「危険人物だ!」犬はどんな行動をとるのか
犬に対して「咬みつく」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるようですが、人に対して危険を感じたからといって、いきなり咬みつくことはありません。危険だと判断したとき、まずは、“これ以上近づくな!”と警告するはずです。それでも近づこうとしたり、しつこく触れようとすると、咬みついてしまうことがあります。
これからご紹介する“犬が人に危険を感じたときにする行動”について、あなたも犬に同じような行動をされたことはないか、考えてみましょう。犬が好きなのに、危険人物だ!と判断されてしまうような原因を、気づかぬうちに持ってしまっているのかもしれません。
1.相手を遠ざけようとする
はじめて会う人に対して、まず、ニオイを嗅ごうとします。近づいてきて、手や身体のニオイを嗅ぐこともありますし、少し離れたところで鼻をクンクンと動かし、ニオイを嗅ぐこともあります。犬は、相手のニオイを嗅ぐことで「安全」か「危険」かを判断するとされています。
もし、危険だと判断された場合、唸り声をあげたり吠えるなどし、相手を遠ざけようとします。自分からスッと遠ざかるように離れて行くこともあります。たとえば、香水のニオイが強い人、タバコのニオイが強い人、洗濯洗剤や柔軟剤のニオイが強い人などは、ニオイを嗅ぐだけで「危険」と判断されてしまう可能性が高いです。犬が苦手なニオイだからです。
2.身動きができなくなってしまう
危険を感じ、不安や恐怖や緊張によって、身動きができなくなってしまう犬がいます。決して、大人しく触らせてくれているわけではありません。しっぽを下げていたり、耳を後ろに倒していたり、怯えた表情をしているなど、犬の様子からもよくわかるはずです。
逆に、安心できる相手なのであれば、ジッとして動かずに触らせてくれているときでも、しっぽを振って喜んでいる様子や、嬉しい表情をしていることがよくわかると思います。危険を感じ、身動きができなくなってしまっているのか。触れられること(撫でられること)が嬉しくてジッと動かずにいてくれているのか。どちらなのかを見極められるようになりたいですね。
3.身の安全を確保しようとする
人を危険だと判断すると、まずは自分の身の安全を確保しなければ!と、行動します。たとえば、お散歩中に声をかけてくれた見知らぬ人に危険を感じたときは、飼い主さんの後ろに隠れたり、飼い主さんに抱っこをせがむなどし、身の安全を確保しようとします。
家の中では、飼い主さんが愛犬に対して脅かすなどのイタズラをし、危険を感じることがあります。そんなときは、他の部屋に移動したり、家具の下や裏に隠れるなどし、身の安全を確保しようとします。
4.お腹を見せる
危険を感じているのにお腹を見せるなんてあり得ないと思いますか?人に危険を感じたときにお腹を見せることには、“私はあなたに攻撃しません”という意味や、“私に攻撃しないでください”という意味が込められています。まだ触れてもいないのに、ただ近づいただけなのに、犬がお腹を見せたときは、それ以上は何もしないであげてください。不安や恐怖や緊張する気持ちでいっぱいなんです。
まとめ
犬が人に危険を感じたときにする行動として、
- 相手を遠ざけようとする
- 身動きができなくなってしまう
- 身の安全を確保しようとする
- お腹を見せる
この4つをテーマにご紹介しました。意外な行動もあったでしょうか。唸り声をあげたり、吠えたり、飛びかかったり、咬みつくなどのイメージが強いかもしれませんが、それ以外にも行動することがあります。犬と仲良くなるために知っておくと役立つかもしれません。