足先を触られたくない
足先は犬の急所
犬にとって足先は急所です。動物にとって足にケガを負ってしまうことは、動けなくなることで敵から襲われるなど命に関わるからです。
そのため、犬同士のケンカや他の動物から襲われたときに真っ先に狙われやすいのが足なので、前足を触ったり握られたりする「お手」を嫌がる子は少なくありません。
特に、握られるのがイヤ
人間は、仲良くしたい相手と握手することがありますが、犬にとって急所である足先を触られたり握られるという行為は、不快感が大変強いものです。
犬がお手をした後でついつい可愛くて握ってしまうことがあるかもしれませんが、ギュッと握る行為はお手を嫌いになってしまう原因になる恐れがあるので注意しましょう。
どこを触られても大丈夫にしておこう
爪切りなどのお手入れや動物病院でワクチン接種や治療のときなど、足先を触られるシーンは多くあります。また、肉球はケガをしやすいデリケートな部分なので日常的に状態をチェックしてあげる必要もあります。
「お手」をマスターすることは、ただの芸ではなく、飼い主さんや他の人に触られても大丈夫なようにするためにとても大切な意味があるのです。
監修ドッグトレーナーによる補足
足だけでなく、内ももや耳、尻尾なども触れるように慣れておくと良いです。
一度に触るのではなく、無理強いせず少しずつ触って慣れてもらいましょう。人に優しく触られたり撫でられると気持ちが良いことを理解してくれれば、自分から触ってほしいとおねだりしてくれるようになりますよ。
片手を上げる体勢がツライ
足が短い犬種はバランスを崩しやすい
犬によっては、片手を上げる姿勢がツラく感じているのかもしれません。ダックスフンドやコーギーのような胴長短足の犬種は、お手の体勢になるとバランスを崩しやすくふらついてしまうこともあり、体系的に得意な体勢ではありません。
体型に合わせて、飼い主さんの手の高さを低めにすることで、スムーズにお手ができるようになるかもしれません。
子犬やシニア犬などの場合
体の筋肉や骨格が定まっていない子犬の場合、お手の姿勢になるとグラグラと不安定になってしまうことがあります。
1歳を過ぎると体も成長して成犬になり、お手でグラつくことはなくなるかもしれません。また、シニア犬の場合は、足腰や筋力の衰えなどでお手の姿勢が難しくなっていることもあります。
「お手」は本能的な仕草
「構ってほしい」という気持ち
犬は、相手に構ってほしい、遊んでほしいときなどに相手の体に前足を乗せる本能的な習慣があります。「お手」はその仕草をもとにしているトレーニングです。
指示してないのに「お手」をするときは?
飼い主さんが「お手」の指示を出さなくても、飼い主さんの手や腕、足などに前足をチョンっと乗せることがあります。これは、
- 構ってほしいなぁ~
- 遊んでほしいなぁ~
- それ食べたいなぁ~
など、飼い主さんの意識を自分に向けたいという心理である場合がほとんどです。
「お手」の練習のコツ
愛犬に信頼してもらう
犬にとって急所である足先を預けてもらうには、まずは犬に信頼してもらう必要があります。お手が上手にできたからと後でいきなりギュッと握ってしまうと「お手は怖いもの」だと覚えてしまうことがあるので注意しましょう。
「良いことがある」と思ってもらう
「お手」の体勢になってはいるものの、飼い主さんの手のひらに触れようせず、浮いたままの状態にする子も多くいます。やはり、足や肉球を預けるのは勇気がいるのかもしれません。
「お手をすると良いことがある」と認識してもらうために、しつけのときに愛犬が好きなおやつを用意して、飼い主さんの手のひらにしっかりと乗せることができたら、おやつをあげてしっかりと褒めてあげましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
足を触られることを極端に嫌がるようであれば、まずは背中からそっと撫でてみましょう。
背中を撫でて慣れてきたら、次は前足を少し触れてみる。少しずつ触ることに慣れることで徐々に受け入れてくれるようになります。
まとめ
「お手」を嫌がるワンちゃんは結構多くいます。
- 足は急所だから
- 足を握られて不快だったから
- お手の体勢がツラく感じているから
などの理由が考えられます。
大切なお手入れや、動物病院での治療など、体や足を触られることはとても多く触ることができないことは愛犬の生活に大きな支障をきたしてしまいます。
どこを触られても大丈夫な子にするためにも、「お手」はマスターしておきたいですね!
監修ドッグトレーナーによる補足
「お手」ができるようになると、爪切りや動物病院での検査や治療もスムーズに行えるようになります。
ただの芸ではなく、お手は犬の健康維持にとても大切なしつけの一つだと理解してトレーニングしましょう。