室内犬が喧嘩をしてしまう理由4つ!正しい対処法や『じゃれあい』との違いまで

室内犬が喧嘩をしてしまう理由4つ!正しい対処法や『じゃれあい』との違いまで

室内で多頭飼いをしていると、「さっきまでまったり仲良くしていたのに急に喧嘩をしだした!どうして?」という経験をされている飼い主さんも多いのではないでしょうか。また、「じゃれあい」と「喧嘩」はどうやって見分けるのでしょうか?今回は、室内犬同士がけんかをしてしまう理由や正しい対処法、「じゃれあい」と「喧嘩」の見分け方についてご紹介したいと思います!

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記事の監修

犬の気持ちは行動に現れる。知っていますか?犬が顔を左に向けた時にはストレスを受けている可能性があることを。犬は様々な方法で人に気持ちや考えを伝えているのです。それを受け止めてアドバイスとして活かすことを仕事としております。様々な専門の知識と20,000時間以上の教育実績があなたとその愛犬の生活を助けて豊かに導きます。

室内犬が喧嘩をしてしまう理由4つ

三匹の犬

1.嫉妬

犬は、知能が高く集団生活を送れる社会性の高い動物です。その習性で群れの仲間に愛情を与えることができて、さらに家族や仲間からの愛情を望みます。また、自分に与えられる愛情の量から、仲間や家族の中の自分の立場などを考えているとされています。

まるで江戸時代の大奥や中国王朝の後宮のように、犬は自分に向けられる愛情の深さで自分の立場が変化することを本能で感じているのかもしれません。犬は飼い主さんが大好きだからこそ自分が一番愛されていたいといじらしい思いを抱いています。さらに家族の中で自分の置かれた立場を確定して穏やか過ごしたいのです。

もし、自分に与えられるべき愛情を仲間に奪われたとしたらどうでしょう。愛情を奪った相手に対して怒りを感じて攻撃します。そして、ぶつけられた相手が「売られた喧嘩を買う」形で受けて立ちます。「愛情」の価値を知っている動物だからこそ、同じ家族として過ごしながらも「嫉妬」という愛情の争奪戦で喧嘩に発展してしまうのです。

監修ドッグトレーナーによる補足

飼い主さんに対しての犬の嫉妬の感情は、先住犬でも後住犬のどちらも抱く可能性があります。

どちらが嫉妬しやすいのかは犬の性格などによって変わるため、日ごろから犬たちを注意深く観察して、誰が嫉妬しやすいのかを見極めて接することが大切です。

2.発情、母性本能

去勢していないオス数匹とメスが同居していたら、メスをめぐってオス同士が喧嘩をすることがあります。また、子犬を出産したばかりのメス犬は母性本能が働き、たとえ子犬の父犬であっても子犬から引き離そうと攻撃的になることがあります。

3.攻撃行動の発動

犬同士が喧嘩をする時は、相手に対して「腹が立つこと」が起こった時です。人間をはじめ社会性のある動物には、身体的、あるいは精神的危害を避けようとしている相手に対して攻撃を加えようとする習性があります。これを「攻撃行動」と言います。

たとえば、飼主さんからのおやつや食事を独占しようとして、他の犬を攻撃することを「食物関連性攻撃行動」と言い、それに対しておもちゃや自分が気に入っている毛布やクッションなどの所有物やお気に入りの場所を独占しようとしてそこから他の犬を排除するために攻撃することを「所有性攻撃行動」と言います。

4.力関係を確定するため

犬の祖先といわれるオオカミは、本能である性質からアルファ、ベータ、シグマ、オメガ、というランク分けをしていると言われています。リーダーの気質を持つアルファ、それを補佐するベータと言うように、それぞれの役割を振り分けて群れの安全を確保し、食べ物を得るために狩をします。

犬にもその性質が受け継がれており、リーダー要素を持つタイプやそうでないタイプもいます。もしも、リーダー要素を持つ犬同士が同じ家の中に暮らすような状況になると、リーダーが決まるまで仲間同士で小競り合いが続いてしまうかもしれません。

ただし、リーダー要素を持つ犬は賢いタイプが多く、人間が介在しない方が犬同士の関係性を上手に築くことが多くあるようです。犬には、オオカミのような明確なラン分けはありませんが、家の中で自分の立場を明確にするために喧嘩をすることがあると覚えておきましょう。

室内犬同士が喧嘩をしないようにする正しい対処法

ブルドッグ二匹

食事、就寝場所を離す

犬同士の食事を与える場所を離すのは、「食物関連性攻撃行動」を和らげるため、就寝場所を離すのは、縄張り意識に対する「所有性攻撃行動」を和らげるためです。

「愛情を平等に」を心がける

先住犬を優先することも必要ですが、あまりに露骨すぎると後住犬にストレスが溜まってしまうこともあります。先住犬の目に届かないところで「十分に愛されている」と感じてもらえるようにコミュニケーションを取ることが大切です。

例えば、先住犬の散歩が終わった後に、後住犬との散歩でたくさん声をかけたりたっぷりと遊んであげるなどの配慮をすると良いでしょう。

監修ドッグトレーナーによる補足

人と犬とのコミュニケーションは、基本的に一対一の方が円滑になりやすい傾向があります。多頭飼いをしていると、一匹ずつに注ぐ時間が短くなってしまうと思いますが、その短い時間をより濃いコミュニケーションで補ってあげましょう。

犬たちはみんな寂しがりやさんで飼い主さんが大好きです。平等に愛情を注いであげましょう。

「喧嘩」はいけないこと、と教える

喧嘩をしたら飼い主さんに叱られる、ということをしっかりと教えます。犬は、人間が思っているよりもずっと人間の表情を観察して感情を理解しています。「犬に言葉を話してもわからない」とは思わずに、どの犬にも等しく愛していることを伝え、喧嘩をしたら飼い主さんの言葉一つで止められるように、しっかりとトレーニングを行いましょう。

室内犬同士が喧嘩をしてしまった時の正しい対処法

くつろいでいる柴犬

安易に止めない

犬が本気で相手を攻撃している時は、すさまじい破壊力があります。小型犬なら手袋をはめたりバスタオルをかけたりして制止できますが、中型犬以上だと止めに入った飼い主さんが噛まれて怪我をしてしまう可能性があります。

監修ドッグトレーナーによる補足

仲間の犬同士で喧嘩をしていれば、慌てて止めに入ろうとする気持ちは分かりますが、トレーナーを仕事としている私も、シェパード同士の喧嘩を止めに入ったことでふくらはぎに穴が開くほどのケガをした経験があります。

犬同士が興奮している状態で喧嘩を止めるのはとても難しいことですが、まずは焦る気持ちを抑えて犬たちを観察しましょう。喧嘩中でも少し落ち着く瞬間があります。そのタイミングで犬同士を引き離せる可能性があります。

ただし、小型犬であっても犬が本気で喧嘩してるのを止めるのはケガのリスクがあることを十分に注意しましょう。床に物を落として大きな音で気を引いたり、庭などの外なら水を掛けるなど、飼い主さんも犬もケガをしないように気をつけましょう。

喧嘩の原因を解明・把握し、改善・解決する

なぜ喧嘩になったのか、その原因を解明し現状を把握しましょう。また、その喧嘩が繰り返されないように問題があるなら改善して解決するように努めましょう。

犬同士の喧嘩とじゃれあいの見分け方

怒った顔の柴犬

本気の喧嘩の時の様子

  • 相手の体に咬みついてから首を振る
  • 襲いかかる前に制止する
  • 背中の毛が逆立つ
  • 唸り声が低く、長い
  • 鼻先に皺が寄り、犬歯をむき出しにする

じゃれあいの時の様子

  • 唸っているが口角が上がっている
  • 跳ねるように攻撃する
  • 攻撃、防御の間も絶え間なく尻尾をあげ、振っている

まとめ

ペットと生活

言葉でコミュニケーションが出来ない犬と人間では、本当の気持ちまでは理解出来ませんが、縁あって、家族となった犬同士が生涯仲良く過ごして欲しいと思うのは飼い主として当然のことです。

日ごろから愛犬たちの様子や現状をしっかり観察し、喧嘩の回数を減らすように努力しましょう。犬同士の基本的な関係性は犬同士に任せたとしても、こじれた時こそ、飼い主さんの存在価値が発揮されることでしょう。

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