犬の社会性とは?
社会性とは?
「社会性」と言う言葉は、犬を飼育するときだけでなく、人間の子供を育てる際にもよく使われる言葉です。けれども、実は「これが正しい社会性の意味です」というはっきりした定義はありません。ただし、ざっくりしたニュアンスで表現するとすれば、
- 集団生活ができるだけの能力があるかどうか
- 自分以外の存在と共存し、意思や意見を交わしたり、共感できたりするかどうか、
ということのようです。
犬の社会性とは?
人間の社会の中でも使われる「社会性」と言う言葉ですが、犬に当てはめるとどんな意味を持つのでしょうか?犬にとって「社会性を持つ」と言うことは、犬が、自分以外の動物や人と同じ空間で一緒に暮らしていく上で、いろいろな決まりを覚えていくことを言います。
子犬が社会性を身に付ける時期とは?
子犬の「社会化期」
犬は人間の生活に深く強い関りを持ち、もともと集団生活ができる動物です。そのため、犬が人間と円滑に生活していけるように、知能や習性に関して、様々な研究が行われてきました。その結果、犬が成犬になるよりもずっと幼い「幼犬期」と呼ばれる時期のうち、特に生後12週齢頃までを「社会化期」といい、様々な社会性を身に付けさせるためには最適な時期とされています。
まだ社会性が身に付いていない子犬がしてしまう迷惑行動6つ
1.知らない犬とコミュニケーションが取れない
人間でいうと、まだ片言しか話せない子供が大人と上手に話せない、という状況です。親犬や兄弟とあまりにも早く引き離すと、上手に犬同士のコミュニケーションが取れなくなるのは、いわゆる「犬語」で自分の意志を相手に伝えることもできないし、相手の意志を理解することもできないからです。
2.家族以外の人とコミュニケーションが取れない
一緒に暮らしている家族に対しては、敵意を感じることもなく、自分に求められていること、自分が人間に求めていることを伝えようとします。けれども、家族以外の人間に対しては生まれつき好奇心が旺盛な犬でない限り、「何をされるかわからない得体のしれない動物」と感じて、警戒します。時に、歯をむき出し、激しく吠えることもあります。
3.大きな音にパニックになる
雷、トラックの音、工事の音、踏切、救急車の音など、子犬にとって聞きなれない奇妙な音が人間の社会には溢れかえっています。子犬にとって、初めて聞く爆音は恐怖でしかありません。怯えて強張って動かなくなるのも心配ですが、パニックになって家の中を走り回って壁などに激突したり、階段から落ちたりして、思わぬ怪我をしてしまうかも知れません。
また、この時期に大きな音に過剰に反応する犬になってしまうと、成犬になって外出するようになったとき、パニックになって逸走し、迷子になってしまう危険性もあります。
4.動くものを見ると興奮し、走り回って制御できなくなる
大きな音だけでなく、猫、小鳥、ハムスターなど、子犬が見たことのない動物が急に動いたり、あるいは奇声を上げて走り回る子供を見て驚いてパニックになったり、異常に興奮して走り回ることがあります。そんなとき、飼い主さんが名前を呼んでなだめようとしても全くその声が耳に入っていないようで、子犬の行動を制御できなくなります。
5.むやみに吠える
怖いのか、楽しいのか、自分の欲求が通じないことに腹が立つのか、子犬自身が自分の感情をコントロールできず、何に対して吠えているのかもわからないまま、吠え続けます。
まとめ
今回ご紹介した迷惑行動5つは、もし、飼い主さんが愛犬に対して社会化を身に付けさせるトレーニングを一切行わなかったら、成犬になったときに大変な問題行動となることばかりです。誰にも迷惑がられることなく、誰からも可愛がられて、誰とでも仲良くできる犬に育てるのは、愛犬への深い愛情を持つ飼い主さんしかいないのです。
子犬の社会化については、ドッグトレーナーさんや犬の訓練士の方の意見を参考にし、愛犬となった犬と生涯、幸せに暮らすために飼い主としてしっかりと取り組みましょう。