1.とにかく遊びたい!
自分のしっぽをクルクル追いかける行動は、特に子犬によく見られます。子犬がしっぽを追いかけるのは、多くが遊びの延長。おもちゃや飼い主さんと遊んだ興奮状態が抑えきれず、「もっともーっと遊びたい!」という気持ちから、自分のしっぽを追いかけてしまうのです。
とはいえ、成犬になっても突然自分のしっぽが気になって追いかけることもありますし、子犬の頃に飼い主さんがしっぽを追いかける姿を見て喜んだのを鮮明に記憶しているわんこでは「これをすると飼い主さんが喜んでくれる」と思って、わざとクルクルすることもあります。
2.嫌な気持ちをどうにかしたい!
成犬がしっぽを追いかけるのには、上でご紹介したような理由もありますが、最も多い理由が、ストレス発散です。わんこは、ストレスや恐怖など負の感情を抱いたときに、その気持ちを全く関係のない行動で紛らわすことがあります。
これを転移行動と呼び、しっぽを追いかける仕草も代表的な転移行動の1つです。飼い主さんに叱られた後や、雷が鳴った後など、嫌なことがあった後に一時的にしっぽを追いかけるのは、全く問題ありません。
3.むしゃくしゃして仕方ない!
一方、同じストレスが原因でも、あまりに強いストレスがかかったり、ストレスが常態化したりすると、しっぽを追いかける行動がエスカレートする場合があります。しっぽがちぎれて血が出るほど追いかける、しっぽが気になりすぎてお散歩やごはんなど他のことが全く手につかないなどの状態に陥った場合には、常同障害と呼ばれる心の病気が疑われます。動物病院で相談することをオススメします。
4.かゆい!痛い!
もちろん、単純に、お尻やしっぽにかゆみや痛みがあるために、患部を舐めようとしてしっぽを追いかけることもあります。特にお散歩の帰りやトイレの後にしっぽを追いかけている場合は、お尻やしっぽに何か付いていて気になっているのかもしれません。排泄物や虫などが付いていたり、傷ができていたりしないか、まずは飼い主さんが確認してあげましょう。
5.敵をやっつけてやる!
まれに、しっぽが敵に見えてしまい、「やっつけてやる!」と親の仇かのように追いかけてしまう子がいます。のんびりしていたり、うとうとしたりしていたのに突然スイッチが入ったり、追いかける勢いがあまりに激しかったりする場合には特に要注意。
てんかんという脳の病気の発作の可能性があるからです。てんかんであるかどうかは動物病院で診断が可能で、投薬治療で発作を抑えることができます。おかしいなと感じたら、獣医師の診断を仰ぎましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?しっぽを追いかける行動は、子犬の場合や、成犬であっても一時的ですぐにおさまる場合、いつもではなくたまに追いかけて楽しそうにしている場合には、ほほえましく見守っていて問題はありません。
ですが、しっぽが気になりすぎて他のことができない、しっぽから血が出るまで追いかけてしまうなど、程度が過ぎる場合には、心身に病気が隠れているケースがあります。
わんこの行動には1つ1つ意味があり、それが飼い主さんへの重要なサインである場合もあります。飼い主さんは愛犬の行動を注意深く見守り、おかしいなと思ったら専門家に相談することが必要です。