犬が目薬を嫌がる心理①「正面から目を見つめられるのが嫌だから」
犬は、正面から目をジッと見つめられることが苦手です。たとえ、相手が飼い主さんであっても嫌がります。犬の正面から目をジッと見つめるという行為は、相手に対する敵意を表わすことになります。
目薬をさすとき、犬の目をよく見なければなりません。そのため、正面から目薬をさそうとすると、敵意・挑発・攻撃などの印象を与えてしまい、犬は逃げ出したくなってしまいます。不安や緊張から身動きができなくなってしまい、大人しく目薬をさすことができる犬もいるでしょうし、飼い主さんに反抗することできる犬であれば、噛みついたり、暴れたり、走って逃げてしまう犬もいるでしょう。
対処法
「犬の正面から目薬をささないこと」が大きなポイントです。よくやりがちですし、たしかに、正面から見た方が、犬の目をよく見ることができ、目薬もさしやすいと思います。しかし、それを嫌がる場合には、正面から目をジッと見つめられることが苦手なのだと思います。
犬が目薬を嫌がる心理②「容器が怖いから」
目薬が入っている容器に対して、不安や恐怖を感じ、嫌がることがあります。犬に“これは目薬だよ”と言ってもわからないですよね。得体の知れない容器を持って、飼い主さんが近づいて来て、自分に何かしようとしている。それが何なのか理解することができず、怖くて逃げだしてしまうのです。
対処法
目薬が入っている容器を手に持って、犬にニオイを嗅がせるなどし、よく見せてあげましょう。無理やり近づけるのではなく、犬が自分から寄って来て、ニオイを嗅ぐなど確認する様子をみせることが重要です。“これは危険なものではない”ということを理解してもらうことができれば、容器を怖がることはなくなるはずです。
ただ、必ず、飼い主さんが手に持って行ってください。犬が容器を口に入れてしまわないよう、誤飲してしまわないよう、十分に注意しましょう。
犬が目薬を嫌がる心理③「冷たいものが目に入ってくるから」
冷たい目薬が急に目に入ってきたら、犬は怖がってしまいます。目をギュッと閉じる程度の犬もいるでしょうし、驚いて逃げ出してしまう犬もいるでしょう。
対処法
目薬には、冷蔵保存をしなければならないものと、常温での保存が可能なものがあります。冷蔵保存をしなければならない目薬は、とっても冷たいです。獣医さんに相談し、可能であれば、常温保存することができる目薬を処方してもらってください。
犬が目薬を嫌がる心理④「マズルや顔を触られるのが嫌だから」
犬のマズルや顔を手で固定し、目薬をさすことになります。そのため、マズルを握られることや、顔を固定されることが苦手な犬は、その時点で嫌がってしまいます。
対処法
マズルや顔に触れるという行為は、目薬をさすとき以外にも必要になることがあります。普段から、マズルや顔に触れることを習慣にし、慣れさせておかなければなりません。しつけとして行うのではなく、スキンシップとして行うと、犬も嫌がることなく慣れてくれると思います。
嫌がらずに犬に目薬をさすためのコツ
- お座りや伏せをさせます。(飼い主さんの膝の上に正面を向いて座らせても良いです。)
- 飼い主さんは、犬の背後にスタンバイ。
- 犬の後ろからそっと手をまわし、犬のアゴやマズルを優しくおさえます。少し、上を向かせるようにすると、目薬をさしやすくなります。
- 目薬をさすときは、犬の目尻から垂らすようにします。
- 目薬をさしたら、しばらく上を向いた状態のまま待ちます。
- 目の周りに流れてしまった目薬は、ティッシュなどで優しく拭きとってあげます。
もし、犬が目薬の容器を見て嫌がるようであれば、犬に目薬の容器を見せないようにする、というのもポイントのひとつです。犬の目尻から目薬を垂らすことで、犬に目薬の容器を見えづらくすることができます。
まとめ
- 犬の正面から目をジッと見つめないこと
- 容器に慣れさせること
- 冷蔵保存よりも常温保存が可能な目薬が良い
- マズルや顔に触れることに慣れさせること
この4つが、上手に犬に目薬をさすためのポイントです。どうしても目薬を嫌がって手におえないときは、この4つの方法と、“嫌がらずに犬に目薬をさすためのコツ”でご紹介した方法を試してみてください。