愛情不足による犬の暴力①物を破壊する
犬が愛情不足を感じてしまったときに起こす行動として多く見られるのが、家の中にある物を噛むなどして破壊することです。飼い主からの愛情が不足すると、犬は強いストレスを感じて溜めこんでしまいます。
そのストレスが負のエネルギーとなって、身近にある物に対して発散するのです。クッションやソファなど噛み壊しやすいものはもちろん、より歯ごたえのあるテーブルやイスの脚、木製ドアなどを噛んで、破壊する犬も少なくありません。
また、破壊行動に限らず家中の物を引っ張り出してめちゃくちゃにしたり、わざとトイレの失敗をしたりすることもあります。これらについては飼い主さんが「やめてー!」と強い反応を示したり、犬を叱るためにそばに来たりすることが、犬にとってのごほうびになってしまうことがあります。
愛情不足を感じているが故に、少しでも飼い主さんに構ってほしいという気持ちから破壊行動やいたずら、粗相を繰り返してしまうのです。
監修ドッグトレーナーによる補足
噛むということは、犬にとって自然な行為。人間だとストレスが溜まったら日記を綴ったり、誰かに愚痴を言ったりできますが、そんなことができる犬はいませんよね。
しかし、犬もストレスを解消したいと感じます。その時に自分のやりやすい方法でストレス解消をしようとした結果、噛むという行為につながることも。
愛情不足による犬の暴力②吠える
元々あまり吠えることがなかったのに、無駄吠えが急に増えてきたというときには、犬が愛情不足を感じているときかもしれません。犬は人間に伝わる言語で「さみしい」「構って」と伝えることができません。
そのため、飼い主さんに要求を伝えるために吠えるという行動に出ることは多く見られます。また、愛情不足によりストレスが溜まってしまい、その発散として犬の本能である“吠える”という行為をするようになることがあるのです。
また、愛情不足の場合は散歩や遊びなど、コミュニケーションそのものが不足していることも多いため、運動不足で体力があり余っていることも。吠えるという行動は人間にとっては好ましくないものと思われがちですが、犬にとっては自然な本能行動でもあります。そのため、体力が余っていることが吠えるという行動に移ってしまうことがあるのです。
監修ドッグトレーナーによる補足
吠える事も犬にとって自然な行為です。噛むか吠えるかは犬種や個体差で変わってきます。 ストレスが酷くなると、両方の症状が出たりもします。
愛情不足による犬の暴力③噛みつき
愛情不足による犬の暴力的行動として、最も問題になるのが飼い主さんに対する噛みつきです。吠える、噛むなどの暴力的行動は攻撃性によるものだけでなく、愛情不足によってストレスが溜まっているときなどにも起こすことがあります。
また、何かの拍子に飼い主さんを噛んでしまったり、手などに歯が当たってしまったりしたときなどに「痛い!」「もう、やめてよ!」などと大きな反応があったことで「噛むと飼い主さんが構ってくれる」と勘違いしてしまうことも。噛むことがコミュニケーションの手段となってしまうと困るので、犬がむやみに噛んでくるときは、そっと離れて反応しないようにしてください。
まとめ
愛情不足を感じている犬は、運動不足に陥っていたりストレスを溜めこんでいたりして、心身ともに健康的でない状態であることがめずらしくありません。愛情不足によるストレスを抱えているときに暴力的行動が見られたら、それらの行動を無視しないようにしてください。愛犬からのストレスサインを無視することで、より強い愛情不足を感じてしまうだけでなく、信頼関係も崩れてしまう恐れがあります。
ただし、破壊行動や吠える・噛むなどの暴力的行動は反応することでより強化されてしまうことがあるので注意が必要。暴力的行動自体には反応せず、無視をして淡々と接するようにしましょう。そして愛情不足を解消するために散歩や遊び、スキンシップなどの時間を増やしてたっぷりコミュニケーションを取るようにしましょう。そうすることで、暴力的行動も次第に落ち着いていくでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
愛情不足といっても原因は様々に考えられます。お散歩の時間が足りていない?遊び足りない?退屈?原因をしっかりと特定して、対処していきましょう。対処しても改善が見られなければ、専門家へ相談してもいいかもしれません。