飼い主を困らせる犬の行動①トイレの失敗・粗相
飼い主さんが「わざと困らせようとしている!」と感じる犬の行動のひとつにトイレの失敗、粗相が挙げられます。確かにトイレトレーニングがしっかりと完了している犬が何度もトイレの失敗をくり返す場合には、“わざと”失敗をしている可能性があります。
ただし、ここで知っておいて欲しいのが犬は決して飼い主さんを困らせるためにわざと失敗をしているというわけではないということです。
犬がわざとトイレの失敗をする理由は、飼い主さんを困らせるためではなく気を引くためです。トイレの失敗に悩んでいる飼い主さんからすると、「どちらでも同じ!!」と思ってしまうかもしれませんが、犬は飼い主さんへの嫌がらせをしているわけではないということをぜひ理解してあげてください。
忙しい飼い主さんになかなかかまってもらえないときや遊んで欲しいときなど、自分の方を見て欲しいとき犬はさまざまな方法でアピールします。
静かにしていい子で待っていてもなかなか飼い主さんが自分を見てくれない…、吠えてみても「静かに!」と遠くから叱られるだけ…、そうしたとき犬はどうすれば飼い主さんが自分のそばに来てくれるのかを考えるのです。
トイレを失敗されると多くの飼い主さんは大慌てで片付けにきたり、「どうして?」「もう!」などと愛犬に話しかける機会ができます。
飼い主さんにかまって欲しい犬は、多少怒られてもそばに来てくれるならかまわないと思っていることが多く、このような手段で飼い主さんとのコミュニケーションを取ろうとすることがあるのです。
改善策
トイレトレーニングは完璧なのに飼い主さんの気を引くために失敗をしている場合は、粗相時に犬と目を合わせず声もかけずただ淡々と片付けをすることが大切です。
そして正しい場所でトイレをしたときには盛大にほめちぎって遊んだりなでたりすることで解決に向かうでしょう。犬の目的は飼い主さんにかまってもらうことなので、されて困る行動に対しては無視することが改善への一番の近道です。
飼い主を困らせる犬の行動②いたずら
トイレの失敗と同じで、飼い主さんの気を引くためにいたずらをする犬もいます。かじられては困る家具を噛んだり、飼い主さんが触られたくないカバンや靴をくわえてみたり…。それをすることで飼い主さんが「きゃー!やめてー!!」などと騒ぎながら、自分を追いかけてくれることを期待しているのです。
確かに触られて困るものや高価なものなどをいたずらされるととても慌ててしまい、ついつい大きなリアクションをしてしまうと思います。飼い主さんのことが大好きな犬は、そのようなリアクションをしてもらえることすらうれしいと感じてしまうのです。
改善策
この問題の改善策もトイレの失敗・粗相と同様に、冷静に対応して何事もないかのように片づけをしたり、いたずらできないように物理的に隔離してしまうことです。犬がくわえているものを取り戻すために、犬を追いかけながら走るのは絶対にNG。
犬にとっては最高の遊びになってしまい、ますますその行動が定着してしまうでしょう。そのような事態に陥らないように、いたずらされては困るものは犬が届かない場所で管理するなどの対策を取るようにしましょう。
飼い主を困らせる犬の行動③食べない、偏食
ご飯やおやつのとき、これまで喜んで食べていたのに突然食べなくなったり残すようになってしまうことがあります。これは犬が食べないことに飼い主さんが困って、別のご飯を用意したりよりおいしく感じるようなトッピングをしてくれたりすることを待っている可能性があります。
単純に食に対するワガママで、この作戦でよりおいしいものに出会えた犬はしばらくするとまた同じ行動を起こします。そしてまた別のご飯が出てくるのを待つのです。犬は水を飲んでいれば、2~3食食べないくらいでは特に問題はないとされています。
そのため、できる限り犬のワガママを聞かないよう、粘り強く対応するようにしましょう。ただし、病気や怪我など体調に問題があって食べれなくなってしまうこともあります。食べようとしているのに食べられないときは、口内に傷があって痛みを感じている場合があります。
また、ご飯を出しても横になったまま動こうとしないときには腹痛など内臓系の疾患が隠れていることも。ご飯を食べなくなってしまったときは、食事以外の様子などをしっかりと観察して、体調に異常はないかどうかも確認しておくようにしましょう。
まとめ
ここまで紹介してきたように、飼い主さんを困らせようと思って犬はさまざまな行動を取ります。このほかにも飼い主さんに心配してもらうためにわざと足を引きずったり、抱っこしてもらいたくて散歩で歩かなくなったりという行動を取る犬もいます。
しかし、どの行動も「飼い主さんのことが嫌いだから困らせたい」「嫌がらせのために困らせたい」というのではなく、むしろ飼い主さんが大好きでもっと自分のことを見て欲しいという気持ちが隠れていることをぜひ知ってあげてください。
その気持ちを知ることで、どうすればそうした困った行動を改善することができるかということも見えてくるはず!犬が望んでいることは何か、ということを考えればきっとすぐに問題解決に向かうことでしょう。