言うことを聞かせるためには
1. 一貫性のあるしつけ
子犬の場合も成犬の場合も、一度言うことを聞かなくなってしまった犬に、またいい子になってもらうには、根気強く一貫性のある姿勢でしつけを行うことが大切です。いけない行動をした際にも、叱るという行為より、無視をして反応を見せないほうが修正に効果が高いと言われています。
例えば無駄吠えであれば、飼い主が叱ったり声をかけたりする反応をすると、それが犬にとっての報酬となってしまうため、無視をして吠えなくなったタイミングですかさず褒めるなど、「良い行動をした時に飼い主の反応が得られる」と教えてあげるようにしましょう。
2. ストレス発散
また、反抗的な態度や問題行動には犬たちのストレスが深くかかわっていることが多いので、十分な運動とスキンシップ、愛情表現などで犬のストレスを発散していくことも重要でしょう。一貫した態度と深い愛情表現で、根気よく犬と付き合っていくことが、問題行動改善には一番なんですね。
言うことを聞かない時期
子犬たちは人間の言葉はわかりません。その時期にはいくら言葉で言うことを聞かせようとしても、全くと言っていいほど効果がありませんね。生まれてからの数か月間は犬たちにとっても社会化時期ですし、学習が盛んな時期なのでタイミングよく、根気よく、言葉と行動でしつけをしていく時期といえるでしょう。
この時期にちゃんとお互いの信頼関係を結んでおくと、後々になって「いうことを聞かない!」ということが少ないと思います。しかし、どんなにしつけを熱心に行っていても、とある時期に差し掛かると子犬たちは言うことを聞いたり聞かなかったり、気まぐれを起こすことが多くなります。それが「反抗期」です。
監修ドッグトレーナーによる補足
言うことを聞かないからと言って飼い主さんを嫌いになったり、今まで覚えてきたことを忘れてしまったのではありません。犬には精神の成長段階があり、自分自身について考えるようになるんです。
犬自身の考えと飼い主さんの考えの両方を頭の中で融合させようとする。そんな時期が「反抗期」と呼ばれてもいます。
人からすれば言うことを聞いてもらいにくい大変な時期ですが、愛犬にとっては子犬から成犬に成長しようとしている大切な時期となるんですね。
反抗期の時期
この反抗期ですが、小型犬でおよそ生後7か月前後、大型犬で10か月前後でやってくるといわれています。この時期は自立心も芽生えてくるのか、飼い主の言うことを無視したりおもちゃに手を伸ばすと歯を剥いたり、盛んに吠えたりといった飼い主にとっての問題行動が目立つようになります。
また、この反抗期を過ぎて成犬になった後も、飼い主の態度が一貫していなかったり、我儘を放置するなどすると、犬も気まぐれに言うことを聞いたり、聞かなかったりするようになってしまいます。困ってしまうのはこの「成犬になって言うことを聞かなくなった時」ではないでしょうか。
言うことを聞かない理由
子犬の場合
人間の子どもと同じように犬たちにも成長に応じて自我が芽生え、自己主張をするようになります。その際、飼い主が自分のやりたいことではないコマンドや命令をすると「やりたくない」と反抗したり、あるいは自分の要求を通そうという行動をとるのです。
成犬の場合
ある程度成長し、しつけができている犬でも、場合によっては人の言うことを聞かなくなります。この大きな原因は、人間の側の一貫しない態度による信頼感の低下です。
飼い主の気分によってコマンドの言い方が違う、褒めるタイミングや叱るタイミングがまちまちである、同じ行動も許されたり許されなかったり一貫性がないことなどが続くと、犬も混乱をしてしまいます。その結果、犬達は飼い主の言うことを知らんぷりしたり、コマンドと違うことをしたりするようになるのです。
いずれの場合も放置することで、なおさら言うことを聞かなくなり、飼い主と自分の立場をひっくり返して勘違いするようになってしまいます。こうなると人間側も困ってしまいますが、犬たちにとっても「群れのリーダーである」という強いストレスがかかり、問題行動を余計にこじらせる原因となってしまうので注意が必要です。
まとめ
犬も生き物なので、その日の体調やその時の気分で、人の言うことを聞きたくないときもあるのも当然なのでしょう。修正の方法も反抗の原因によって異なることも多いと思いますが、小手先のテクニックでどうこうしようとせず、愛犬との信頼関係回復に重点を置いていくと、お互いのきずなが深まってよい結果になると思います。
監修ドッグトレーナーによる補足
愛犬が言うことを聞かない場合には何かしらの理由があることがほとんどです。
外から気になる音が聞こえたり、普段と違うコマンドを使っていたり、反抗期だったり。愛犬達は人の言うことを言葉だけで捉えていません。いつもお利口に出来ているならば、できる限りその環境を再現してあげる必要があります。
いつもの時間帯、いつもの口調、いつもの動作も試みると良い結果が得られるかもしれませんね。