犬のストレスサイン…正しく受け取っている?
毎日家でのんびりしている愛犬を見ると、「いいなぁ~」なんて思うこともあるかもしれません。しかし、犬は非常に警戒心が強く、繊細な動物です。人間への共感能力も高いため、実はストレスを溜めやすい動物でもあるのです。
そんな犬たちは、日頃から様々なストレスに見舞われています。中には、人間から見れば「そんなことで?」と思うような些細なことにまで、強いストレスを感じることがあるほど。そのストレスが溜まりすぎたとき、あるいは強いストレスを感じたとき、犬たちもストレスサインを出していることがあります。
お気づきですか。意外なストレスサインも多いため、飼い主が気付かなかったり、あるいは全く異なる解釈をしたりしてしまうことも珍しくありません。
しかし、強いストレスをそのまま放置してしまうと、犬も精神病を患い、症状がエスカレートすることで自傷行為に類似した行動を起こす犬もいます。このような事態に陥る前に、飼い主が正しくストレスサインを察知し、原因を突き止め、不安やストレスを軽減させてあげることが大切です。
犬の意外なストレスサインとは?
では、犬が見せるストレスサインにはどのような仕草や行動があるのでしょうか。「ク~ン」と鳴いていたり、悲しげな表情を見せていたりすれば、「寂しいのかな?」などとわかりやすいのですが、中には「これが!?」と驚くようなストレスサインも多くあります。
あくび
一見、「眠いのかな?」と飼い主が思ってしまい、「眠いなら1人にしてあげよう」とその場を離れてしまいそうな仕草です。しかし、実は犬にとってのあくびはストレスサインの1つなのです。
「飼い主さんがなかなか構ってくれない」「何もすることがなくて暇すぎる」など、あくびはこのようなストレスを表していることが多いです。そのため、勘違いして飼い主がその場を離れるのは逆効果となります。あくびはストレスサインの中でも軽度のサインではありますが、軽度なストレスも積もりに積もれば重度のストレスとなります。早いうちからストレスを緩和してあげることも大切です。
体の一部を執拗に舐め続ける
ふと愛犬を見ると、自分の前足を夢中になって舐め続けている姿を見ることはありませんか。名前を呼んでも反応せず、一心不乱に舐め続けていると「邪魔しない方がいいのかな」「毛繕いしているのかな」と思いがちです。
しかし、この行動が見られたら、強いストレスを感じているサインです。実は、この体の一部を執拗に舐め続けるという行為は、犬にとっての自傷行為でもあります。体の一部を舐め続けることで、皮膚の炎症を引き起こし、その部分だけがただれてしまったり、脱毛や慢性的な炎症が起こる原因となります。
なぜこのような行動を起こすのでしょうか。それは、犬がストレスを自覚しているため、「何かをすることで気を紛らわせよう」としている結果です。夢中になって舐め続けることで、気を紛らわすことはできますが、ストレスを緩和することには繋がりません。体も傷つけてしまっています。
このストレスサインが見られたら、無理やりやめさせるのではなく、近くで声をかけたり、おもちゃで興味を違うものに向けたりするなど、夢中になる対象を変えた上で、一緒に遊んだりスキンシップを取ってあげたりしましょう。
笑顔になる
とても意外なストレスサインです。何と犬が笑顔のような表情を浮かべているときは、ストレスを感じているサインの疑いがあるというのです。これは驚きですよね。しかし、ストレスサインの笑顔は、通常の幸せを感じているときの笑顔とは少し異なります。
幸せを感じているときの笑顔や、リラックス状態の笑顔は、目元が穏やかで、口角も自然な上がり方をしています。飼い主から見ても自然な状態であると感じるでしょう。体全体を見ても、明らかにリラックスしていたり、喜んでいたりするような動きや状態を保っています。
しかし、ストレスによる笑顔はそうではありません。必要以上に口角が後ろの方に上がっていたり、目が笑っていなかったりと、どこか不自然な笑みを浮かべているのです。目が警戒によって見開かれていることもあります。
さらに、舌を出し、息が少々荒く鳴っている場合は、ストレスにより心拍数が上がっていることを意味しています。このようにストレスを表す笑顔を見せている場合は、不安の原因を探し、それを取り除くことで解消してあげましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬のストレスサインは様々です。唸ったり吠えたり、じっと強い眼差しで見つめるなどのわかりやすいサインもあれば、今回ご紹介したような飼い主が勘違いしてしまいがちなサインもあります。正しくストレスサインを察知し、できるだけ早く不安やストレスを和らげてあげてくださいね。