保護犬は多頭飼いしないほうがいいのか?

保護犬は多頭飼いしないほうがいいのか?

最近、テレビのニュースやバラエティ番組などで保護犬や保護猫を取り上げられることが増え、「家族として迎えるのなら保護犬や保護猫を」と考える人も多くなってきました。飼い主に捨てられたり、人に虐待されたことで心に深い傷を負っている保護犬は少なくありません。だからこそ、保護犬を家族として迎えるのなら、出来る限りの愛情を注ぎたい、そう考えると一頭だけに愛情を注ぐために、保護犬は多頭飼いしない方がいいのでしょうか?

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記事の監修

犬の気持ちは行動に現れる。知っていますか?犬が顔を左に向けた時にはストレスを受けている可能性があることを。犬は様々な方法で人に気持ちや考えを伝えているのです。それを受け止めてアドバイスとして活かすことを仕事としております。様々な専門の知識と20,000時間以上の教育実績があなたとその愛犬の生活を助けて豊かに導きます。

保護犬は多頭飼いしない方がいい?

檻の中にいる二匹の犬を撫でる女性

先住の動物との相性をよく考慮する

信頼できる保護団体なら、保護犬が不幸になるような譲渡を薦めるようなことはしません。たとえ、譲渡会や保護団体のホームページなどで希望の保護犬と出会って譲渡を願い出ても、もともと飼っている先住犬との相性が悪ければ、譲渡を断られることすらあります。

監修ドッグトレーナーによる補足

「犬同士だから時間が経てばきっと仲良くなる」「うちの子は寂しがりやだから仲間がいたほうが良い」「先住犬がお世話をしてくれるかも」と、多頭飼いを考える飼い主さんもいるでしょう。もちろん、時間とともに慣れて仲良しになることや、先住犬が子犬にしつけを教えてくれることもあります。

ただし、失敗してしまうケースは少なくないのが現状。最初は相性が良く見えたのに、時間が経つごとに不仲になってしまう場合もあるのです。犬同士の相性は常に変化するものと覚えておくと良いでしょう。

犬の飼育に不慣れなら避けた方が良い

保護犬に限らず、初めて犬を飼うときにいきなり多頭飼いをするのは避けた方が良いでしょう。単純に、食事や排せつの手間が倍になるだけでなく、犬たちの健康状態や精神状態をよく観察しなければならないことを見落とすリスクが高くなるからです。

例えば、元気な子犬を二頭、一度に家にお迎えしたとします。当然、排泄のタイミングが違えばトイレトレーニングのタイミングも違います。また、片方がイタズラをしていることに気を取られているうちに、もう一頭が飲み込んではいけないものを食べてしまっていたということがおきてしまうことだってあります。

犬の扱いに慣れていなければ、犬同士が本気のケンカをしたときの対処も難しいでしょう。たとえ小型犬同士でも、本気のケンカに不用意に人間が手を出せば、犬も人間もとりかえしのつかない怪我を負うこともあります。

犬の扱いに不慣れで犬の行動を制御できないうちは、多頭飼いは避けた方が良いでしょう。

多頭飼いの飼育環境を整えられるかどうか

それぞれの犬が安心できるスペースを作ることができるか、病気の予防のためのワクチンや避妊などの費用は出せるかなど、犬を多頭飼いできる環境を整えることができるかどうかを考えてみましょう。

家族全員が幸せに暮らすために最善の策を取れるか

「先住犬とどうしても相性が悪い、でもどうしても家族として保護犬を引き取りたい、諦められない」ということもあるかもしれません。そんなときは、二階と一階で飼育する場所を分けたり世話をする人を完全に分担制にするなど、できる限りの最善の策を講じましょう。

監修ドッグトレーナーによる補足

散歩の時も対策を取る必要があるかもしれません。二頭以上で一緒に散歩すると、犬同士で対抗意識が出て引っ張り癖がついてしまいやすくなり、ケガや事故などに巻き込まれる可能性もあり大変危険です。

多頭での散歩はコントロールに技術を必要とするため、慣れていなければ別々に散歩させることになります。環境などに加えて、手間などの時間も増えることも覚悟しておきましょう。

ストレスを感じるようなら専門家に相談する

日本には、「餅は餅屋」ということわざがあります。何事においても専門家に任せる方がよい、あるいは、どんなに上手でも素人は専門家には敵わない、という例えです。

愛犬のことは飼い主さんが一番よく知っているかも知れませんが、「犬」という動物に関する知識は経験豊富なドッグトレーナーや犬の訓練士さんには敵いません。先住犬と新しく迎える犬に関して不安があるのなら、専門家に相談してみましょう。

多頭飼いに向かない犬とは?

たくさんの犬と遊ぶ家族

興奮しやすい

興奮しやすく攻撃性のある性格の犬は、ケンカになりやすく多頭飼いにはあまり向いていません。

甘えん坊で飼い主さんに依存しやすい

甘えん坊なタイプは、飼い主さんの愛情が分散してしまうことを感じ取って、大きなストレスを抱えてしまう場合があります。

臆病

飼い主さんから一番愛情を注がれていても、臆病な犬は他の犬の立てる物音などにも敏感でいつもびくびくして生活を送らなければならないかもしれません。その犬にとって非常に大きなストレスとなってしまえば、病気の原因にもなりかねません。

まとめ

怖がっているチワワ

「保護犬だから多頭飼いに向かない」、「保護犬だからこそ多頭飼いをして寂しくないようにしてあげたい」と、「保護犬だから」と特別に考える必要はないと思います。

保護犬の性格や年齢、体格などによっては多頭飼いを避けた方がいい場合もありますが、多頭飼いをするかしないか、向いているか向いていないかは、保護犬だからはなく、犬の個性によって考えることが大切ということです。

監修ドッグトレーナーによる補足

私たち愛犬家が伝えたいのは、「犬を飼うことで不幸になって欲しくない」ということです。

決して多頭飼いをするなとか、保護犬は難しいという訳ではありません。不幸な過去を背負っていたり、人慣れしていなかった保護犬たちを家族として迎え入れて幸せにしてくださる方も大勢いらっしゃいます。本当に頭が下がる思いです。

基本的な知識を学んだ上で、保護犬を後住犬としお迎えした方たちの経験やお話を聞くものおすすめですよ。

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