犬が叱られている最中に『上目遣い』…反省してる?
愛犬がイタズラをしたとき、「ダメでしょ!」「何やってるの!」などと言葉で叱る飼い主さんも多いでしょう。実際、犬に「ダメなこと」と教える場合、低い声で叱ることが効果的だと言われています。
では、叱っている最中に愛犬が飼い主の方を『上目遣い』してくることはありませんか。「え?何で上目遣いしてくるの?」と疑問に思う一方で、「可愛いから許したくなっちゃう…」と葛藤する飼い主さんも少なくないでしょう。
犬はなぜ叱られているときに『上目遣い』することがあるのか、本当に反省しているのか、何となく不安にもなってしまうこの行動ですが、実は愛犬の心理がしっかり反映されている行動なのです。
犬が叱られている最中に『上目遣い』してくる心理
犬が叱られている最中に『上目遣い』してくることは、珍しいことではありません。犬を飼っている人であれば、一度は見たことはあるでしょう。では、犬が叱られている最中に『上目遣い』してくるとき、どのような心理が働いているのでしょうか。
1.叱られている状況に緊張している
叱られているという状況下で、犬自身が不穏な空気を察し、その状況に対して緊張を感じているときに『上目遣い』をすることがあります。
「あれ?何だか嫌な空気が漂っているぞ」「よくわからないけれど、嫌だな…」など、漂う悪い空気に対して緊張状態となり、怯えている様子を『上目遣い』と飼い主が感じている可能性があります。
ちなみに、犬には『反省する』という概念がないため、基本的に「これをしたから怒られているんだ。もうやめよう」という考えはありません。しかし、「これをすると、自分にとって悪いことが起きるからやめよう」という考えは持っているため、この考えを利用することでしつけを効率的に行うことができるのです。
2.飼い主の様子を覗っている
「どうしてこんなことをしたの!」と飼い主が愛犬を叱っている最中、ちらっとこちらを覗うように『上目遣い』してくる場面はよくありますよね。これはその印象通り、飼い主の様子を覗っているのです。
「飼い主さん、機嫌が悪いかな?」「僕のことを嫌っていないかな?」など、飼い主が今どのような感情を自分に抱いているかを表情から読み取ろうとする犬も多いですよ。
どうしても飼い主の方が目線が高いため、こちらが犬を見下ろす形になってしまいます。その結果、犬は飼い主の表情に視線を合わせようと上を向くため、『上目遣い』となるのです。
3.「怖いからもうやめて」と怯えている
犬が『上目遣い』をするときは、先ほどからの説明通り、恐怖や不安を感じていることが多いです。中には「怖いからもうやめて」「早くこの状況を回避したい」という心理を働かせている犬も多いです。
このような心理が働いているときは、『上目遣い』だけでなく、時々ぶるぶると小刻みに震えたり、目を反らすような仕草を見せたりすることが多いです。
あまり長々と説教はせず、ある程度「怒っているよ」サインを見せたら解放してあげましょう。恐怖を感じすぎると、犬にとってトラウマとして残ってしまう恐れがあるので、適度なタイミングを見計らうことも大切です。
4.『上目遣い』をしたらやめてくれるかも…と悪賢い犬も
ここまでは犬が不安や恐怖を感じ、怯えている心理が多かったですが、中には「こうすれば許してもらえる」と学習してしまい、悪い知恵を働かせている犬も少なからずいます。
以前、叱られたときに恐怖や不安から『上目遣い』をした際、突然飼い主が「そんなに怯えないで~!」などと態度を一変させ、途端に許しを得ることができた、という経験を持つと、犬はその経験を学習してしまいます。
そのため、動物の本能として「こうすれば助かる」という知識を得てしまい、以後、飼い主に叱られた際にこの手段を活用することがあるのです。生きるための手段と言えば聞こえがいいですが、しつけとして叱っている飼い主から見れば『悪い知恵』になってしまいますよね。
見分け方としては、『上目遣い』以外にも様々な仕草や体の部位を見て判断することができます。例えば、怯えているのであれば、尻尾が垂れ下がったり丸め込まれたりしますし、耳が後ろに倒れることもあります。また、表情から明らかに怯えているなど判断しやすい場合もあるでしょう。
多くの要素を組み合わせて、「私が怒っているから、それを感じ取ることができているな」あるいは「怒られているとわかっているけれど、悪い意味で回避することしか考えていない」などと判断しましょう。
後者であるとわかった場合、悪いことだと理解させるため、一定時間、犬の前から姿を消す(他の部屋に飼い主だけ移動、無視をする)といった方法をとることも効果的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬が叱られている最中に『上目遣い』をしている場合、その多くは飼い主が怒っていることを読み取り、不安や恐怖を感じているサインです。しっかり怒っていることは伝わっていますので、必要以上に怒鳴ったり責め立てたりすることはやめましょう。