犬のウンチが床に散らばるのはなぜか
歩きながらウンチをしているから
人間の子供さんにも、排便の際にいろいろな癖があるように、どうやら犬にも排便に関する癖があるようです。
例えば、ウンチをする際に執拗に地面のニオイを嗅ぐ、同じ場所をぐるぐる回る、それから歩きながらウンチをするなどの癖です。
歩きながらウンチをする癖のある犬の場合、トイレトレイを設置してもそこから移動しながらウンチをするので、ウンチが散らかってしまうことがあります。
トイレのトレーニングが不十分だから
飼い主さんが家にいる、いないに関わらず、家の中のどこでも好き勝手に排泄するのであれば、自分が排泄する場所を理解できていない可能性があります。
留守番中にトイレを失敗するのはなぜか?
では、飼い主さんが家にいるときには決められた場所できちんと排泄できるのに、飼い主さんが不在のときだけウンチを散らかす…と言う場合、どんな原因があるのでしょうか?
分離不安
分離不安とは、愛着のある人やモノから離れることで不安になる心理状態のことで、人間の子供にもみられる現象です。犬の場合は、特に飼い主さんとの距離が近く、我が子同然の愛情を注いでいる飼い主さんの愛犬に多い症状です。
無駄吠えや食糞、自分の足や尻尾を噛んで傷つけるなどの犬が起こす問題行動のうち、分離不安によって問題行動が起きる確率は、20~40%という研究結果もあります。
飼い主さんの外出中だけ、ウンチを散らかすのは分離不安による問題行動と言えます。
犬のウンチが散らばらないようにする対策
お留守番のときにフリーにしない
外出中、せまい檻や箱の中に入れて閉じ込めるのは可哀そう…と思われるかも知れません。けれども、犬は本来、狭く、暗い場所にいる方が精神的に安定する動物です。
最初は、狭いところに閉じ込められて「何事か!」と驚いて騒ぐかも知れませんが、上手にクレートトレーニングをして、「飼い主さんが外出しているときは、この中にいれば安全」と理解すれば、部屋の中でウンチをまき散らすことがなくなります。
基本的に、犬は自分の寝床を排泄物で汚すのが嫌な動物なので、お留守番に慣れれば、自分の寝床の中でうんちをすることはありません。
とはいえ、5時間以上、まるでカプセルホテルのような場所に閉じ込めっぱなしにすると、ウンチどころか、オシッコもできないので、体に負担がかかります。
犬をクレートなどに入れてお留守番させるときは、最大でも5時間程度ですむように、飼い主さんのスケジュールを調節しましょう。
食事と排泄のタイミングを見極める
もしも、どうしても5時間以上、愛犬を留守番させるのであれば、できるだけ快適に過ごせる小さな部屋や空間を用意しましょう。その中だけでなら、ウンチをまき散らしてもどうにか対処できるはずです。さらに、愛犬の食事と排泄のタイミングをしっかりと観察してみます。
ご飯を食べた後、すぐにウンチをしている、眠って起きたらウンチをする…というサイクルを飼い主さんが把握できれば、食事のタイミングや量を計ると同時に、排泄のタイミングを計ることもできます。
食事を与え、排泄を終えたらその処理をして外出する…というサイクルができれば、ウンチをまき散らすことも徐々に減ってくるはずです。
食事の内容を検討する
ウンチの状態を確認して、もしも固めだと感じたら、愛犬が歩きウンチをするのはウンチが固いことが原因かも知れません。
繊維質を増やしたり、水分を増やしたりして、状態の良いウンチを出すようにすれば、歩きウンチの悪癖を改善できることがあります。
トイレトレーニングを徹底的に行う
おうちの中でウンチをまき散らすから、というだけでなく、自分の排泄場所が理解できていないと、愛犬と一緒に旅行に行くこともできません。大抵の宿泊施設には「トイレの躾ができていること」という条件があるからです。
犬は、自分のテリトリーを決めて行動する動物ですから、飼い主さんが諦めなければ、必ず自分の排泄場所を理解します。気長に、でも確実にトイレトレーニングを続けましょう。
まとめ
犬と人間は、どんなに信頼しあっていても言葉で意思を交わすことはできません。その分、愛犬の問題行動は、愛犬が飼い主さんに何かを訴えたくて行う意思表示だと思います。
外出時にウンチをまき散らすのも、飼い主さんに向けて「寂しいからもっと家にいて」とか、「広いおうちで一人で待っていると不安だよ」と言った、愛犬からのメッセージかも知れません。
自分の手間を減らすためでなく、愛犬の気持ちに寄り添い、愛犬の体のリズムを観察して、対策を立てれば、「飼い主さんが外出していると犬のウンチが床に散らばっている」という問題行動も、改善できるのではないでしょうか。