揃えておきたい!避難所生活の必需品
フード
過去の事例を見ても、人間の食糧援助は比較的早い時期に届くことも期待できますが、わんこの食糧援助はそうもいきません。また、援助品のフードが配給されたとしても、環境の違い等による緊張状態から、普段と違うフードは食べないという子も少なくありません。食べなれているフードを、少なくとも数日分は用意しておくことをオススメします。特に持病があり、療法食を常食している場合には、フードの準備は必須です。
水
飲用から生活用まで、水はいくらあっても不足することはありません。水が配給されていたとしても、その量が十分でない場合には、限られた水をペットに与えていると不快に思う人もいるかもしれません。せめて、愛犬の分の水は自分たちで確保しておくようにしましょう。
ビニール袋
ビニール袋は、災害時には非常に活躍するグッズです。水やフードを入れてお皿代わりにすることもできますし、愛犬の散歩時のうんち袋として使うこともできます。また、身体を包めば防寒性も期待できる上、飼い主さんの足に巻き付けてスリッパ代わり等にも活用が可能です。
リード
災害で命の危険が迫り、とっさに避難したという場合には、愛犬を抱きかかえて逃げてしまったという人も多いかもしれません。しかし、その後の避難所生活や、迷子防止などの観点から考えるとリードは欠かせません。防災バッグの中に、緊急用のリードを1つ入れておくと安心ですよ。
迷子札・迷子ポスター
災害時の混乱の中では、愛犬とはぐれてしまうという危険性も否定できません。もし愛犬が迷子になってしまった場合でも再会できるよう、愛犬に迷子札やマイクロチップをつけておくことが大切です。また、いざというときのために、愛犬の写真や特徴を載せ「探しています」と記した迷子ポスターを作っておいて、何枚か持って行けると良いですね。
監修ドッグトレーナーによる補足
他に必要な物として、タオルやブラシ、トイレシーツなどがあげられます。タオルやブラシは愛犬が汚れてしまった時、清潔にするために必要ですね。不衛生な状態が続くと病気に繋がりかねません。環境が変化するとストレスから病気にもなりやすいので、健康な状態をキープできるよう手入れをしてあげましょう。
トイレシーツは室内犬では必要になる場合があります。あなたの愛犬はトイレシーツの上でトイレをしますか?するならばトイレシーツを用意しておくほうが安心と言えます。外が危険な状況や、トイレシーツの上じゃないとトイレをしてくれないといったケースも考えられますのでトイレシーツも用意しておくのもいいでしょう。
これが最低限!避難所生活に備えた訓練・しつけ
クレートトレーニング
避難所生活で同行避難をする際、周囲の人への配慮から、多くの場合、ペットは基本的にクレート内で生活することを余儀なくされます。普段からクレートに慣れていれば問題はないのですが、クレートに慣れていないわんこの場合、際限なくキャンキャン鳴いてしまったり、無理に出ようとして怪我をしてしまったりする恐れがあります。普段から「クレートの中=安心できる場所」と認識できるよう、トレーニングを積んで慣らしておくことが必要です。
無駄吠えのコントロール
同行避難で最も気を遣うのが、愛犬の鳴き声問題ではないでしょうか。普段は無駄吠えをしない子であっても、緊張状態で精神が過敏になっていると、僅かなことで吠えてしまう場合もあります。無駄吠えを極力しないよう、また、してしまったとしても飼い主さんの指示ですぐに鳴きやませられるよう、普段からしつけておくことが最低限必要です。
社会化
避難所生活では集団生活を余儀なくされます。社会化が十分でなく、家族以外の人や他のわんこが苦手で、近づいたり声を聞いたりしただけで吠えてしまうというわんこでは、自分も周囲もストレスが溜まるばかりになってしまいます。無駄吠えのしつけと重なりますが、普段から他の人やわんこに慣らせるしつけをしておくべきです。
監修ドッグトレーナーによる補足
クレートトレーニングは必須と言えるほど大切なトレーニングです。災害時の他にも動物病院に入院する時や、愛犬と泊まれる施設にお出かけをする時にも必須となります。
トレーニングの方法としては「クレートの中でいいことが起きる」ということを経験させてあげましょう。例えばクレートの中には好物のおやつが置いてありそれを食べることができた。おもちゃが置いてあり楽しく遊べた。クレートに入ると飼い主さんがほめてくれた。クレートに入る=いい経験ができる、を繰り返し教えてあげましょう。最初の方では決してクレートの扉は閉めません。常に開けて愛犬が自由に出入りが出来るようにしておきましょう。まずはそこから始めてみるのが良いかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?残念なことに、愛犬と一緒に避難できる避難所は、まだ数が多くありません。しかし、運良く一緒に避難することができたとしても、携行品やしつけなどの準備が十分でなければ、結局、避難所を出なければならなくなってしまうかもしれません。災害は他人事ではありません。普段から、もしものことを考えて行動を起こすことが大切です。
監修ドッグトレーナーによる補足
災害時は犬にもストレスがかかりますが、もちろん人間にもストレスがかかります。慣れない避難所での生活や、いつ復旧するかも分からない不安。
その上で愛犬の問題行動や準備不足でストレスを抱えてしまったらどうなると思いますか?楽観視はできませんね。そうならないために、今から災害から身を守るための必要な物の用意やトレーニングを進めていきましょう。