くるくる回る愛犬の心理を知りましょう
「さあ、愛犬と一緒に寝よう!」というときに、愛犬が布団の上でくるくる回り始めることはありませんか?何回かくるくる回ったあとに眠る体勢になったかと思いきや、またくるくる回り始めるなんてこともあるでしょう。人からすると何とも不思議というか謎な行動に思えますが、犬は理由があってこの行動をしているようです。
また、寝る前以外にも犬はくるくる回ることがあります。それは、食事や散歩の前だったり、うんちの前だったりします。どのくるくる行動も謎で、気になりますね…。そこで今回は、犬が一緒に寝る前にくるくる回るときの心理、そして食事や散歩の前とうんちの前にくるくる回るときの心理についてご紹介したいと思います。
犬が一緒に寝る前にくるくる回るときの心理
安全確認
犬が寝る前にくるくる回るのは、犬の祖先と言われているオオカミから受け継がれている本能の名残で、周囲に脅威となるものがないか確認するための行動だと考えられています。つまり寝る前に、安全確認をしているのです。野生時代の犬たちは、自然の中で危険と隣り合わせで生きていたことがうかがえますね。
ほかにも、害虫などを追い払おうとしているという説や、快眠の妨げとなるものを見つけようとしている、という説などもあります。
心地よい寝床を作りたい
また、心地よい寝床を作るためにくるくる回るという説もあります。横たわる場所に凹凸があると寝心地が悪いため、くるくる回って平らに整えようとしているのです。私たちも寝心地をよくするために枕の形を整えたりするので、心地よい寝床で眠りたいと思うのは人も犬も同じということでしょう。
長年犬の行動を研究している心理学者のスタンレー・コレン博士は、62頭の犬とその飼い主の協力を得て、興味深い実験を行いました。その実験とは、平らなラグを敷いた場合としわや凹凸のあるラグを敷いた場合では、犬が横たわる前の行動にどのような違いがあるのかを観察するというものです。
その結果、15分の間で横たわる前に1回以上旋回した犬は、平らなラグでは全体の19%、しわや凹凸のあるラグでは55%だったそうです。しわや凹凸のあるラグで旋回する犬は、平らなラグを旋回する犬の約3倍もいたのです。この実験結果によって、犬が寝る前にくるくる回る理由のひとつは、より心地よい寝床を作るためとだということが証明されたと言えるでしょう。
犬が食事や散歩の前にくるくる回るときの心理
飼い主さんが愛犬の食事や散歩の準備をしているときに愛犬がくるくる回るのは、うれしくてたまらないからです。うれしくて高ぶった気持ちを回転することで発散させているのです。気持ちが落ち着いてくれば、回転もおさまります。
喜ぶような状況ではないのに、ずっとくるくる回っている場合は要注意です。ストレスを抱えていたり、病気であったりする可能性があります。病気である場合は常同障害、認知症、脳腫瘍、内耳炎などが考えられます。
犬がうんちの前にくるくる回るときの心理
安全確認
犬はうんちをする前に、辺りのにおいをクンクン嗅ぎながらくるくる回ることがあります。これも寝る前にくるくる回るときの心理と同じで、安全確認のためだと言われています。
うんちをするときは無防備な状態になり、敵に襲われたらひとたまりもないため、野生時代の犬はうんちをする前にくるくる回って敵がいないか確認していたと考えられています。この名残が今でも残っていると言われているのです。
南北を探すため…?
チェコとドイツの研究チームが調査したところ、地球の磁場が安定しているとき、犬はうんちをする際に体を南北に向ける傾向があることが分かりました。どうして南北の方向なのかは分かっていないものの、犬がうんちをする前にくるくる回るのは、地球の磁場を体感して、南北を探すための行動だという結論に達しています。
まとめ
愛犬が一緒に寝る前、食事や散歩の前、うんちの前にくるくる回っているときは、ご紹介したような心理からなので、そっと見守ってあげて大丈夫でしょう。でもこうしたタイミングに関係なく、ずっとくるくる回っている場合は注意が必要です。ストレスや病気のサインである可能性があるので、獣医師に相談を。