「飛びつき」は犬の感情表現
犬の飛びつきは生後2~3ヶ月の子犬の頃から見られます。犬は言葉によるコミュニケーションの代わりにボディランゲージで犬同士のコミュニケーションを行う動物ですが、この「飛びつき」もまた犬の感情表現の1つです。ですので、犬が他人に飛びつく時にはその人に伝えたいことがあるのです。
嬉しくて大興奮!
犬が他人に飛びつく心理の1つに、その人に会えて嬉しいという感情があります。飼い主さん以外でもその人が大好きなので、その人に会えた嬉しさが爆発して飛びつく場合があります。言葉を使わない分、感情が爆発した時には大きな行動として表れるのかもしれません。
それ、ちょうだい!
その人がおいしそうな食べ物を持っていたり、何か興味深い物を持っていた時「それ、ちょうだい!」というおねだりとして飛びついている場合があります。特に食べ物の場合に犬はもうアピールをしておねだりをしますので、飛びつくという大きな行動で感情表現をしていることがあります。
わがままな子にしないために
犬が「飛びつくと要求が通る」と認識してしまうと、要求が通るまで執拗に飛びつく癖が付いてしまう恐れがあります。わがままな子にしないためにも、「おすわり」や「マテ」などの号令に従うトレーニングをしっかり行っていきましょう。
「おすわり」「マテ」で落ち着かせよう
人間の食べ物の場合には与えると健康上良くないことが多いため、代わりに犬のおやつやドライフードなどを用意して「おすわり」「マテ」などの号令で落ち着かせてからそれらを与えましょう。
抱っこして!
特に小型犬は日常的に慣れているため、抱っこされるのを好む子が多くいます。ぴょんぴょんと飛びついて「抱っこして!かまって!」と甘えている場合にも飛びつきが見られることがあります。もしかしたら過去に「飛びつきをしたら抱っこしてもらえた」という経験があるのかもしれません。
「ぴょんぴょん」は注意が必要
小型犬は足の関節や腰に負担がかかりすぎる恐れがあるため、後ろ足だけでぴょんぴょんとジャンプするのは控えさせた方が良いでしょう。コーギーやダックスフンドなど特殊な骨格の子やシニア犬についても同様に注意してあげましょう。
近付くな!怒るぞ!
犬の「飛びつき」は喜びの感情だけでなく、攻撃的な感情の表われとして行う場合があることに注意が必要です。歯をむき出しにして唸っていたり、噛み付こうとする様子が見られた場合は大変危険です。
プロによるトレーニング
攻撃的な行動が見られる子の場合にはしつけのトレーニングが必要ですが、飼い主さんお一人ではなかなか難しいかもしれません。この場合にはプロのドッグトレーナーによる正しいトレーニングを受けた方が安心です。
飼い主さんとの関係性も見直そう
犬が興奮状態になった時、飼い主さんの「おすわり」や「マテ」などの号令が聞けなくなってしまう場合には、今一度飼い主さんと愛犬との信頼関係が良好かどうかを見直しましょう。犬は賢いとはいえ動物ですので、飼い主さんが一貫した態度で接しないと信頼を得られません。この点についてもドッグトレーナーにアドバイスをもらうと良いでしょう。
犬は飛びつく動物である
本来、犬にとって「飛びつき」はとても自然な行動です。ただ、人間社会の中で一緒に生きていく中で、時にそのような自然な行動を抑えてもらう必要が出てきます。しかし、犬は動物ですので、人間のようにTPOを理解することのような高度なことは難しいのです。「飼い主には良いけど、知らない人の場合はダメよ」と言っても理解できないのです。飼い主さんが犬に一貫した態度で接することで初めて、犬は「飼い主さんがしてほしくないこと」を理解することができます。
「飛びつき」を許可する号令を覚える
嬉しい時や遊ぶ時の飛びつきまでも制限してしまうと、犬の豊かな感情表現の1つが制限されてしまうことになります。ですので、例えば「飼い主が膝を叩く=飛びついて良い」というように、「飛びつきを許可する号令」を犬に覚えてもらうトレーニングをすることで、飼い主さん主導で犬の飛びつきをコントロールしてあげることができます。
無視する
わがままによる犬の飛びつきを止めさせるには無視することも有効です。犬が飛びつきを止めて落ち着くまで無視をして、犬が号令を聞けるようになってから改めて接してあげると良いでしょう。
「おすわり」「マテ」をマスターしておく
何より「おすわり」や「マテ」など、犬の行動をコントロールする号令をマスターしておくことが一番重要です。犬がどんな心理状態でも飼い主さんの号令を聞けるようにしておくことで、例えば脱走してしまった時や他人に飛びつこうとした時にも危険を未然に防ぐことができるためです。これらは全て、飼い主さんと犬の良好な信頼関係によってマスターできることを忘れずにいてください。
まとめ
今回は犬が他人に飛びつく心理を4つご紹介しました。嬉しさのあまりに他人にも飛びついてしまうことも多くありますが、相手が子供やお年寄りであった場合は転倒によるケガの危険もあるため、飼い主さんが犬の気持ちを読み取った上で号令によってコントロールしてあげる必要があります。攻撃的な一面を持った子にはプロのドッグトレーナーの力も借りつつ、一緒にトレーニングを頑張っていきましょう。しかし、そもそも犬は飛びつく動物であることを忘れずに、どうやって人間社会の中でお互いが快適に暮らしていけるのかを考えてあげたいですね。