犬に「おいで」というと逃げられる理由3つ

犬に「おいで」というと逃げられる理由3つ

愛犬を呼び戻したい時「おいで」と呼んでも来てくれないことがありませんか?こちらへ来ないどころか、逃げられてしまうこともあると思います。犬に「おいで」と声をかけ、逃げられてしまうのには理由があります。犬に「おいで」というと逃げられる理由をご紹介していきます。

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記事の監修

犬の気持ちは行動に現れる。知っていますか?犬が顔を左に向けた時にはストレスを受けている可能性があることを。犬は様々な方法で人に気持ちや考えを伝えているのです。それを受け止めてアドバイスとして活かすことを仕事としております。様々な専門の知識と20,000時間以上の教育実績があなたとその愛犬の生活を助けて豊かに導きます。

「おいで」は愛犬の安全を守るために大切なしつけ

走ってくる犬

「おいで」は、愛犬へのしつけのひとつになります。飼い主さんが、声をかけて呼ぶことで上手に飼い主さんのもとに駆けつけてくれたら成功です。皆さんの愛犬は「おいで」が上手に出来ますか?なかには声をかけても無視する子、飼い主さんを直視して動かなくなる子、そして逃げてしまう子など様々なのではないでしょうか?

この「おいで」のしつけは、ご自宅内ではちょっとしたイタズラ防止に役立ちますし、お散歩中は外の世界の危険から愛犬を守るために重要なしつけになるので、ぜひ覚えてほしいしつけのひとつです。

例えば、お散歩中に不意にリードの金具が外れてしまい、道路に飛び出しそうになる犬を呼び戻すことが出来ます。またノーリードで過ごすドッグランで、他の犬とのトラブルを防止するためにも必ず必要になるしつけです。「おいで」は愛犬の身の安全を守るため大切なしつけになっています。「おいで」と声をかけると逃げてしまう理由を探り「おいで」の練習をあらためて頑張ってみましょう。

監修ドッグトレーナーによる補足

迷子について環境省が発表したデータを見てみると、2017年度に保健所や動物愛護センターに引き取られた所有者不明(迷子や所有者のいないもの)の犬の数は約3万4400頭にも上ります。この数を見てどう思いますか?犬の数で考えるとピンしにくいかもしれません。人間の数と比べてみましょう。

警察庁が発表したデータによると2017年度の人間の行方不明者は約8万2000人。犬の数と人口を比べると犬の所有者不明は人間の行方不明者よりも7倍近く多い数字がはじき出されます。

おいでですべてが解決するとは言い決まれませんが、少なくともいくらからの不幸は未然に防ぐ手立てとなります。悲しい事件を防ぐためにもおいでを学んでいきましょう。

犬に「おいで」というと逃げられる理由3つ

草原で走って逃げる犬の後ろ姿

1. 愛犬にとって嫌な経験があった

飼い主さんが笑顔で「おいで」と呼んでいるのを見て、ワクワクしながら駆け寄っていくと、急に捕まえられて叱られてた…。そんな経験がある犬は「おいで」=「嫌なことが起こる」と学習している可能性があります。犬にとっての嫌なことは個体によって様々ですが、愛犬の嫌がることは何なのか把握できてますか?

  • 爪を切られた
  • ハウスに入れられた
  • シャンプーのために捕まえられた
  • 遊んでいたオモチャなどを取り上げられた
  • 叱られた

上記は犬の嫌がることのごく一部で、もちろん個体により、これらを嫌がらない子もいます。「おいで」のコマンドで、愛犬自身が苦手なことや嫌いなことを経験させてしまった過去がある場合「おいで」の一言で逃げてしまう犬もいます。

2. 他に興味を持っているものがある時

犬は何かに対して強い興味を持っている時にも「おいで」の指示で逃げることがあります。ご自宅内であれば、お気に入りのオモチャで興奮気味に遊んでいる時に「取られたくない!」と感じ逃げることがあるかも。また、イタズラしたい対象の物が目の前にある時なども逃げやすいと思います。

我が家の愛犬は、私が不意に落してしまったティッシュなど、飼い主としては口にしてほしくないものを口にした時に「おいで」と呼ぶと逃げ回ります。ティッシュの何がそんなに魅力的なのか分かりませんが、飲み込まれると困るのでオヤツと交換で引き渡してもらっています。

3. 追いかけてくれるのを待っている

「おいで」のしつけの最中、なかなか来てくれない愛犬を、追いかけたことはありませんか?こちらも過去からの学習で「おいで」=「追いかけてくれる」と間違って学んでしまったのかもしれません。愛犬にとって「おいで」の指示は楽しい追いかけっこが始まる遊びのサインになっている可能性も。悪気なくルンルンしながら楽しい気持ちで逃げているのかもしれませんね。

監修ドッグトレーナーによる補足

爪切りやシャンプーが苦手な愛犬を捕まえる時はどうすればよいと思いますか?まさか愛犬自ら観念するまで待つ!というのは現実的ではありません。

でも呼んで捕まえてしまうとどうなるかというと、おいでと呼ばれると来なくなってしまいかねません。解決策は下記に続きますので読み進めてみましょう。

「おいで」の教え方

飼い主さんのもとへ駆け寄るパグ

「おいで」を間違って学んでしまった子は、今一度、根気よくトレーニングしましょう。「おいで」と呼ばれ飼い主さんのもとに行くと「良いことが起こる」と学習してもらいます。

最初は室内で

まずは落ち着ける室内からトレーニングを開始します。少し離れた場所から「おいで」と呼び、少しでも近くに来たらしっかり褒めてあげてください。そもそも逃げてしまうタイプの子は、飼い主さんにあまり注目していない可能性があるので、最初のうちはコマンドで指示を出す時、オヤツを使用するのも有効です。愛犬が大好きなオヤツを見せながら声をかけてください。この際も少しでも近寄ってきたらオヤツを与えながらしっかりと褒めましょう。

監修ドッグトレーナーによる補足

この時に是非とも覚えていただきたいポイントがあります。それは「少しでも近くに来たらほめる」です!これがどういうことか解説します。

愛犬が1歩でも飼い主さんへ近づいたたらほめてもいいんです。たったそれだけでもほめてごほうびをあげて成長させてあげましょう。

飼い主さんの手元へ来ることだけがほめるポイントではありません。おいでが苦手な犬は手元まで寄って来るのが難しいです。ですのでそんなケースならば1歩でも寄って来たらしっかりとほめてあげましょう。

オヤツの回数を減らしていく

「おいで」の声がけと「オヤツがもらえる」をセットで覚えてもらうのですが、ドッグランなど広い場所や、距離が離れている時は愛犬からオヤツが確認できません。最終的には「おいで」のコマンドだけで呼び戻せるようになるが目標です。何度か成功するうちの数回はオヤツを与えず、大げさなくらい気持ちを込めて、豊かな表情で褒めてあげる事で愛犬も喜んでくれるはずです。

少しずつ難易度を上げる

室内のトレーニングする時も愛犬が落ち着いている時、オモチャで遊んでいる時、興奮している時など様々な状態の時に試して見ましょう。落ち着いている時はもちろんトレーニングしやすいですが、興味の対象がある時や興奮している時は難易度が上がるので焦らずに少しずつ練習してください。

外でもトレーニングしてみましょう

室内で「おいで」が上手に出来るようになったら次は外でもトレーニングしてみましょう。室内よりも刺激や誘惑が多いので難易度はグッと上がります。トレーニングの内容は室内の時と同じですが、まずはリードをしっかりつけて、リードで繋がっている範囲内で行います。最初は人気の少ない場所から初めて、徐々に賑やかな公園などに場所を移していきます。

人の多い公園でも上手に「おいで」が出来るようになったらドッグランで練習してみましょう。初めてドッグランで練習する時は、愛犬が集中しやすいように混雑時は避けたほうが無難です。可能であれば平日が良いかもしれません。最終的に賑やかなドッグランで、上手に「おいで」が出来るようになると大成功です。

まとめ

おいでと呼ばれる犬

しつけに関しては、愛犬の安全を守るために覚えてもらう事もとても多く「おいで」もそのひとつになります。特にドッグランでたくさん遊ばせたいと考えている飼い主さんとワンちゃんには、必須のしつけで周囲に迷惑をかけないためにも重要になってきます。信頼関係が築けている飼い主さんとワンちゃんであれば、楽しみながらトレーニングできると思うのでぜひ頑張ってください。

監修ドッグトレーナーによる補足

私のしつけ教室でも「おいで」は最大限大切にして伝えているしつけになります。なぜかといいますとおいでを教えることで愛犬の身を守る手段にも繋がりますし、飼い主さんのそばにいる安心感や、飼い主さんの元へ喜んで駆け寄る喜びも教えることが出来るんですね。

犬との暮らしにおいて「おいで」は欠かせないしつけになるでしょう。

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