犬の習性
ご存知の通り犬たちはもともと群れで生活をする動物です。強力なリーダーや親から生活のあれこれを学んで、群れの一員として成長していくのです。家庭犬となった現在も同様で、犬にとって家族は群れの仲間となります。家族の中のお父さん、お母さんなどがリーダーとなり、その指示に従うことで群れの一員として犬は成長していきます。
リーダーが信頼に値し愛情をもって犬に接する場合、犬たちの情緒は落ち着き平和的に暮らそうとするでしょう。逆にリーダー不在の家庭であったりリーダーが頼りなかったりする場合、犬は自分が群れのリーダーになろうとします。そうすると、犬は常に緊張を強いられてリラックスできず、攻撃的になったりわがままな行動をとったりし始めます。こうなってしまうと、人も犬もいい関係で生活することはできませんね。
人と犬が良い関係で生活するためには、ちゃんとしたリーダーとなり犬を安定させてあげる必要があるのです。だからこそ子犬を迎えるときにはきちんとしつけをし、社会化をさせてあげることが大事なんですね。
ライフスタイル
犬を迎えたいと思ったときは、まず自分たちのライフスタイルや住環境をよく考慮してみましょう。自分たちの暮らし方が犬と一緒に続けられるものなのか、どんな犬ならばその暮らし方に合うのか、あるいはどんな犬だとあきらめなければいけないのかなど、しっかりすり合わせしてください。
住環境
一軒家、ペット可のマンション、賃貸物件など住居は様々です。住んでいる土地も自然が豊かなのか都会なのか、公園やドッグランなどの運動スペースがあるのかどうか、車を持っているかどうかなどをよくチェックしましょう。
犬に割ける時間
犬がいる生活とは、自分たちの生活だけではなく犬たちにある程度の時間を使う必要が発生します。定時のご飯、お散歩、排せつの世話、しつけのトレーニング、遊びの付き合いのほか、室内犬ならば通常のお掃除以上に抜け毛の対応も必要ですし、彼らの住環境の掃除も発生します。ともすれば人間だけの生活の、数倍の時間がかかってしまうこともあるので注意が必要です。
また、お留守番の時間が長い生活が予測されるのであれば要注意です。群れで生活する犬たちは一人でいることが苦手な子が多いので、留守番をさせる生活になるようでしたら、週末や朝晩に濃密なコミュニケーションの時間が必要です。
家族の構成
夫婦二人だけ、子どもがいる、大人だけの世帯、老人がいる世帯、乳幼児がいる世帯など、家族構成も家庭によって様々です。同じ大人だけの世帯だったとしても、病気の人、アレルギー疾患がある人、体が不自由な人などもいるかもしれません。
家庭として犬が飼えるかどうか、好きや嫌いだけでなく体調にも注意して相談をしましょう。
共働きで犬は飼える?
結論から言えば、飼えなくはないといったところでしょうか。先述した通り犬は群れで生活するため、独りぼっちの時間が長いととてもストレスが溜まります。成犬で比較的温厚な、そして我慢強い犬種であれば、朝晩や休日のコミュニケーションが十分な場合、それほど心配なく飼育することができます。
しかし神経質な子、ちょっと臆病な子やわがままな子などでは、留守番のストレスが強くなりすぎると無駄吠えや破壊行動など、問題行動につながることが多いようです。また、子犬を引き取る時点で夫婦だけの共働きの生活である場合は、あまりお勧めできません。新しい生活を始めるにあたりリーダー不在の時間が長く情緒が安定しない、しつけをしにくい、適切な時期の社会化ができないなどの問題点があるからです。
まとめ
犬と一緒に生活をしたいと思うのは犬好きみんなの想いです。しかし飼いたい犬種が自分の生活にマッチするかどうかはしっかりと考慮しなければいけません。迎え入れてからこんなはずではなかったと後悔しないためにも、どうか衝動飼いだけは避けてくださいね。