1.呼びかけてくる相手に関心がない
「何の得もないから無視しよう」
もしも、呼びかけている相手が家族以外の人の場合、警戒しているのであれば、吠えたりその場から逃げ出そうとしたり、何らかの反応があるはずです。
けれども、呼びかけている相手の声が全く耳に入っていないように、目も合わさず、警戒している様子も見せないというのであれば、敵意も攻撃する気もない、と言うことです。
ただ、おそらく、そんな反応をする犬は「知らない人に名前を呼ばれて撫でられたけれど、何も貰えなかった」「知らない人に撫でられただけで何も楽しいことはなかった」という経験をしたことがあると考えられます。
ですから、経験上、「知らない人に撫でられてもおやつが貰えるワケでもないし、何の得もないから無理に近づくのは面倒くさい」と考えてるのかもしれません。
「構ってくれなくても結構です」
人間でも犬でも、子供のうちは遊ぶのが大好きです。ただし、人間と違って、成長してもずっと遊ぶのが好きな犬もいますが、誰とでも分け隔てなく楽しく遊べる犬はとても珍しいのではないでしょうか。
家族や大好きな人となら遊ぶけれど、初めて会った人とは遊べない、「遊ぼう!」と誘われても気分が乗らない…だから「構ってくれなくても結構です」という犬なりの意思表示のように感じます。
「今、忙しいから!」
ペットボトルの蓋を開けたり、知育おもちゃの中に入っているおやつを取ろうと夢中になっていたり、あるいは食事中であったり、何かに集中していると、人の呼びかけを無視することがあります。
2.パニックになっている
何かに驚いてパニックになっている場合
ふだん落ち着いている犬でも、雷や花火のような大きな音がしたり、他の犬との接触によってパニックに陥ったりすることがあります。そんなときは目は見開き、耳は立ち、全身に力が入って、時にはあらぬ方向へ猛烈な勢いで走り出します。そんなとき、飼い主さんが呼びかけても全く犬の耳には届きません。
強烈な不安を感じてパニックになっている場合
分離不安ぎみの犬に良く見られるケースで、飼い主さんの姿が見えなくなるとパニックになってしまい、何も耳に入らなくなってしまうというケースです。
3.疲労している
「眠いからほっといて」
犬は、人間よりもずっと長い睡眠時間が必要な動物です。飼い主さんに呼ばれたけれども、眠くて動きたくない、…というとき、まるでタヌキ寝入りをするかのように、飼い主さんの声を無視することがあります。
「一人で静かに過ごしたい気分」
一見、ぼうっとしていたり、ただ外を眺めていたりするだけなのに、飼い主さんの声を無視するのは、長い時間の散歩や、訓練などで体だけでなく神経も疲れてしまって、クールダウンしたいのかも知れません。
4.聴覚に問題がある
どんな状況でも、呼びかけても全く反応がない場合は、聴覚に何か問題があるのかも知れません。
5.コミュニケーションが取れていない
自分の名前がわかっていない
家族になって日が浅いうちは、犬は自分に名前があることがわかりません。ですから、飼い主さんが名前を呼んでも、自分が呼ばれているとは思ってないのです。
まとめ
犬は、人間の3~4歳くらいの子供と同じくらいの知能があると言われています。けれども、犬と一緒に暮らしていると人間の子供よりもずっと聞き分けが良く、思慮深く、その心は、とても複雑に動くように感じられます。
「どうして無視するの?」と尋ねても言葉で返答されるワケではないので、今回、呼びかけを無視する理由をいくつか挙げてみました。けれども、あくまで憶測にすぎません。犬たちにとっては、大好きな飼い主さんの呼びかけを無視する理由は、もっと複雑な事情があるのかも知れませんね。