ソワソワ&クンクンする心理
完璧なポジショニングを確認
犬がおしっこをする時とうんちをする時を比べた時、前準備の所要時間はうんちをする時の方が長くかかります。「うんちしたいかも」と思ってからソワソワし始め、クンクンとうんちをする場所を確認し、それからやっと背中を丸めてうんちの体勢に移ります。
おしっこよりうんちをする時の方が緊張している?
おしっこをする時の場合、うんちの時ほどウロウロしたりしません。床や地面のニオイを少し嗅いでからすぐにおしっこの姿勢へと移ります。
(そのため、粗相をした時は間に合わないことがほとんどです(笑))
うんちやおしっこはともに無防備な状態になるため、外敵からおそわないか心配しながら排泄をすることは犬にとって一大事です。犬の場合、おしっこよりもうんちの方が緊張感が高いのかもしれません。
クルクル回っちゃう時の心理
野生時代の習性の名残り
野生だった頃の犬は草むらでうんちをしていました。うんちをする時はとても無防備な状態になるので、草むらにまぎれていた方が安心だったのかもしれません。しかし、草がたくさん生えているとおまたやお腹に当たって邪魔になりますよね。
そのため、犬はうんちをする場所を決めるとその場でクルクルと回って草を踏んで平らにしていたと考えられています。犬がうんちをする前にクルクルと回るのはその名残であると言われています。
また、草地を踏み固めることで自分の匂いを強く残し、マーキングの意味も兼ねていたと言われています。
南北の軸に体を合わせている?!
ドイツのデュースブルグ・エッセン大学の生物学者とチェコ共和国のチェコ農業大学との野生動物研究チームによると、犬がうんちをする前にクルクル回るのは「地球の磁場を読み取って体を南北の軸に合わせているから」との研究結果を発表しています。
このように、地球の磁場を読み取って自分の体を合わせようとする習性は「磁気受容」と呼ばれます。磁気受容は菌や原生動物、渡り鳥やウミガメに顕著に見られることで有名ですが、哺乳類にも磁気受容の能力が備わっていると考えられています。
なんでも、頭とお尻を南北の軸に合わせることで落ち着いてうんちができるそうです。なぜ東西ではなく南北なのかとても不思議ですよね!しかし、磁場が弱まっている時には方角があいまいになるのか、クルクルと回る行動はあまり見られないそうです。
最中にじっと見つめてくる
うんちに集中して無になっている
人はトイレの中で本を読んだりスマホをいじったりする方も多くいますが、動物は集中している時に関係のない行動をとることはしません。ましてや、うんちの最中はとっても無防備な状態なので「できるだけ早く終わらせて危険を回避したい」というのが動物の本能です。
そのため、うんちの最中に飼い主さんの目をじっと見つめてくるのも「うんちに集中していて無になっている状態」である可能性があります。そのまなざしはとても真剣ですものね(笑)
上手にできたと褒めてほしい
室内犬の場合、家の決まった場所に犬用トイレが設置されています。ワンちゃんはそこでうんちをするようにトレーニングを受けますので、その経験から「ここでうんちすると褒めてもらえる」と覚えている子もいます。
そのため、うんちをしながらじっと飼い主さんを見つめる時には「上手でしょ?褒めて?」と期待していることもあります。
まとめ
ソワソワ、クンクン、クルクル、犬がうんちをする時にはなんだかとても忙しそうです。うんちをする時にはとても無防備な状態になるため、野生の本能がまだ残っている犬にとってうんちをすることは緊張感のある一大事です。危険を回避してベストなポジションを確認することに一生懸命であるがゆえの行動や仕草なのですね。方位磁石のように南北に体を合わせるという研究結果にはビックリです!うんちが上手にできた時にはしっかり褒めてあげたいですね♪