人見知りな犬がよくする仕草や行動
犬は本来「人見知り」です。人慣れの練習を重ねることで、人との触れ合いが大丈夫になったり、好きに変化していきます。
まずは、犬が人見知りをするときにどのようなしぐさや行動をするのかを理解することが大切なポイントとなります。今回は犬が「人見知り」をしているときに見せる仕草や行動4つを紹介します。
1.身を隠す
家に来客があったときなどに愛犬の姿が見えなくなることはありませんか?ソファーやベッドの下や裏に隠れていたり、寝室や洗面所などの暗い部屋にいたりなど、身を隠そうとしているのではないでしょうか。
はじめて家を訪れた他人はもちろん、何度か訪れていたりしょっちゅう来ている人に対しても、人見知りして身を隠すことがあります。自分の存在を知られたくないのかもしれません。
2.逃げ惑う
近づいてほしくない、触れてほしくない人からうろうろと逃げ惑うことがあります。相手との距離を十分に取りたいからです。ある程度の距離を保つことができれば、その場所にとどまることもありますが、相手が見えなくなるまで距離を置きたい犬もいます。
3.吠え続ける
知らない人の姿が見えるだけで「ワンワンッ!」と吠え続けてしまうことがあります。たとえば、家の前を歩いているだけの人に吠えてしまったり、近づこうとしたり触れようとすれば「ギャンギャンッ!」と激しく吠え続けてしまうこともあります。
目が合ってさらに興奮してしまえば、相手の姿が見えなくなるまで吠え続ける子もいます。これは「近づくな!」という犬からの警告です。
4.カラダが震えてしまう
他人が近くにいるだけで、カラダがブルブルと震えてしまう犬もいます。不安や恐怖を感じているのかもしれません。
人の姿が見えなくなるとカラダの震えは止まります。緊張から身動きが取れなくなり隠れることも逃げることも吠えることもできずに、ただカラダを震わせることしかできないのです。
犬はみんな人見知り(犬見知り)だった!
犬は、人見知りや犬見知りをすることが当たり前の動物であるとされています。野生の頃は巣穴の中で母犬や兄弟姉妹と暮らし、生後90日を過ぎるまでは巣穴から出ることがありませんでした。
そのため、巣穴から出ても母犬や兄弟姉妹以外の者を敵や獲物としか認識することしかできなかったのです。このことから、人見知りや犬見知りをする動物だとされているようです。犬としての習性でもありますが、飼い主さんや家族以外に人見知りや犬見知りをしてしまうのは、不安や恐怖を感じる対象者だということでしょう。
飼い主さんや家族と同じくらい犬からの信頼や安心を得るためには、かなりの時間がかかることです。人見知りや犬見知りをする犬と仲良くなるためには、根気強さが必要かもしれません。
人見知りをする犬としない犬との違い
犬が人見知りをするかしないかの違いは、野生で暮らしていた頃の「巣穴から出る生後90日」が大きなポイントになります。犬は生後90日までに見たものや人に対しては不安や恐怖などの対象にはならないという習性を持っています。
なので、生後90日までの間にたくさんの人や犬と触れ合う機会を与えてあげることで、人見知りや犬見知りをしない犬へと成長することができるようになるかもしれません。あまりお散歩にも行かず、室内で過ごすことが多く飼い主さんや家族の元で過保護に育った犬は、人見知りや犬見知りをする可能性が高くなります。
犬社会や人間社会を学ぶためにも、ぜひ子犬のうちにたくさんの人や犬と触れ合う機会を与えてたくさんの経験をさせてあげましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
人慣れは「生後90日まで」が良いとされていますが、過ぎてしまっても大丈夫です。実際に、私は愛犬のジャックラッセルテリアを1歳近くなってから迎え入れ、そこから練習を重ねていくことで人慣れができるようになりました。
人に慣れていくことで怯えたり怖がるなどの不安な気持ちを減らしてあげることで、愛犬がんのびのびと生活を送りやすくなります。もちろん、人慣れまでには多くの時間が必要となりますが、愛犬のペースに合わせてあきらめずに行っていきましょう。
まとめ
犬が人見知りしている時の仕草や行動には、
- 身を隠す
- 逃げ惑う
- 吠え続ける
- カラダが震えてしまう
など、不安や恐怖で緊張が伝わる様子が見られます。
人見知りをするかしないかは、子犬の頃に他の人や犬とどれだけ多く触れ合い、どれだけ多くの経験をしたかが重要になります。病院で診察を受けるときやトリミング、ホテルなどに預けるときなど、人見知りでは困る場面がとても多くあります。人見知りな犬にならないよう、他の人と積極的に触れ合う機会を与えてみましょう。
子犬のうちにできなくても、成犬になってからでも人見知りを改善することは可能です。時間と根気強さが必要ですが、諦めずに気長に付き合ってみましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
苦手なものに少しずつ慣れることを目指す治療法に「エクスポージャー法」という行動療法があります。恐怖や不安の対象となる刺激にあえて近づき、その時間を増やしていくことで対象の恐怖に慣れ、不安反応を消していくことを目的としています。
愛犬が人見知り行動を起こす直前まで誰かに近づいてもらう、または愛犬を近づける行動を繰り返すことで、不安が少しずつ解消され人との接触も安心して行えるようになっていきます。ただし、無理強いしてしまうと逆効果になる場合もあり、特に臆病な犬の場合は注意が必要です。
無理のない範囲で試してみると良いですが、難しいと感じたら専門家に相談することも選択肢のひとつとしてはいかがでしょうか。