臭いものを好む理由１．『犬には「汚い」という概念がない』
私たち人間には、「臭い」イコール「汚い」という概念があります。たとえば、皮脂臭いニオイや汗臭いニオイなど、「臭い」イコール「汚い」と感じられてしまいますよね。
しかし、これらのニオイは、犬が好みやすい臭いニオイです。皮脂臭い枕にスリスリするのが好き、汗臭い靴下のニオイが好き、こういった犬が多いですよね。犬には、「汚い」という概念がないため、どんなに臭いものであっても、好みのニオイであれば、スリスリしたり、舐めたり、自分の寝床に持ち運んだりすることがあります。
臭いものを好む理由２．『安心できるニオイだから』
新しいベッドを買ってあげたのに使ってくれない。お洗濯したばかりのブランケットにマーキングをした。ボロボロで薄汚れているクッションを手放そうとしない。こういった犬がいますね。犬は、新しいものや洗い立てのものをあまり好みません。一方で、使い慣れたものや使い古したものを好む傾向にあります。飼い主さんにとっては、犬臭くて汚いものかもしれませんが、犬にとっては、安心できる自分のニオイが染みついた大切なものなんです。
洗濯洗剤や柔軟剤の香りは大嫌い
洗い立ての洗濯物の香りが私たち人間は好きですよね。しかし、犬にとっては、洗濯洗剤や柔軟剤は刺激臭であり、大嫌いな香りです。そのため、ベッドやブランケットを洗うと、使ってくれなくなることがあります。もしくは、スリスリすることで自分のニオイをつけようとしたり、マーキングをすることもあります。
臭いものを好む理由３．『食べ物のニオイがするから』
ゴミ箱や残飯の臭いニオイを好むのは、食べ物のニオイがするからです。ゴミ箱や残飯の中には、傷んだ食べ物の臭いニオイ、腐った食べ物の臭いニオイ、カビ臭いニオイなどもあります。しかし、食べ物のニオイがする以上は、その食べ物を探し出そうとして、ゴミ箱や残飯を漁ってしまうんです。
臭いものを好む理由４．「有機物のニオイが好きだから」
有機物のニオイとは、皮脂・汗・フケ・血液・糞尿・体液などのニオイです。これらのニオイをイメージしてみてください。私たち人間にとっては、どれも決して良いニオイではありません。臭いと感じるニオイであるはずです。
しかし、どれも犬が好む臭いニオイです。有機物とは、犬にとって、生き物（獲物）のニオイです。野生で暮らしていた頃は、これらの有機物のニオイをたどり、獲物を探していました。そのため、今でも、これらのニオイがするものを獲物（食料）だと感じることがあるんです。お散歩中、後始末をされていない他の犬の糞尿が落ちていて、口にしてしまったことがある、という犬も意外と多いものです。
犬が苦手な臭いもの
私たち人間が苦手な臭いものを好む犬は多いですが、逆もあります。人間が好む良い香りが、犬にとっては苦手な臭いものである、ということです。たとえば、香水です。良い香りがし、私たち人間は、わざわざそれを身に付けます。
しかし、犬にとっては、臭いものであり、強い刺激があります。そして、愛犬と暮らす部屋にも置かれているかもしれない、芳香剤です。芳香剤も犬にとっては、臭いものであり、強い刺激があります。香水の香りも芳香剤の香りも、自然界に存在しない香りであるため、犬だけではなく、他の動物のほとんども苦手としています。
まとめ
犬が臭いものを好む理由は、
- 犬には「汚い」という概念がない
- 安心できるニオイだから
- 食べ物のニオイがするから
- 有機物のニオイが好きだから
などがありますが、私たち人間とは、好むニオイが全く違うようです。愛犬のお気に入りのベッドやブランケットやクッションなどは、犬用の洗濯洗剤や柔軟剤を使用して洗うのがおすすめです。なんでこんなに犬臭いものを…と感じるかもしれませんが、犬臭いくらいが、愛犬にとって安心できる好みのニオイなんです。
