1.吠える
初めて会う犬に吠えてしまう時には2つの理由が考えられます。
仲良くなりたくて吠える
意外かもしれませんが、他の犬に吠えてしまうのは敵意によるものだけではありません。初めて会うわんちゃんに限らず、他のわんちゃんに向かって吠えてしまう時には
- 「もっと近付いてあいさつしたい!」
- 「飼い主さん、あっちに行きたいよ!」
- 「一緒に遊びたい!」
というアピールで吠えている場合があります。
怖くて吠えている
もう1つの理由は「他の犬が怖いから」です。子犬の頃に適切な社会化がなされなかったわんちゃんに多く、他の犬を過度に怖がってしまうためにけん制として吠えてしまうことがあります。
また、自分が吠えた後に他の犬が通り過ぎていなくなることを「自分が吠えたから相手が去った」と思ってしまい、他の犬に会ったら吠えれば解決するのだと認識していることが原因の場合もあります。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬が相手と仲良くなりたいときは、前に出て尻尾は上がっている状態でやわらかい表情を見せます。
相手が怖いと感じているときは、後ろに下がり尻尾は下がっている、丸めている状態で表情も硬くなります。
愛犬の行動や仕草をよく観察してみましょう。2.舌なめずり
犬同士で接触する際に、ペロッと舌を出して舌なめずりすることがあります。
これは犬のカーミングシグナルで
- 「緊張するなぁ」
- 「嫌だなぁ」
という気持ちの表われです。
初めて会う犬に対しては、相手がどんな犬なのか、自分にとって安全な存在なのかが分かりません。
しかし、相手の犬に対して好奇心もある場合には、恐る恐る接触してみることがあります。この時の緊張感によって舌なめずりが見られると考えられます。
3.匂いを嗅ぎ合う
犬が匂いに対して好奇心が強いのは、匂いの情報によってその物や相手がどんな存在なのかを知る習性によるものです。
鼻と鼻を近付ける
最初の接触は、犬同士が鼻と鼻を近付けて匂いを嗅ぎ合う行動です。初めて会う相手の場合はまだ緊張している状態ですので注意が必要です。
少しでも相手に危険を感じたり嫌だと思うと、いきなり吠えたり噛みついたりすることもあります。
おしりを嗅ぎ合う
犬同士の挨拶は、お互いのおしりの匂いを嗅ぎ合うという行動をとります。体の中でもお尻や股の匂いはとても強いため、相手のことを知る有力な情報となります。また、お尻には「肛門腺」という強いニオイを出す器官があり、このニオイがお互いの名刺代わりになるのです。
しかし、初めて会う犬同士はお互いに緊張感も持っているため「自分の匂いは嗅がれたくないなぁ」と思っていることもあります。
その場合は、お互いにお尻を嗅ぎ合った状態で円を描くようにクルクルと回ってしまうことも。また、自信のある子や動じない性格の子は、しっぽを立てたまま堂々としていることもあります。
いきなり相手の顔の周りを嗅ごうとする
犬の世界には「相手に正面から近付くのはマナー違反」というルールがあります。それは、正面から相手に近付くのは敵意とみなされるためです。
犬は、他の犬と友好的に接触するために相手に近付く時には正面を避けて相手の横側へ斜めに歩きながら近づきます。しかし、子犬期に他の犬との接触経験が少ない子は犬のマナーを知らないことがあり、平気で相手の正面から近付いたりいきなり顔や耳などの匂いを嗅いだりしてしまうことがあります。
場合によっては、相手の犬を怒らせてしまうこともあるため注意して見守ってあげましょう。
4.上半身を伏せる
相手の匂いを一通り嗅ぎ終えた後に、上半身を低く伏せてお尻を高く上げる仕草をすることがあります。
これは「プレイバウ」と呼ばれ、相手を「一緒に遊ぼう!」と誘う時の仕草です。また、プレイバウの姿勢になることで相手の犬に「敵意はないよ」と知らせることもあります。
5.飼い主さんの後ろに隠れる
人見知りならぬ「犬見知り」をしてしまうわんちゃんも多いですよね。知らない犬に臆病になってしまう「犬見知り」の子は、飼い主さんの足の後ろに隠れたり抱っこを要求して逃げの姿勢になることが多くあります。
吠えたり威嚇したりといった攻撃的な態度を取ることもありますが、ただ怯えて飼い主さんに助けを求める子もいます。無理に相手の犬と接触させようとするとストレスになってしまいますのでどちらかが犬見知りを発動させた際には、無理に接触させない方が良いでしょう。
まとめ
今回は「初めて会う犬同士のリアクション」を5つ解説いたしました。
わんちゃんの性格によって、初めて会う犬に対するリアクションにも個性が出ます。
- 吠える
- 舌なめずり
- 匂いを嗅ぎ合う
- 上半身を伏せる
- 飼い主さんの後ろに隠れる
以上の行動は、初めて会うわんちゃんに対して見られることの多いリアクションです。その行動にはそれぞれ意味があったり心の表われによるものです。
他の犬とトラブルに発展しないように注意深く観察し、愛犬や相手のわんちゃんが「嫌だな」と思っている様子なら距離を取ってあげましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬同士の挨拶には時間をかけて行うことが大切です。
少しずつ距離を縮めていくと上手に挨拶できるようになります。いきなり犬同士を近づけないように注意しましょう。