1.安心する
オオカミは犬の野生時代に近い存在
現在の家庭犬はオオカミの亜種であると言われており、今も野生で生きるオオカミは犬の野生時代に最も近い存在です。オオカミはオスとメスの繁殖を担うペアを中心に、平均3~11匹の群れを成して生活します。最も多い群れでは、42匹になったこともあるという記録もあります。
動物にとって睡眠時は最も無防備になる
現在の家庭犬にも群れの中で生きる習性が強く残っています。そのため、犬は基本的に孤独を嫌います。特に、動物にとって一番無防備になるのが眠るときなので、犬は睡眠時に仲間と寄り添ってお互いの身を守りたいという習性があります。
犬には「接触刺激」が必要
犬は野生時代の名残により、自分の身体が何かに触れていることで安心感を得る動物です。そのため、犬同士で寄り添うだけではなく壁やブランケットなど、何かに身体の一部が触れている状態を好みます。
2.暖を取りたい
犬は睡眠時にお互いを守り合うためだけではなく、暖を取るためにも身を寄せ合って眠ります。特に寒い季節に犬同士で寄り添って眠る姿を多く見ます。原産地が温暖な地域の犬種は寒さに弱い子が多いため、お互いで暖を取りたいという欲求が強く出ることもあります。犬の体温は平均で38~39℃、子犬や小型犬であると体温はもう少し高めですので、犬同士でギュッと寄せ集まって眠るととても暖かいですものね。
3.危険をすぐに察知したい
犬の睡眠は浅い
犬は野生の習性により、グッスリと眠る時間はとても短いです。グッスリ寝てしまうと外敵に襲われたり危険が迫ったときにすぐに逃げたりすることができないため、犬の睡眠はうつらうつらと浅く眠る時間の方が長いのです。犬はグッスリ眠れない代わりに人間よりも長い睡眠時間が必要なので、昼間でもスヤスヤとお昼寝をしています。
一緒だと危険を察知できる可能性が上がる
犬同士で寄り添って眠ると、万が一自分が危険に気付かなかったとしても、他の誰かが危険を察知してくれるかもしれません。犬同士がくっついて眠る理由は、睡眠時にいち早く危険を察知するためでもあるのです。
4.守りたい・守られたい
子犬を守りたい気持ち
成犬のお腹に子犬がすっぽりと寄り添って眠る姿にはとても癒されます。犬は自分の子ではなくとも子犬に対して「守るべき存在」と認識できるようで、子犬を守るようにして寄り添って眠る犬は多くいます。私の愛犬の場合は子犬ではなく子猫でしたが、その子猫が自立するまではお腹で守るように寄り添って眠っていました。
守ってほしい子犬の気持ち
犬は子犬の頃、母犬や兄弟たちとくっついて眠ります。子犬は自分が弱い存在だと本能で知っているため、一生懸命守ってもらおうとします。やがて子犬が成長して自立心が芽生えると、自然に母犬や兄弟たちと一緒でなくても眠れるようになります。しかし、甘えん坊気質の子はなかなか母犬や他の犬から離れないこともあります。
飼い主さんにくっつくときとの違い
犬はニガテな相手とは寄り添わない
いくら群れで生活する習性があっても、犬は苦手な相手とは寄り添って眠らないでしょう。何が原因かは人間の私たちからは分かりにくいのですが、犬にも相性の良し悪しがあるのです。犬同士であっても飼い主さんとでも、犬が寄り添って眠るということはその相手が好きな存在だからです。
飼い主と眠るときの気持ち
犬同士で眠るときより、飼い主さんと寄り添って眠るときの方が
- そばにいたい
- 安心
- 甘え
などの「好き」の気持ちが強いという意見があります。家族が複数人いるご家庭では、犬が1番なついている人とくっついて眠りたがることが多いです。
まとめ
犬同士で寄り添って眠るときの心理は、
- 安心する
- 暖を取りたい
- 危険をすぐに察知したい
- 守りたい守られたい
などが挙げられます。これらは群れを成して生きる習性の犬ならではの心理と言えますね。
お団子状態で眠っている子犬たちや、そっと寄り添って眠る仲良しの成犬たちの姿を見ると心が平和になります。たとえ血が繋がっていなくても仲良く寄り添って眠っている姿に「家族っていいな」と感じます。