犬にとって散歩とは
犬と飼い主にとって散歩は、時間を共有して楽しめるイベントの一つですよね。外の空気に触れたり、土や草のニオイを嗅いだり、地面を歩く感触を楽しんだり、様々な人や犬と触れ合ったりすることができます。そうすることで、一日のうちの大半を家の中で過ごす犬にとってはストレス解消や運動不足の改善が望めます。
最適な散歩コースとは?
犬は犬種や年齢、体の大きさなどによって必要な運動量が異なるため、必ずしも「長時間の散歩が必要」「たくさん運動させなきゃ」と考える必要はありません。特に小型犬は室内の運動量で十分足りる場合もあるので、毎日散歩に行かなくても大丈夫です。
しかし散歩は探索欲求を満たしたり、ストレス解消になったり、足を動かすことで筋肉が付いたり、犬にとって良い刺激がたくさん挙げられるので、なるべく外へ出かけるようにしましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
散歩コースを選ぶ際は、「個体差」についても考えてあげましょう。小型犬でもたくさんのお散歩を必要とする犬もいます。逆に大型犬で散歩をあまり必要としない犬もいます。この記事で説明させていただく内容は、あくまで一般例であり、あなたの愛犬に必ず当てはまるとは限りません。
愛犬がお散歩に出かけたがっているか、お散歩の最中は楽しそうかでお散歩の時間を決めてあげると間違いが少なくなりますよ。あなたの愛犬が楽しめるお散歩時間を見つけてあげましょう。
小型犬の場合
小型犬は、長時間の散歩や激しい運動は必要ありません。小型犬は足腰の骨が細く弱い子が多いので、長時間の散歩はかえって負担となってしまいます。1日1~2回、1回につき15~20分を目安に歩かせてあげましょう。
パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は激しい運動が苦手であるため、ハアハアなどの息遣いやパンティングがみられたら休憩をしたり、散歩を切り上げたりするなどの対策を行いましょう。
中型犬の場合
中型犬は活発な性格で運動を好む子が多くみられるため、最低30分の長めの散歩を心掛けましょう。1日1~2回、1回につき30~60分の散歩が必要です。またドッグランなどで中型犬同士、また自分より体格の大きい大型犬と一緒に走り回ることで、足腰を鍛える良い運動になるでしょう。
大型犬の場合
大型犬は、長時間の散歩や運動量が必要となります。1日1~2回、1回につき最低50分の散歩はしてあげたいですね。ドッグランで思いっきり走ったり、上り坂や下り坂、でこぼこの道、たまには山や海に出かけたりするのも良いでしょう。
散歩コースは変えた方がいいの?
飼い主さんの中には、「毎日同じ散歩コースで飽きてないかな?」「散歩コースは頻繁に変えるべきか?」と疑問に感じている方も多いでしょう。
結論から言うと、散歩コースは変えた方がいいです!その理由は、以下の3つが挙げられます。
探索欲求を満たすことができる
犬は散歩をすることで空気や草花、地面などのニオイを嗅ぎ、探索欲求を満たしています。家の中ではできないことを、外の世界で触れさせてあげましょう。しかし、毎日同じ散歩コースの場合、「毎日同じ景色で飽きたな」「たまには違うニオイを嗅ぎたい」と思っているかもしれません。
こうしたマンネリを解消するために、散歩コースを変えることで「初めて見る景色だ!」「初めて嗅ぐニオイだ!」と好奇心を刺激することができます。
縄張り意識を弱めることができる
犬はもともと集団で生活していたため、縄張り意識を強く持つ動物です。その習性は今も残っており、家はもちろん、散歩コースにおいても「ここは自分のテリトリー」「ここは自分が守らなきゃ」と防衛本能が働いてしまいます。
このような緊張状態では気持ちを休めることができず、飼い主さんとの楽しい散歩を楽しむことができません。
犬の縄張り意識や防衛本能は解消することは難しいので、分散させることがポイントです。散歩コースが変わる、つまり自分のテリトリーが広がることで警戒心や執着心が分散し、他の犬や人に対しての縄張り意識が薄まることが望めます。
認知症を予防することができる
前述でもご紹介した通り、散歩コースを変えることで好奇心が刺激されます。新しい場所へ行くことや初めて嗅ぐニオイを経験させること、飼い主へ意識を集中させることは、脳に良い刺激を与えます。老犬の場合、長時間の散歩は体の負担となってオススメできませんが、脳を使うことで散歩の満足度が向上し、ストレスも発散することができます。
まとめ
最適な散歩コースや、散歩コースを変えるメリット、散歩の重要さについてご紹介しました。犬は好奇心旺盛な動物なので、散歩コースを変えることで「今日はどこに行くのかな」とテンションが上がったり、初めて触れ合う道路の感触や草花への探索欲求が満たされたりすることが多くみられます。
しかし、初めて来る場所や初めて嗅ぐニオイによってストレスを感じる子もいます。その場から動かなくなったり、落ち着かない様子やストレスで吐いたりするような仕草がみられたら、散歩コースの変更は中止しましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
お散歩を楽しめるかどうかは、季節や気温といった時期的な要因が大きく関係してきます。夏の暑い日だとどうでしょうか?暑くて呼吸が苦しくなる、地面が高温になり肉球への負担が増す、そういった中だと歩くのは楽しくなさそうですね。そんなときはお散歩の時間帯を変更したり、散歩時間を短くしたりするなどの対処が必要です。
ほかにも雨が嫌いな犬だと、どうでしょうか?嫌いな雨のお散歩に無理して連れて行く必要があるか、と言えばNOです。愛犬が行きたがらなければお散歩へ行かなくとも大丈夫です。
ただしトイレを外でしかしない犬だと問題が生じます。そのときは雨粒があまり落ちない場所へと連れて行き、トイレをさせてあげましょう。