犬がいろいろな物の匂いを嗅ぐ心理とは
愛犬が寄ってきて、執拗に「クンクン」と自分の匂いを嗅ぎ始めたら、「あれ?私臭い?」なんて不安になってしまうこと、ありませんか?それは臭いから、ではない別の理由があるのかもしれません。
ここでは犬がいろいろな物の匂いを嗅ぐ心理を心理別に事例を踏まえてご紹介していきます。犬にとって匂い嗅ぎは重要な習慣なので、あまり無理に止めず、心ゆくまで嗅がせてあげることも大事ですよ。
1.好奇心
食べ物や新しい物を見た時、執拗にクンクンと匂いを嗅ぐことはありませんか?これは「これは何だろう?」という好奇心から匂いを嗅いでいます。
匂いを嗅ぐことで、その物がどのような物であるか、詳しく情報を得ようとしているのです。例えば、食べ物であれば匂いを嗅ぐことで「これは食べられる物だ!」「美味しそう」「あまり美味しくなさそう」などと判別する材料となるわけです。
犬は視覚よりも嗅覚の方が優れているため、多くの情報は嗅覚、あるいは聴覚から得ます。そのため、いろいろな物の匂いを嗅ぎ、情報収集しようとする行為は不思議なことではないのです。
2.相手の情報を知ろうとしている
初めて会った人や犬の匂いをクンクンと嗅ぎ回る光景は、犬を飼っている人であれば見たことがあるのではないでしょうか。これは相手の匂いを嗅ぐことで、その人のことを知ろうとしているのです。
「どんな人かな?」「安心できる人かな?」という心理から、匂いを嗅いでいます。最初の挨拶のようなものだと考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
特に犬同士の場合、肛門からその犬独特の香りが放出されていると言われています。犬は相手のその匂いを嗅ぐことで、その犬の情報を得ることができるというのです。犬社会の名刺交換のようなものですね。
3.安心したい
いつも一緒にいる飼い主の匂いを嗅ぎに来る…ということはありませんか?突然匂いをクンクンと嗅がれると、「え?なんか臭い匂いする?」と不安になってしまいますよね。
これは臭い匂いが飼い主から出ているのではなく、犬自身が飼い主の匂いを嗅ぐことで、安心したいと思っているのです。つまり、甘えたいのでしょう。
他にも不安なことがあると飼い主の傍に行き、匂いを嗅ぐことで気持ちを落ち着けようとする犬も多いです。そのため、飼い主の匂いを嗅ぎに来ることがあれば、優しく声をかけ、撫でて安心させてあげると良いでしょう。
4.欲求を満たしたい/楽しい
散歩中に執拗に辺りの匂いを嗅ぎ回る行為。「なんでそんなに匂いを嗅ぐの?」「早く先に行こうよ」と飼い主は思ってしまいますが、実はこの行為は犬にとってとても重要なのです。
心理としては2つあります。1つは『嗅ぐ』という本能的欲求を心ゆくまで行う事で、楽しい気分になることができるからです。
犬にとってさまざまな匂いを嗅ぐということは、ストレス発散にもなる遊びの一種です。そのため、無理に止めてしまうと逆にストレスが溜まってしまいます。なるべく愛犬が好きなように匂いを嗅がせ、楽しい散歩をさせてあげましょう。
5.縄張りに他者が入っていないかの確認
散歩中に匂いを嗅ぎ回るもう1つの理由は、自分の縄張りに他の知らない犬がやってきているか否かの確認です。また、「今日もあの子が通ったな」などと情報を知るためでもあります。
犬は縄張り意識が非常に強い動物です。そのため、知らない犬がいつも散歩しているルートにやって来ると、「知らない匂いがする…誰だ?」と警戒を高める傾向があります。また、その匂いの主の情報を得ようと執拗に匂いを嗅ぐことがあるのです。
また、いつも会う犬がすでにその場所を通った、などの情報も得ることができるので、「今日は既に通っているから会えない」など、散歩ルートの現状を知る手段としても重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬がいろいろな物の匂いを嗅ぐのは、それぞれ重要な意味があります。決して無駄なことではないのです。執拗に匂いを嗅いでいると「楽しいの?」なんて思ってしまうかもしれませんが、愛犬の気が済むまで思う存分匂いを嗅がせてあげましょう。