り」であることに安心を感じる動物です。それだけに変化にはとても敏感でもあるのです。
このままこの家で暮らすのかな
飼い主さんがいなくなってある程度の時間が経つと、「飼い主さんはもうお迎えに来てくれないのかな」「このまま、この家の子になって暮らすのかな」と不安を募らせてしまう子もいます。
中には、ごはんやおやつ、おもちゃに目もくれず、飼い主さんが去っていった玄関の前でじっと伏せて待っていたり、クンクンと悲しそうな鳴き声を上げたりするような場合も。このような心理状態になってしまうと、わんこにはかなり強い心理的ストレスがかかります。
ストレスがかかると、明らかに元気がなくなったり、食欲不振になったり、嘔吐や下痢といった身体症状が現れることもあるので、注意が必要です。
いつ迎えに来てくれるのかな
飼い主さんがいないことで極度の不安を感じる子もいれば、一方で、全く気にしていないようにケロッとしている子もいます。
愛犬のようすが心配になって連絡をとったときに「元気がなくて」と言われるのも心配ですが、「何にも変わらず元気だよ」と言われたら言われたで、今度は「私がいなくてもどうでもいいのね」と寂しくなってしまうかもしれませんが、あまりガッカリしないでください。
寂しいそぶりを見せないわんこも、決して、飼い主さんがどうでもいいわけではありません。寧ろ、その逆で、飼い主さんとしっかり信頼関係ができているからこそ、「飼い主さんが自分をこんなところに置いてきぼりにするわけがない」「いつか絶対に迎えに来てくれるから大丈夫」と楽観的に考えているのです。
一方でもちろん、心のどこかでは「いつ迎えに来てくれるかな」と飼い主さんの帰りを楽しみにしているはずですよ。
愛犬を他人に預けるときの準備と注意点
相手の家族やペットとの相性を見る
愛犬を他人に預けなければならなくなったときには、もちろん、相手先の家族との相性を確認しておかなければなりません。また、相手方にわんこや猫など、他のペットがいる場合には、動物同士の相性を見ておくことが最も大切です。
人間であれば、苦手なら関わらないようにする等、ある程度距離感を調整することができますが、ペットの場合はそう簡単にもいきません。双方にとってストレスとなってしまわないよう、お互いの相性が悪くないか、そもそも、他の子を受け入れやすい性格の子なのかどうかをしっかり見極めておく必要があります。
事前に練習しておく
また、愛犬を他人の家に預けることが決まったら、いきなり本番当日を迎えるのではなく、事前に練習日を設け、短時間でも良いのでお預けする練習をしておくことが重要です。上述したように相手との相性を見極めるためでもありますが、それ以上に、「一度そこに預けられた記憶を作る」ことが大切なのです。
先にご紹介した通り、他人の家に預けられても「飼い主さんは迎えに来てくれる」と信じることができれば、愛犬は過度の不安やストレスにさいなまれることはありません。そのためにも一度練習しておくことで、「前にここに預けられたときも、飼い主さんは迎えに来てくれた」という一種の成功体験をすることができ、「ここなら安心して待っていれば大丈夫」と安心できるようになるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?信頼関係によって愛犬の不安を減らせることはご紹介した通りですが、とはいっても、他人の家で、慣れない環境で過ごすことは、わんこにとって多かれ少なかれストレスになることは間違いありません。お迎えに行った後は、良い子で待っていてくれたことをたくさん誉めてあげるのと同時に、ストレス解消にも取り組んであげてくださいね。