犬は繊細な動物…それゆえストレスも溜まりやすい
犬は陽気な行動や愛らしい仕草で私たちをいつも励ましてくれますよね。人間との共存歴史が長い犬は、人間の行動を読み取る能力にも優れているほど賢い動物でもあります。
その一方で、聴力や嗅覚が優れていて、警戒心の強い一面を持っていることもたしかです。それゆえ、ちょっとした事に対しても敏感に反応し、ストレスを溜めやすい動物でもあるのです。
近年、犬に関する医学も進歩しており、犬が精神疾患を患うことがあると発表されました。つまり、犬もストレスを溜めすぎると、人間で言う『うつ』のような状態に陥ってしまい、最悪の場合、身体に異常を来たす恐れもあるのです。
犬の超危険な『ストレスサイン』
大切な愛犬にストレスを与えたくない…ストレスを感じているのであれば、それを察知して、少しでも軽減してあげたいと飼い主であれば誰もが望むでしょう。そこで、犬がストレスを感じている時に見せる『ストレスサイン』をご紹介します。
1.前足を執拗に舐め続ける
犬が前足を舐める仕草は珍しい光景ではありません。しかし、実は前足を執拗に舐め続けている行為は、ストレスを溜めているサインでもあるのです。
犬は強いストレスを感じると、同じ行動をすることで気を紛らわそうとします。そのうちの1つが前足を執拗に舐めるという行為です。他にも穴を掘る仕草を続けるといった行動が見られますが、前足を舐め続ける行為については注意が必要です。
前足を舐め続けると、次第に皮膚が炎症を引き起こし、ただれてしまう恐れがあるのです。『自傷行動』とも言われている行為なので、ストレスの原因を探り、早急に対処しましょう。
2.ずっと後ろをついて歩く
甘えんぼうな犬の場合、「かまってかまって」とずっと飼い主の後ろをついて歩く行動を見せることがあります。子犬のうちであれば問題ありませんが、成犬に入ってからも続くようであれば、少々注意が必要です。
犬の精神疾患に『分離不安』という症状があります。これは飼い主が少しでも見えなくなると、極度の不安や恐怖に襲われてしまう精神病です。飼い主の後ろをずっとついてまわる場合、この『分離不安』である可能性があります。
分離不安症には、その他にも問題行動を引き起こしたり、飼い主が見えなくなると鳴き続けるなどの行動が見られます。これらの行動が複数見られる場合は、専門家に相談したり、愛犬との適切な距離感を改め直す必要があります。
3.物を破壊する
子犬の時期であれば、家具を噛んでしまったり、好奇心から物を倒すといった行動はよく見られます。「これはしてはいけないこと」と教えることで、次第に落ち着き、成長と共にしなくなるのが通常です。
しかし、成犬になってからも破壊行動を続けたり、突然破壊行動を起こし始めた場合は注意が必要です。しつけができていないケースと、過度にストレスを溜めてしまっているケースがあります。
後者の場合、ストレスのはけ口、終わりが見えないため、物を破壊することでストレスを発散している可能性が考えられます。運動不足によるストレスであることも考えられるので、散歩の頻度や時間、距離、遊び方などを見直してみましょう。
4.吠えることをやめない
『吠える』という行動は、本来であれば犬の本能的行動です。しかし、人間と共に暮らしていくためには、しつけをし、必要以上に吠えてはいけないことを教える必要があります。
しつけの段階で、無駄吠えトレーニングをする飼い主さんが大半であるため、多くの犬は基本的に吠えないよう、しつけが行われているでしょう。
しかし、ストレスが溜まってしまうと、そのストレスを発散しようと本能的行動を起こす犬は多いです。先ほどご紹介した破壊行動もその一種です。
ストレスを発散するため、抑制されている本来の行動を必要以上にしてしまうのです。無駄吠えが突然起こった場合、ストレスが溜まっているサインと捉えましょう。
ストレスサインが見られたら…生活環境を改善する努力を
上記のようなストレスサインが見られた場合、飼い主はどのような行動を起こすべきなのでしょうか。まずは愛犬が何に対してストレスを溜めているのかを突き止めることが大切です。よくあるストレス原因を下記に列挙します。
- 家庭環境が変わった
- 外から継続的に知らない音が聞こえる
- 飼い主がかまってくれない
- 飼い主がかまい過ぎ
- 運動不足
- 叱られすぎている
よくあるストレス原因は上記のとおりです。皆さんの愛犬は当てはまっていませんか。特に、新しい子犬がやってきたり、赤ちゃんが生まれたりと家庭環境に変化があった場合、犬はその変化に適応しようと必死です。それゆえストレスが溜まり、今までしていなかった問題行動を起こす事が多いです。
自分の愛犬のストレス原因を突き止めた後は、その原因に合った対応をとらなければいけません。寂しさを感じているならば、一緒に過ごす時間や遊ぶ時間を作る必要がありますし、構い過ぎであれば、少しずつ適度な距離感をとる必要があります。
原因がわからなかったり、原因に対する正しい対応がわからない場合は、近くのドッグスクールに問い合わせてみたり、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。普段は明るく振る舞っている犬も、実は密かにストレスを溜めている可能性もあります。ストレスサインが見られた場合は、飼い主ができる限りの対処をし、少しでもストレスを軽減してあげられるよう努めましょう。