「あっちへは行きたくない!」なぜ?
犬は、散歩中、どんなことを考えていると思いますか?犬にとって散歩をするということには、ストレスを解消すること、運動不足を解消すること、体力を使うことなどの意味があります。そして、“情報を収集すること”という、犬にとっての大事な役割があります。
外へ出て、音を聞き、空気の流れを感じ、ニオイを嗅ぎ、新しいものに興味を持ち、新しい刺激を受けるなどします。散歩中、違う方向へ行きたがるのは、その方向に気になることがあり、その正体を知りたい、そのものの情報を得たい、と考えているのかもしれません。
犬の仕草や行動や表情をよく観察してみると、どのように感じているのか、飼い主さんであればお分かりになるはずです。不安そうにしているでしょうか。それとも、わくわく楽しそうにしているでしょうか。
1.不安に感じているときの対処法とコツ
飼い主さんが向かおうとしている先に、犬が不安や恐怖に感じる何かが存在するのかもしれません。聴覚や嗅覚に優れている犬ですから、飼い主さんには感じられない音やニオイを感じ取り、その音やニオイに不安や恐怖を感じることがあります。
どうしても、その先へ向かわなければならないでしょうか。少し遠回りになり、面倒に感じるかもしれません。逆に、もう少し歩きたいのに、近道になってしまうかもしれません。不安や恐怖を感じているとき、犬は、尻尾を下げたり、身をかがめたり、耳を後ろに倒すなどします。
その先へ向かうのは、やめた方が良いかもしれません。どうしても、その先へ向かわなければならないとき、小型犬であれば、抱っこしてあげると良いのではないでしょうか。
2.リードを引かれるのを嫌がるときの対処法とコツ
飼い主さんが“こっちへ行こう”と、リードを引いたとき、違う方向へ行きたがることがあります。リードを引かれることに不快感があり、嫌がっているのです。そんなときは、ちょっと立ち止まって、優しく声をかけたり、優しく撫でてあげると良いです。
そして、飼い主さんが指定する方向へ犬が向かうときまで、歩き出すのを待ってあげます。また立ち止まるかもしれません。何度も何度も立ち止まるかもしれません。ちょっと立ち止まって、また歩き出すのを待って、ということを繰り返すうちに、自然と歩き出してくれるはずです。とにかくリードを引かれることが嫌なので、“行くよ!”と、無理やり引っ張っても逆効果です。
3.すれ違うものが怖いときの対処法とコツ
散歩中、人・犬・車・バイク・自転車など、たくさんのものとすれ違います。しかし、すれ違うものを怖がり、違う方向へ行きたがることがあります。不安や恐怖、緊張やストレスから逃れたいからです。だからとって、愛犬が向かう方向へ行ってばかりいると、すれ違うものに慣れることができません。一生、逃れるようにして、お散歩をしなければならなくなってしまいます。
散歩中、何度も人や車などとすれ違うはずです。5回あれば、そのうち2回は、すれ違ってみましょう。無理に歩かせる必要はありませんので、立ち止まり、相手が過ぎ去るのを待ってみましょう。車・バイク・自転車は危険もありますので、人や犬とすれ違うことから始めてみると良いです。少しずつ慣れていくようにしましょう。
まとめ
散歩中、犬が違う方向へ行きたがる時にすべき対処法やコツについて、
- 不安に感じているとき
- リードを引かれるのを嫌がるとき
- すれ違うものが怖いとき
この3つをテーマにご紹介しました。その方向が、愛犬と飼い主さんにとって、危険な道や場所でないのであれば、犬が違う方向へ行きたがる時、付き合ってあげるのも良いのではないでしょうか。何となく避けてきたその方向に、良い新しい出会いや発見があるかもしれません。