引っ張りっこゲーム
「甘噛み」の欲求を解消
「引っ張りっこゲーム」とは、タオルやロープ状のおもちゃなどを飼い主さんとワンちゃんが引っ張りっこして遊ぶゲームです。
犬には「噛みたい」という欲求があり、じゃれるときや甘えるときなどに甘噛みをしてしまう子も多くいます。引っ張りっこゲームをすることで犬の甘噛みの欲求を解消することができるとともに、「噛んではいけないもの」も学んでいきます。
監修ドッグトレーナーによる補足
甘噛みは、特に子犬の歯が生え変わる時期にむず痒くなることから自然に行動するため、しつけで完全にやめさせることは難しいです。
甘噛みを無理にやめさせようとすると、犬が大きなストレスを感じてしまい噛み癖などに発展してしまうことも。噛む行為を遊びに取り入れることはとても有効な手段となりますよ。
引っ張りっこゲームで学ぶこと
引っ張りっこゲームをすることで、甘噛み欲求や運動不足を解消するだけでなく、
- 「噛んで良いものと悪いもの」の区別がつくようにする
- 「くわえたものを放す」という指示に従えるようにする
- 「飼い主さん主導で遊んでいる」ということを認識する
などを学習することができます。
引っ張りっこゲームのやり方
引っ張りっこゲームの基本の遊び方は以下の通りです。
- タオルや壊れにくいおもちゃ等を目の前で左右に動かす
- 犬が興味を示したら「オスワリ」や「マテ」の指令を出す
- 「ヨシ」「OK」などの号令でくわえることを許可してゲームスタート!
- 「ちょうだい」の指令を出し、おもちゃを放すことができたらおやつなどで褒める
- 飼い主さんの手や服などを噛んだときは遊びを即座に止める
- 「ちょうだい」でおもちゃを放してもらい、おやつで褒めてゲームを終了する
引っ張りっこゲームのポイント
引っ張りっこゲームは、ただ引っ張って遊ぶだけでなく、
- ゲームを始める前や終わるときは、愛犬を落ち着かせること
- 飼い主さんの手や服などを噛んでしまったら、遊びが終わってしまうことを理解させること
この2つがとても重要です。
引っ張りっこゲームは、犬の本能を掻き立てるため犬がとても興奮しやすい遊びでもあります。そんな興奮状態の中でも「ちょうだい」の号令に従っておもちゃを放すことができるようになると、様々な場面で愛犬を抑制することができるようになります。
おいでゲーム
「呼び戻し」を学ぶゲーム
おいでゲームは「呼び戻し」と呼ばれるしつけトレーニングをする遊びです。
飼い主さんから離れた場所にいる愛犬を「おいで!」の号令で飼い主さんの近くに呼び戻すしつけにとても効果的です。
おいでゲームで学ぶこと
「呼び戻し」をマスターすることで、
- 脱走してしまったときや災害時の迷子防止
- 愛犬が周りの人や犬に危害を加えるのを防ぐ
- ドッグランを利用したときに愛犬をコントロールする
などのメリットがあります。
愛犬家として「呼び戻し」は特にマスターしておきたいしつけのひとつです。
監修ドッグトレーナーによる補足
しつけの中でも「呼び戻し」は、愛犬を危険から守るためにも必ずマスターしたいトレーニングのひとつです。
しかし、大事だからと言って焦ってしまったり叱ってばかりでは、犬が呼び戻しが嫌いになってしまい逆効果になることもあります。大事なしつけだからこそ、人も犬も楽しくモチベーションを下げないように進めることが大切です。
おいでゲームのやり方
おいでゲームは、最初は室内で始めましょう。
- 愛犬から1m程度離れた場所にスタンバイ
- 「おいで!」と言って両手を広げる
- 愛犬が近くに来たら、おやつを与えて褒める
- ここまでの一連の動作を繰り返し行う
- できるようになってきたら、少しずつ距離を離していく
- 完璧になってきたら、ノーリードのドッグランでも練習してみる
おいでゲームのポイント
おいでゲームは「おいで!」の指示とともに両手を広げるポーズをするのがポイント。ドッグランのような野外では、遠く離れてしまうと飼い主さんの声が届きにくいため、ポーズを一緒にとることで声が届かない遠く離れた愛犬に号令を出すことができるのです。
まとめ
今回は、トレーニングを始めたばかりのワンちゃんでもチャレンジしやすい初級のゲームを2つご紹介いたしました。
「引っ張りっこゲーム」では飼い主さん主導で遊ぶことや甘噛みの防止、「おいでゲーム」では呼び戻しのトレーニングを学ぶことができます。どちらもシンプルなゲームですが、習得したい基本のトレーニングに役立ちます。
楽しく遊びながらトレーニングをすることで、犬の運動不足も解消するだけでなく飼い主さんと愛犬との信頼関係を良好に築くことにも繋がります。みなさんもぜひチャレンジしてみてくださいね。
監修ドッグトレーナーによる補足
しつけは「上手く行かないのが当たり前」と頭に入れておくことが大切です。
人は大人になれば経験などから初めてのことでも想像したり準備することですぐに出来てしまうこともありますが、小さな子供なら上手く行かなくても当たり前と思ってあげられますよね。犬も同じです。最初から上手く行かないことはごく自然なことだと理解して、愛犬のペースに合わせて楽しく進めていきましょう。