犬が突然『遠吠え』をする時の心理
今さっきまで静かに休んでいた愛犬が、突然パット起きたと思ったら、「ワォーン」と遠吠えをし始めたということはありませんか。突然聞こえる遠吠えはこちらも非常に驚きますし、「何々!?」と焦ってしまいますよね。なぜ犬は突然遠吠えをするのでしょうか。ここではその時の犬の心理をご紹介します。
1.遠くの犬の遠吠えに呼応している
もし遠くの方から他の犬の鳴き声が聞こえている場合は、その犬の鳴き声に呼応しています。「僕はここにいるよ!」「喧嘩するなよ!」など、コミュニケーションをとっているのです。
犬の祖先はオオカミであるという説が現在でも濃厚ですが、このオオカミは遠吠えすることで仲間とコミュニケーションを図っていたと考えられています。そのため、オオカミが祖先だと考えると、何ら不思議な行動ではないのです。
しかし、時々救急車などのサイレンの音が聞こえ、反射的に反応してしまうこともあります。「他の犬の鳴き声は聞こえないけど…」という時は、他の大きな音が聞こえないか耳をすましてみましょう。
2.溜まっているストレスを発散
遠吠えを含め、吠えるという行為は犬にとってごく自然な行為です。元々本能的に持っている習性の1つですので、普段は良い子にしている犬も、実際は吠えたいという欲求を持っていることは珍しくありません。
しかし、そこは飼い主の手腕にかかっています。例えば、たっぷり運動をさせたり、おもちゃで遊んだり、適量の散歩を行っている場合は、運動不足は解消され、ストレスが溜まり続けるということも、あまりありません。
ですが、運動量が足りず、尚且つあまり構ってもらえないなどストレスが溜まってしまうと、遠吠えをすることでストレスを解消しようとします。遠吠えをして、本能的欲求を満たしているのです。
3.「誰か来る!」警戒心を剥き出しにしている
犬は人間よりも遥かに優れた聴力を持っています。そのため、私たち飼い主には聞こえていない外の音も、犬はしっかりキャッチしているのです。
家のすぐ前や家の門が開く音がすると、「誰か来た」「不審者ではないか」と警戒心が上がり、遠吠えのような吠え方をし、警戒することがあります。
4.寂しさから飼い主を呼んでいる
「行ってくるね」と飼い主が外出すると、寂しいと感じる犬がほとんどです。しかし、犬の中でも反応には個性が見えます。大人しく見送る犬もいれば、「嫌だ~」と言うように甘えてくる犬など、性格が見えやすい場面でもあります。
玄関を出た後、家の中から愛犬の遠吠えが聞こえるというご家庭もあり、これは「寂しいよ~」「帰ってきてよ~」と飼い主に対し呼びかけています。
この行動は子犬期によく見られる行動ですが、成犬になってもこのような行動が続いたり、さらに問題行動が加わるようであれば、分離不安症を疑うべきでしょう。
老犬の場合は認知症も疑って
シニア期に入ってから遠吠えが始まったという場合は、様々な要因が考えられます。例えば、年老いて心細くなり、甘えんぼうになってしまうという犬も珍しくありません。
しかし、突然遠吠えを始め、他にもふらふらと徘徊したり、呼びかけに反応しなくなるなどの違和感を感じる場合は、認知症の可能性があります。一度獣医さんに相談し、今後の対応や進行を防ぐ方法を考えるべきでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょう。遠吠えは、一種のコミュニケーションです。そのため、何の意味もなく遠吠えしているわけではありません。なぜ愛犬が遠吠えをするようになったのか、なぜしているのか、その原因を考え、無闇に怒ったりせず、正しい対処を心掛けましょう。