犬は本来「人見知り」な生き物
ドッグランや動物病院などあまり慣れていない場所で、知らない人ばかりの環境でも、誰にでも人懐っこく色んな人に構ってもらっているワンちゃんもいれば、いつものお散歩コースで知らない人にちょっと声をかけられるだけで、緊張して人見知りな態度をとってしまうワンちゃんもいます。
同じ「犬」という生き物なのに、個体ごとに本当に性格がまったく違いますよね。しかし、犬の習性としては「人見知り」なことは実は当たり前のことなのです。
犬が本来「人見知り」な理由
もともと犬は野生動物。生まれて3ヶ月くらいまでは、兄弟と母犬しかいない巣穴の中だけで過ごします。この3ヶ月の期間、子犬が認識するものは「仲間」と「餌」のみ。人見知りをする環境でもなければ必要もないのです。この時期の子犬は好奇心旺盛で、威嚇したり怯えるといった行動をとることは一切ありません。
生後3ヶ月を経たころ、子犬は初めて巣穴の外に出ることを母犬から許されます。そして初めて外の世界を目にしたときに、多くの外にあるものを「敵」と認識するのです。子犬にとっては巣穴の中で共に過ごした「仲間」と「餌」以外は、「敵」になってしまうので、その頃から警戒心や恐怖心が芽生え、威嚇や怯えるなどの行動をとるようになります。
そのような犬の習性を考えると、生後3ヶ月を過ぎたころの犬が、慣れ親しんだ飼い主さん以外の人を「敵」と感じて恐怖の対象となってしまい「人見知り」になってしまうのは、ごく自然なことなのです。
『人見知りない犬』に共通する4つのこと
1.社会性が身についていない
多くの「人見知りな犬」に共通していることが社会性が身についていないということ。ペットとして飼われる犬は、人と共に生活していく中で必要な、社会に順応する力を身につけることが大切と言われています。多くのことを経験させ順応する力を身に着けるには、生後3ヶ月までの社会化期にどのような経験をしたかが非常に重要になります。
生後3ヶ月と言えば、野生の子犬がまだ外の世界を知らないころ。現在の犬たちも、この期間に目にしたものは怯えの対象とならないので、多くの人と会って触れ合うことで「人見知り」になることを防げるのです。
2.性格が臆病
犬の性格は個体ごとに大きく違いますよね。もちろん社会性がしっかりと身についている子は、「人見知り」な子は少ない傾向にありますが、必ずしもそうとは限りません。やはり、持って生まれた性格もあり、極端に臆病な子がいるのも事実です。
犬が「人見知り」をしてしまうのは、基本的には恐怖心から。臆病な性格の子は、「人見知り」な子がとても多いよう。その子自身の持っている個性なので、無理やり「人見知り」を克服するのではなく、愛犬の気持ちに寄り添った行動をとってあげましょう。
3.留守番が苦手
「人見知りな犬」は、飼い主さんのことは大好きで、べったりと甘える犬が多いと思います。恐怖の対象となってしまうものが多いため、飼い主さんのことを心から頼っているのかもしれません。
こうなると、犬の飼い主さんへの依存心が強すぎて、お留守番が大の苦手になってしまうこともあるでしょう。犬の飼い主さんへの依存心が強すぎる場合、分離不安症という病気を発症してしまう恐れもあります。愛犬がひとりで過ごす時間を作り、少しずつお留守番にも慣れていってもらいましょう。
4.吠えてしまう
「人見知りな犬」の性格は、上記にも書いたように、臆病で怖がりな子が多くいます。お散歩中には知らない人に話しかけられると、吠えてしまう子も少なくないはず。これは知らない人に対して緊張感や不安感を抱いているサイン。「近づくな!!」という意思表示になります。愛犬が知らない人に対して、吠えてしまうという悩みを持つ飼い主さんも少なくないよう。人の少ない時間帯や、コースを選んでお散歩すると少し安心かもしれませんね。
まとめ
近年、人見知りな犬は意外と多いのではないでしょうか?人見知りよりも、色んな人と接して遊べるほうが、愛犬自身も楽しく、またストレスを感じることなく過ごすことできるのかもしれません。しかし、根本的な性格が「知らない人と接するのが嫌い」という個体もいます。無理強いしない範囲で人と接する機会をつくってみると良いかもしれませんね。