目からウロコ!体の痛みが犬の興奮や多動の原因になっていることもある!

目からウロコ!体の痛みが犬の興奮や多動の原因になっていることもある!

犬の問題行動が体の不調から来ることもあるのは知られていますが、時には予想もつかない意外な行動になって現れることもあります。目からウロコが落ちるようないくつかの例をご紹介します。

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体の痛みから来る問題行動は不機嫌や無気力だけではない

寝床で休む元気のない犬

愛犬の体に触れようとしたら歯を剥いて唸った、散歩に行こうとしても立ち上がろうとしない、歩くことを拒否する、このような行動上の問題が見られたときに「関節炎などに痛みがあるのかもしれない」という認識を持つ人は少なくありません。

しかし、上に挙げたような攻撃的または無気力な態度の他に「まさか!」と思うような問題行動が、体の痛みに原因を発していることもあるのだそうです。

インドの動物行動コンサルタントで、ミオセラピー療法士でもあるシンドアー・パンガル氏が過去に経験した体の不調に関連した犬の行動上の問題のいくつかの例をあげています。

パンガル氏は、トゥーリッド・ルーガス氏(犬のボディランゲージの元祖「カーミングシグナル」の著者)が主宰するペットドッグトレーナー・ヨーロッパのインド代表でもあり、インドにおける犬の健康や行動についての第一人者です。

犬のどんな行動が体の痛みから来ている可能性があるのか、私も目からウロコが落ちるような思いと同時に、深く納得した例をご紹介します。

すぐに興奮するハイパー過ぎる犬、多動傾向の犬

リードをつけた2匹のハスキー犬に引っ張られる女性

いつもクルクルと走り回ったりジャンプをしたりして、ハイパーな興奮ぶりを発揮する犬。散歩に出かけても匂い嗅ぎ行動をほとんど見せず、グイグイと引っ張ってばかり。このような犬の行動はハイパーアクティブとか、多動性問題行動と呼ばれたりします。

多くの場合、エネルギーが有り余っていて活動レベルを上げることが対策とされます。また、人間における注意欠陥障害と同様の「多動障害」が原因の場合もあります。しかし、これらの対策をしても一向に改善されない場合、意外なことに骨格や関節に慢性的な痛みを持っている場合があるのだそうです。

「なぜ痛いのに激しく動き回るの!?」と不思議に思われますよね。痛み、特に慢性的な痛みはアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンを増加させます。アドレナリンには痛みを抑える性質があり、痛みを持つ犬にとっては中毒性のあるものだそうです。そのためアドレナリンの分泌を増加させるような活動(多動)をすることがあります。

アドレナリンのレベルが上昇すると興奮状態となり多動に拍車がかかります。その結果、体に負担がかかり痛みが悪化するという悪循環に陥ることもあります。また、アドレナリンには物事に集中することを困難にするという一面もあります。アドレナリンが過剰に分泌している状態になっている犬は、散歩中に匂い嗅ぎ行動をすることもなく、ひたすら前に進もうとします。

匂い嗅ぎ行動にはリラックス効果があることも知られているので、これも悪循環の1つとなってしまいます。また痛みの部位によっては匂い嗅ぎ行動の姿勢が取れないという場合もあります。

どんな対策をしても愛犬の慢性的な興奮や多動が解決できないという場合、身体的な痛みという可能性を探ることで解決策が見つかるかもしれません。

フードアグレッシブも痛みから来ている場合がある

置かれたフードボウルと不機嫌な顔の犬

犬の問題行動と呼ばれるものの中でも、攻撃性に関するものは深刻に捉えられます。攻撃性の問題の1つで「フードアグレッシブ」と呼ばれるものがあります。食べ物を出すと攻撃的な態度になる、食べているときは攻撃的で近寄れない、食べた後に攻撃的な興奮を見せる、など食べ物に関連する攻撃性全般を指します。

過去のトラウマが原因になっていたり、初期の対応が間違っていたりしたために攻撃行動が強化されてしまったなどの原因がありますが、食べることと体の痛みが関連している場合もあるそうです。

舌骨の骨折または脱臼

犬の舌の基部と咽頭および喉頭を支える骨を舌骨と言います。この舌骨に骨折や脱臼が起こった場合、飲食中に痛みを感じて食べ物を前にすると攻撃的になる場合があるそうです。

舌骨の障害は、首輪を強く引っ張って歩く犬、飼い主による首輪の引っ張りなどが原因になる可能性が指摘されています。舌骨周辺のレントゲン撮影が行われることは少ないそうですが、解決できないフードアグレッシブに悩んでいる場合には、このような可能性をかかりつけの獣医師に相談してみるのも一案です。

筋肉、関節、骨格に問題がある場合

犬の肩、首、腰、前肢、後肢などの筋肉、関節、骨格に何らかの痛みがあって飲食のための姿勢をとることが難しい場合、食べ物を前にすると不安や攻撃性を示す場合があります。

痛みの原因は怪我、関節炎、自己免疫疾患など様々ですが、食べやすい姿勢を探るなど工夫をしてみて、医師の診察を受けてください。またこれら飲食に関連する痛みは、攻撃性として現れるのではなく食欲不振やうつ症状として現れる場合もあります。

まとめ

獣医師の診察を受けるワイマラナー

犬が痛みを感じているときに、思いも寄らない行動上の問題となって現れる例をご紹介しました。「問題行動」と人間が呼ぶものは、犬からのメッセージや訴えでもあります。行動には必ず意味があり、私たちはその可能性の選択肢をできるだけたくさん知っておく必要があります。

トゥーリッド・ルーガス氏は「痛みは常に犬の行動に影響を与える」と述べています。私たちは痛みから来た行動が、人間にとって分かりやすいものばかりではないことを肝に銘じておかなくてはなりません。

《参考資料URL》
https://thebark.com/content/dog-behavior-affected-pain

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