私が犬のしつけを学びだしてから20年近くが経過しましたが、しつけの研究はみるみる進歩しています。昔では当たり前に伝えられていたことが、今では間違っていたなんて事例もたくさんあります。新しい情報だってあります。
ここで間違った過去とは別れを告げて、新しく正しい知識をたくさん学んでいきましょう。そして学んだことは愛犬に伝えてこそ生きてきますよ。
これはNG!間違った犬への対応10個
犬を飼っている人のほとんどが、つい間違った対応をしてしまっています。犬にとって不適切な対応をすると信頼関係が崩れてしまったり、言うことを聞かなくなることも・・・。ここでは、間違った犬への対応10個をご紹介していきます!
1.体罰をする
犬も人間と同じく、体罰を受けることで心と体に傷を負います。飼い主に対して恐怖心を持ち、中には身を守るために反撃する犬もいるので体罰は絶対にNGです。
2.好きなだけご飯を与える
当然ですが、犬が欲しがるだけご飯を与えてはいけません。それだけではなく、人間の食事を欲しがっても意を決して与えないようにしましょう。
3.呼んだあとに嫌いなことをしてしまう
飼い主さんに呼ばれた犬は喜んで来ますよね。それなのに、嫌いなお風呂に入れられたりしたら、次から呼んでも来なくなってしまいます。呼び声に従ってくれたらまずはしっかり褒めましょう。
4.愛犬が他人に飛びついても止めない
万が一を考えて、愛犬が他人に飛びつかせないよう距離を置いてください。犬好きの人が近寄っても事情を伝えて落ち着くまで無視し、飛びつき癖をしっかり直すような対応を取っていきましょう。
5.トイレトレーニングに失敗した時に叱る
トイレトレーニング中に愛犬がそそをした時に叱ってしまうのは逆効果。覚えるまで根気よく教えて、成功したら褒めてください。
6.口をつかんで注意する
吠えグセを直す方法として「口をつかんで注意するといい」ということを信じている人がいますが、これは噛まれる危険があるのでNGです。口を触らせてくれなくなるのでやめましょう。
7.犬優先で散歩をさせる
引きずられるように散歩をしてはいけません。引っ張れば早く走れると覚えてしまいます。愛犬んが引っ張ったら立ち止まり、飼い主さんとアイコンタクトを取れるまで忍耐強く訓練しましょう。できる度にご褒美を与えたり、しっかり褒めてくださいね。
8.反省させるためにハウスに入れる
「ハウスは罰を与えられる場所」だと覚えさせてはいけません。犬にとってハウスは落ち着く場所だと覚えさせてください。
9.吠えている犬に構う
ワンワン吠えるのをやめさせようと、頭を撫でたり叱るのはNGです。本気で吠えグセを直すには無視するのが効果的です。辛抱強い対応が強いられますが、吠えずにじっと座っている姿を見るたびに褒めてみてください。
10.噛むたびに叱る
スリッパを噛んだりしていたずらするたびに叱るよりも、見つけたら「お座り!」と指示をして犬のおもちゃと交換しましょう。「噛んでいいものは犬のおもちゃ」と覚えさせる対応に切り替えてみてください。
監修ドッグトレーナーによる補足
いかがでしょうか?やっていないつもりでも、意外とやってしまっている行動というものが結構あるんです。
例えばリードの使い方。愛犬が散歩で引っ張ったり他の人や犬に飛びつこうとしてしまうシーン。この時に愛犬について行ってる方が結構見受けられます。しかし飼い主さん本人にはついて行ってる自覚はなかったりするんです。
今一度、自身の行動を他人に見てもらったり動画で記録したりして見返すのもいい手段となるでしょう。
正しい対応は?犬への3つの叱り方
いたずらやワンワン吠えるのをやめさせたい時には、どんな叱り方で対応すべきでしょうか。ここでは3つの叱り方をご紹介します。
大きな声でひと言
注意する時ははっきりと大きな声で「コラ!」「ダメ!」とひと言だけ叱ります。思わずビックリする声のトーンを出すのは大変かもしれません。愛犬が覚えてくれれば、たったひと言で察するようになります。
無視をする
犬をしつける時に最も効果的なのが無視をするという行為です。飼い主さんもつい気分的に叱ってしまうこともあるでしょう。でも、「無視しよう」と心に決めてしまった方がお互い良い関係が築けます。
叱った後はしっかり褒める
つい忘れがちなのが、叱った後は「もう怒ってないよ!」と褒めてください。さらに、何気ない時に愛犬がいい子にしていた時にも、大げさなほど褒めていきます。こんな対応を取っていけば「これは良いこと」「これは悪いこと」と覚えてくれますよ。
まとめ
犬への正しい対応について改めて考えてみると、叱り方にムラが出てしまう、つい犬を甘やかしてしまうこともありますよね。間違った犬への対応を続けてしまうのは、犬にとっていい環境ではなくなります。お互いの信頼関係のためにもこの機会に見直してみてくださいね。
監修ドッグトレーナーによる補足
学習成長は一筋縄ではいきません。いきなり思い描いた形がすぐには出来上がらないんですね。吠えるのを止めさせようとしても、いきなりゼロにするのは現実的ではないんです。
1秒間隔で吠えている犬がいたとしましょう。何かしらの方法で、吠える間隔が1.5秒になったとしたらそれは正しく成長できています。だから吠えるのをやめたとき以外でも、ほめる必要があるんですね。我慢できた時間をほめる感覚が必要になってきます。そして吠える感覚を少しずつ伸ばしていく。その成長の先に「犬が吠えにくくなる」という成果が得られます。
いきなりの完成を求めるのではなく、少しの成長に気が付ついて、ほめることがコツとなる訳ですね。