もしも愛犬が喋れたら…
犬を飼っている人なら一度は「この子が喋れたらなぁ…」と、思ったことがあるのではないでしょうか。でも犬は言葉が喋れない代わりに、全身を使って飼い主さんに語りかけています。
そこで今回は、犬の仕草や行動から読み取れる気持ちを元に、もしも愛犬が喋れたら飼い主さんにどんなことを伝えたいと思っているのか推察してみました。
①「大好き!」
子犬は食べ物をねだるときや甘えたいとき、親愛の情を示すときに母犬の口元をなめます。そして子犬でも成犬でも飼い主さんの口元をなめるのは、飼い主さんを母犬のように慕っているから。つまり、愛情の証なのです。
また犬は、本来見つめ合うことが苦手です。犬社会では、相手の目を見つめることはケンカを売る行為になるからです。でも、相手が大好きで信頼する飼い主さんなら話は別。視線で愛情を伝えます。
愛犬が飼い主さんの口元をペロペロなめてきたり、うれしそうにキラキラした目でじっと見つめてきたりするときは、「大好き!」と伝えたいのです。
②「もっと運動したい!」
成犬である愛犬が部屋の中を何往復も猛ダッシュしたり、家具をかじったりしてしまうのは、運動不足でストレスがたまっているからだと考えられます。きっと愛犬は、こう言いたいはずです。「もっと運動したい!」と。
もし愛犬に困った行動が見られるようになったときは、叱る前に運動は足りているか考えてみましょう。散歩の時間の目安は、大型犬は朝夕各1時間程度、中型犬は朝夕各30~40分程度、小型犬は朝夕各15~30分程度ですが、小型犬や中型犬でも多くの運動量が必要な犬種もいます。散歩から戻って、しばらくしたらうとうとと眠りだすくらいがベストと考えましょう。
③「ひとりぼっちは不安…」
犬は元来、群れで生活する動物であるため、孤独になる留守番が苦手です。飼い主さんが出かけようとするときに吠えたり鳴いたりするのは、「ひとりぼっちは不安…」と伝えたいからでしょう。
留守番前に散歩をすると疲れてたくさん眠れるため、留守番中の不安を軽減することができます。中にフードを詰めたコングなどを置いて出かけるのもおすすめです。
留守番のたびに粗相をしたり、物を壊したり、下痢をしたりしている場合は、分離不安(飼い主さんと離れると大きな不安を感じ、問題行動や体調不良を起こす心の病気)の可能性があります。早めに獣医師や専門家に相談を。
④「具合が悪いの」
愛犬が元気がなく寝そべってばかりで、散歩にも行こうとしないときは、「具合が悪いの」と飼い主さんに伝えたいのかもしれません。いつもと様子が違うと感じたら、愛犬の全身を触ってみて痛がるところはないか、食欲はあるか、排泄の様子はどうかなどをチェックして、動物病院へ連れて行きましょう。
「痛い」「だるい」などと言葉で伝えられない愛犬の体調の変化に早めに気づいてあげられるように、普段の様子をよく観察しておきたいですね。
⑤「人間じゃないから…」
犬を番犬として飼っていた昔と違い、今は飼い主さんと愛犬との関係が密になっています。そのせいか、愛犬を人間扱いしてしまう飼い主さんは少なくないようです。
愛犬がいたずらをしたときも、「言い聞かせれば分かる」と思って、長々とお説教をしてしまいがち。お説教中に愛犬があくびをしたり、首を掻いたりするのなら、ストレスを感じています。長々とお説教されても犬には複雑な会話は理解できないので、もし喋れたら「人間じゃないから、何を言っているか分からないよ」と言うでしょう。
例えば、スリッパを噛んで困っているのなら長々とお説教するよりも噛んでいいおもちゃを与えて、望ましい行動を教えてあげた方が犬には効果的です。愛犬は家族の一員ですが、人間ではありません。犬として尊重し、理解してあげることが大切です。人間扱いをしすぎて、愛犬にストレスを与えないように注意しましょう。
まとめ
もしも愛犬が喋れたら、ご紹介したようなことを飼い主さんに伝えたいと思っているのではないでしょうか。
愛犬が実際に「大好き!」とか「具合が悪いの」などと喋ることはありませんが、仕草や行動で様々な気持ちを飼い主さんに一生懸命伝えようとしています。
言葉が喋れない愛犬に代わって飼い主さんが犬の仕草や行動の意味を知り、愛犬が伝えたいことを読み取ってあげましょう。そうすることできっと、愛犬との距離がぐっと縮まり、絆が深まりますよ。