1.短い言葉で伝える
犬に「これはいけないことだ」と伝えるには、短い言葉を使った方が効果的です。なぜなら、犬は人間の言葉を文章として深く理解することができないためです。ですので、「お手」や「待て」と同じように、叱る言葉をコマンドにしてしまうという方法が良いでしょう。
- ダメ
- ノー
- やめて
など、聞き取りやすく短い言葉で伝えましょう。また、叱る言葉は毎回同じものにした方が犬が混乱しません。ほかに同居のご家族がいらっしゃる場合は、ご家族全員で言葉を統一しましょう。
2.大きく低い声で伝える
犬の唸り声に似せる
犬を言葉で叱る際は
- 普段より大きめの声で
- 声のトーンを低めにして
- 簡潔に
などを意識して発声すると、犬が「これは叱られている」と理解しやすくなります。
これは犬が唸る時に似せた発声法で、低くて強い声を出すことで犬に威圧感を与える効果があります。犬に適度な緊張感を与えることもしつけにおいて効果的なのです。
三段階の声色
人間の子供であれば「なぜしてはいけないのか」までをちゃんと説明すれば、根本的な善悪を理解していくことができます。しかし、犬は人間の言葉を文章で深く理解することはできません。
そのため「褒める時」「普段」「叱る時」でそれぞれ声色の差をつけることで、犬が「普段」を基準にして「良いこと」と「悪いこと」を区別しやすくなるのです。
3.無視をする
- 要求鳴き
- かまってほしくてイタズラする
- わざとトイレの粗相をする
以上のような犬のワガママに対しては「無視」で叱る方法が効果的です。犬が何か要求をしている時に声で叱ってしまうと「かまってもらえた」と勘違いしやすくなるためです。
無視の方法
- 目を合わせない
- 触らない
- 声をかけない
以上の無視の行動を、15~30分間続けます。その場に飼い主さんお一人ではなく、ほかにご家族がいる場合は全員で無視をすることが重要です。
無視の終わり方
無視をして15~30分が経ったら「お座り」や「伏せ」などのコマンドを出します。わんちゃんがそのコマンドに従ったら褒めてあげて、無視のしつけは終了です。もし従わなかった場合は無視を延長して、しばらくしてから再びコマンドを出しましょう。
4.現行犯で叱る
犬を叱るならば、いけないことをしている最中に叱る必要があります。
犬は物事を関連付けて記憶する傾向が強く、そして深く記憶された長期記憶以外のことは5分程度で忘れてしまいます。そのため、時間が経ってイタズラをしていないタイミングで叱っても「何に対して叱られているか」が理解できないのです。
「なぜかは分からないけど、飼い主さんが怒ってる…」とただしょんぼりしてしまうこともあります。これでは本当の意味でのしつけになりません。
5.耳が聞こえない子の叱り方は?
犬笛なら聞こえる可能性も
全く音が聞こえない子もいれば難聴である場合もあります。犬の聴力は人間と違い高音が聞き取りやすいという特徴があるため、高い周波数の音が出る犬笛なら聞こえる可能性もあります。犬笛を試して聞こえるようなら、音の出し方を数種類決めてしつけをしていくのも1つの方法です。
ハンドシグナル
全く音が聞こえない場合、飼い主さんの手でサインを出すハンドシグナルが有効です。
- 褒める時は親指を立てたグッドサイン
- ダメの時は両手のひらを目の前に出す
- 人差し指を立てたらオスワリ
など、手話のように手でコマンドを出す方法があります。耳が聞こえない分、愛犬とアイコンタクトをとってしつけをしていきましょう。
まとめ
褒めることと同じくらいに、犬のしつけにおいて叱ることも大変重要です。「叱る」とは「怒る」ではなく愛情の1種なので、犬は叱られたからといって飼い主さんを嫌いになったりはしません。ただ、間違った「怒り」の方向で叱ってしまうと犬との信頼関係が壊れてしまうので注意しましょう。人間とは違って犬は言葉を深く理解できないため、犬には犬の正しい伝え方をしなければいけません。
特に耳が聞こえない子のしつけは根気と時間が必要になることもありますが、犬は飼い主さんの「伝えたい」という気持ちを一生懸命理解してくれるはずです。