犬が低い姿勢で尻尾を振るときの心理
犬が低い姿勢をとりながら、尻尾を振っている光景を見ると、「尻尾を振っているから機嫌が良いの?でも姿勢は低いから警戒しているような印象も…」と、その心理をうかがうことが難しいですよね。
実際、向こうから他の犬がやって来たとき、この姿勢をとり尻尾を振っていたら、その心理がわからず、近付かせても大丈夫かどうか迷ってしまうという飼い主さんも多いはず。そこで、犬が低い姿勢で尻尾を振るとき、どのような心理が働いているのかをご紹介します。
尻尾の動きが速い:一緒に遊ぼう!
姿勢が低いけれども、尻尾の動きが左右に素早く振り切れている場合、視線が向いている先の相手に対して「一緒に遊ぼう!」と遊びに誘っています。
一見、姿勢が低くなっているため、「警戒しているのかな?」と思いがちですが、犬は相手を誘う際にこのような行動を起こします。特に、嬉しさが高まると、一度姿勢を低くし、その後また元に戻すというような動作を繰り返します。
ピョンピョンと姿勢を上げ下げしている様子を見せたり、あるいは尻尾を左右に素早く振り切るように振っている場合は、攻撃的な意味はなく、一緒に遊びたいという気持ちの表れです。
尻尾が左にばかり動く:不安や緊張
低い姿勢で尻尾を振っていても、前述のように相手を遊ぶようなポジティブな感情だけでなく、やはりネガティブな感情を抱いていることも多いです。
例えば、低い姿勢を保ちながら、尻尾が左にばかり振られている場合、不安や緊張を表しています。「あれ?向こうから他の犬が来るぞ…」「怖いな。大丈夫かな」このような心理が働いているのでしょう。
尻尾が左にばかり振られている場合、不安や警戒の気持ちを持っていることが多く、体の様子を見ると、強張るように固まっています。他にも片足だけ後退するような動きを見せたり、耳が後ろに倒れていたりしますので、こちらも判断のポイントにしてください。
尻尾が低い位置でゆらゆら揺れる:警戒
姿勢を低くし、尻尾も低い位置でゆっくりゆらゆら揺れている場合、慎重に相手を見極めようと警戒していることが多いです。そのため、散歩中にこのような状態をとり始めたら、他の人や犬に無闇に近付かない方が良いでしょう。
先ほどと同様に、警戒しているときは体が強張っていることが多いです。ピタッと止まり、頭や前身は姿勢を低くしていますが、腰の辺りを丸く折り曲げた状態で高い位置へ上げていることもあります。
また、対象の相手(犬や人)が近付いてきた際、少しずつ後ろに下がっていくのも特徴的です。他にも少しずつ蛇行しながらゆっくり近付いていくなど、相手を観察するような行動をとるので、飼い主も注意深く見守りましょう。
低い姿勢=ネガティブな感情だけとは限らない
上記でご紹介したように、低い姿勢をとっているからといって、必ずしもネガティブな感情を抱いているとは限りません。犬の様子や行動、仕草によっては、相手から来る犬に対し好意を抱き、「遊ぼう!」と積極的にコミュニケーションをとろうとしていることもあります。
この時に、飼い主が勘違いし、無理に引き離そうとすると、社交の機会を妨げることにもなりますし、犬としても「なぜ引き離されたのか」と戸惑ってしまいます。
散歩中は愛犬の様子をしっかり観察し、無理に引き離したり、あるいは近付かせたりせず、まずはその場で待機するのが良いでしょう。
もしも愛犬が相手に攻撃的な姿勢を見せようとした場合や、警戒するときに見せるような仕草を見せた場合は、すぐに対応できるようにしておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬が低い姿勢で尻尾を振っているときは、遊びに誘っている場合と警戒心を持っている場合の2パターンが考えられます。真逆の心理なので、飼い主の見極めが重要になってきます。判断材料となる仕草や行動を把握しておき、いざその状況が起きた場合に備えておくと安心です。