犬は仕草で「怖い」を表現しています
犬は言葉を話すことはできませんが、自分の気持ちを全身を使って私達人間に伝えようとしてきます。さまざまな仕草で、「うれしい」とか「怖い」といった気持ちを表現しているのです。こうした気持ちに私達が気づき、受け止めてあげることが犬と仲良くなるコツのひとつです。
犬が怖がっている仕草をしているときは早めに気づき、できる限りの対処をしてあげたいものです。では、犬は怖がっているとき、どのような仕草を見せるのでしょうか?今回は、犬が怖がっているときの仕草をご紹介していきたいと思います。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬が喋ってくれたらどんなに幸せな事か。誰もが思い描きますよね。実は、犬は喋っています。態度で喋るのです。
それを知れば、犬の態度から言葉に気が付くことが可能になっていきます。 今回は「恐怖」の時に出る態度を見てみましょう。
犬が怖がっているときの仕草①尻尾を股の間に巻き込む
犬は、尻尾の位置と動きで自分の気持ちを表現します。基本的に、弱気になるつれ尻尾の位置は低くなり、尻尾を股の間に巻き込んでいるときは、不安や恐怖を感じています。尻尾を股の間に巻き込んで、「怖い」「嫌だ」というメッセージを伝えているのです。このとき、頭を低く下げて、姿勢も低くなっています。
股の間に巻き込むまでいかなくても、低い姿勢で尻尾をだらりと下げているのなら、恐怖を感じている可能性があります。
犬が怖がっているときの仕草②震える
犬が震えていると、「寒いのかな?」と考える人は多いでしょう。実際、犬も人と同じように、寒さを感じると体がブルブルと震えます。でもそれほど寒くないのに震えているのなら、何かを怖がっているのかもしれません。恐怖で震えてしまうのも、人と同じなのです。
震えるほどは寒くないし、周囲に恐怖の対象となるものもなさそうなのに、愛犬がブルブル震えている。そういう場合は、中毒症状や低血糖、発熱などが原因で震えている可能性があります。また、体のどこかに痛みがあって震えることもあります。食欲や排泄など、震え以外の様子も観察して普段と違うと感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。
犬が怖がっているときの仕草③耳を倒す
犬の耳をよく観察してみると、あちこちに傾けていることが分かります。耳をさまざまな角度に動かすことができるため、犬は体勢を変えずにさまざまな方向の音をキャッチすることができるのです。この器用に動く耳は、感情表現のツールにもなっています。
強気なときは、耳をピンと立てて前方に向けます。反対に、不安や恐怖など弱気な感情を持っているときは、耳を後ろに倒します。姿勢は低く、尻尾も下がっていたり、股の間に巻き込んでいたりすることもあります。
耳を後ろに倒していても表情が穏やかで、尻尾を軽快に振っていたりする場合は、喜びを表しています。怖がっているのか、喜んでいるのかを耳だけで判断するのは難しいため、状況や表情、姿勢なども観察することが大切です。
監修ドッグトレーナーによる補足
耳だけでなく、顔全体の筋肉が後方へ引き寄せられます。この時、目や口元も後方へ引き寄せられるので一見笑顔にも見えかねません。判別は簡単で、体に力が入ってカチカチなら恐怖の可能性が高いでしょう。
犬が怖がっているときの仕草④体を硬直させる
立ち尽くしたまま、あるいは座り込んだまま体を硬直させるのも、犬が怖がっているときのサインです。怖いものや苦手なものに直面したときに、体が固まってしまうことがあるのです。
これは、恐怖を感じることによって交感神経が働き、アドレナリンが体内に放出されて、全身の筋肉が硬直するために起こる生理的な反応です。まさに、「逃げたいのに、逃げられない」という状態ですね。
まとめ
犬は怖がっているとき、ご紹介したような仕草を見せます。愛犬の怖がっている仕草に気づいたら、恐怖の原因となっているものを排除したり、その場から離れたり、マッサージをしてあげたりして、愛犬の恐怖を軽減してあげましょう。また愛犬が怖いと感じるものに、少しずつ慣らしてあげることも大切です。
もし初対面の犬などがあなたを怖がっていることに気づいたときは、目を合わせたり、近づいたり、話しかけたりするのは避けましょう。犬のほうから興味を持って近づいてきてくれるのを待つ方が、早く仲良くなれますよ。