犬の表情は豊かになった
オオカミからイエイヌへ
人間と犬が出会ったのは、まだ犬がオオカミだった遠い昔です。人間とオオカミが徐々に生活を共にするようになり、より人間社会に順応していくように進化したオオカミが現在のイエイヌに分岐しました。
顔の筋肉が変化し、豊かになった表情
野生のオオカミから家畜化された犬となっていったわけですが、その進化の過程で犬の顔面の筋肉、特に目の周りの筋肉が変化していったことが分かりました。目の周りの筋肉が変化したことで犬はより表情が豊かになり、より一層人間とのコミュニケーションを図りやすくなりました。
共通した表情
しかも、犬は人間と共通するような表情を獲得したのです。目や眉の表情というのは人間にとって最も重要な表情とも言えます。「目は口程に物を言う」なんてことわざがあるくらい、目の表情はさまざまな感情を表します。人間と犬がこれほど強いパートナーシップを築けるのは、犬が人間と共通した表情を獲得したからとも言えます。
目がキラキラしている
犬の目が穏やかにキラキラしている時は
- 「好きだよ」
- 「リラックスしているよ」
という心理のことが多いです。
犬の瞳孔は、興奮した時、集中している時、怒っている時などに大きく開きます。反対に、心が穏やかな時は通常の大きさなので、目が優しくキラキラしているような印象になります。アクティブな遊びでハッスルしている時には瞳孔が開くことも多く、より目力が強くなります。
目を穏やかに細めている
犬が目を細めるのは、気持ちが良くてウットリしているイメージです。
- 「満足しているよ」
- 「リラックスしているよ」
- 「気持ちが良いなぁ」
というような心理のことが多いです。
犬にとって「相手の目をじっと見つめる」という行為は敵意の表われでもあります。好きな相手には直視しないようにまばたきをしたり、視線を逸らしたりします。このことからも、犬が穏やかに目を細めるのはポジティブな気分によるものと言えます。
笑っているような口元
人間のほほえみのような表情の時も、
- 「リラックスしているよ」
- 「気持ちが良いなぁ」
- 「満足しているよ」
というように、犬の心が穏やかである表われです。
口元が少し緩んで口が開き、下の歯も見えているような場合はより犬がリラックスしている表われです。
はじける笑顔
口角がとても上がっていて大きく口を開いた笑顔のような表情は
- 「遊ぼう!」
- 「楽しい!」
- 「ワクワクする!」
などのポジティブな感情を表します。このような時の体の様子は、今にもじゃれついてくるかのように少し緊張感があります。
キュルンとした目
眉の上をグッと引き上げて目をぱっちり開いているかのような表情を「パピードッグアイ(子犬の目)」と言います。子犬のようにカワイイ目をすることで飼い主さんに
- 「もっと可愛がって♡」
- 「もっとかまって♡」
- 「それちょーだい!」
とおねだりしているのです。あざとカワイイですね!
耳がピン!っと立っている
積極的な気分の時や自信がある時、犬の耳はピンッと立っています。
- 「楽しいな!」
- 「遊ぼう!」
- 「ワクワクする!」
というような気分です。
まとめ
犬は時々、人間のような表情をする時がありますよね!特に笑顔のような嬉しそうな表情や、気持ち良くてウットリしているかのような表情にはとても癒されます。オオカミからイエイヌへと進化する過程で犬の表情は豊かになり、人間と分かり合える表情を獲得したことが今の犬と人間の強いパートナーシップに繋がっているのですね。一言で「嬉しそうな表情」と言っても、目の印象や耳の様子、口元や体の緊張感といったところに心理状態のニュアンスの違いが出ます。みなさんもぜひ愛犬の心理を探ってみてくださいね!