犬のボディランゲージ
犬は様々なボディランゲージを持っており、体のいろいろな部位を使ってそのときの気持ちを他者へ伝えようとします。有名なところではカーミングシグナルがあるでしょうか。
犬たちはお互い無用な争いを避けるためにボディランゲージを利用し、敵意がないことを示そうとします。あくびをしたり鼻先をなめたりするのは、自分の緊張をほぐしつつ相手の警戒心を解くための仕草のひとつです。目線をそらす、グルーミングをするなども自分を落ち着けるための仕草といわれています。
その他にも、犬たちは小さな表情で様々な気持ちを伝えてくれます。例えば目の表情ひとつとっても、見開いて凝視しているならば威嚇や警戒、白目まで剥いているようなら恐怖や不快、やや細めていれば落ち着いて友好的な気持ちを表しているなど、バリエーションに富んでいます。
また耳の向きでも快・不快を表現しますし、細かいところでは首筋の毛を起こしたり寝かせたりといった部分でさえ他者とのコミュニケーションに使うのです。
散歩に行きたい!という仕草
人間に飼育されている犬たちは、人間の表情やしぐさを見て生活しているので野生の動物に比べて顔の表情が豊かといわれています。特に喜びの表現をする、楽しい気持ちを表す方法がとても上手です。そんな犬たちの、「お散歩に行きたい!」という気持ちが表れている仕草をいくつか段階を追ってみてみましょう。
レベル1:目線を送る
犬たちは人間の様子を細かく観察しています。このお仕事が終わったらごはん、この行動が終わったら散歩、というふうに流れができている動きであればなおさらです。そのとき犬たちの様子をよく見てみると、彼らは人間と玄関(または自分のお散歩リード)へ交互に目線を走らせます。飼い主の足がそっちに向かうのを、今か今かと待ちながらもまだ敢えて行動に出さずにじっと我慢しています。
レベル2:そわそわする
さて、犬たちが予想する「お散歩時間」に近づくと彼らは目線だけで訴えるのをやめます。というより、目線だけの表現では我慢できなくなり、そわそわと人間の後をついて歩くようになります。後ろからついて歩いてみたり、前に回り込んでみたり、あるいはちょっとドアの近くまで駆け寄ってみたり。そわそわと動き回りながら、目をキラキラさせて人間の顔を期待いっぱいの表情で見上げたりします。
そのときの犬たちの口角は、不思議なことに人間の笑顔のように持ち上がっているんです。動物は笑顔を作れないといわれていますが、おそらく犬たちは人間の嬉しいときの顔=「笑顔」を学習して模倣できているのだと思います。
この動きをしているときに人間が椅子に座ったり、別の仕事を始めたりするとちょっとあきらめて足元で伏せるタイプの犬と、早く早くと走り回ってせかすタイプの犬がいるのが面白いですね。大体の場合この時点で飼い主が気づき、お散歩に行ける場合が多いのですがちょっと手が離せない仕事ができたり、うっかり散歩のタイミングを忘れていたりすると犬たちの動きは次のレベルへと進みます。
レベル3:跳ねる
飼い主の動きをじっと見守っている犬たちですが、早くお散歩に行きたいボルテージが高まっていくと伏せて待っていることができなくなってきます。徐々に後追いが激しくなり、人の前に回り込んでは遊びを誘うポーズをとってみたり、あるいは前足だけぴょんぴょんと跳ねさせてみたり、小型犬の場合は全身で跳ねまわったりして自分の気持ちを一生懸命伝えようとします。
気持ちが高ぶりすぎて、この時点で要求吠えをしてしまう子もいるでしょう。また飼い主の服を引っ張って玄関に連れて行こうとする子もいます。この頃になると犬にとっては「もう辛抱たまらん!」という状態ですので、もともと興奮しやすい子の場合は行動が制御しきれなくなる前に、是非お散歩に行ってあげてください。
まとめ
犬たちの「お散歩に行きたい」仕草ですが、皆さんのお家のワンちゃんはいかがですか?きっとここに挙げたもの以外にも、我が家の犬はこう!という動きやしぐさがあると思います。わくわくしている表情はかわいくてずっと見ていたくなるものですが、あまり焦らさず、いいタイミングでお散歩に行ってあげてくださいね。