犬の社会化トレーニングでやってはいけないこと4つ

犬の社会化トレーニングでやってはいけないこと4つ

人間社会を生き抜く愛犬のために「犬の社会化トレーニングでやってはいけないこと」をまとめてみました。飼い主さんの間違った行為が、愛犬を苦しめてしまわないよう、改めて一緒に考えてみませんか。

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記事の監修

犬の気持ちは行動に現れる。知っていますか?犬が顔を左に向けた時にはストレスを受けている可能性があることを。犬は様々な方法で人に気持ちや考えを伝えているのです。それを受け止めてアドバイスとして活かすことを仕事としております。様々な専門の知識と20,000時間以上の教育実績があなたとその愛犬の生活を助けて豊かに導きます。

犬の社会化トレーニングとは何か

床に伏せて眠っているポメラニアン

1.環境に慣れさせること

  • お散歩するコースになれさせる
  • 車に乗ることに慣れさせる(病院へ行くためなど)

2.人に慣れさせること

  • 飼い主さんや家族以外の人に慣れさせる
  • かかりつけの病院の獣医さんやスタッフさんに慣れさせる
  • トリミングサロンのトリマーさんやスタッフさんに慣れさせる

3.他の犬に慣れさせること

  • 他の犬との触れ合いに慣れさせ、犬同士のコミュニケーションを学ぶ

4.物になれさせること

  • 首輪、ハーネス、リード、ブラシ、服、ドライヤー、歯ブラシ、キャリーバッグなど

犬の社会化トレーニングでは、このようなことを学びます。人間社会で生きていかなければならない犬にとって、必要不可欠なものです。では、「犬の社会化トレーニングでやってはいけないこと」とは?一緒に考えてみましょう。

1.「環境に慣れさせること」でやってはいけないこと

立ち上がって窓の外を眺めている折れ耳の犬

お散歩へ行かない

「超小型犬だからお散歩に行かなくても良い」
「お散歩はたまに行けば良い」
「室内や庭で運動させているからお散歩は必要ない」

その考えが犬の社会化不足を招きます。では、お散歩へ行かず、環境になれていない犬はどんな問題を抱えることになるでしょうか。

  • 人が怖い
  • 他の犬が怖い
  • 車が怖い
  • 自転車が怖い
  • バイクが怖い
  • 音が怖い
  • 風が怖い
  • ニオイが怖い

外の世界の何もかもが怖くなってしまいます。そんな状態になってしまってから、飼い主さんの気まぐれによって「さあ!お散歩へ行こう!」と言っても、犬は恐怖のあまり、お散歩どころではありません。

車に乗せない

車酔いをしてしまう犬もいるでしょう。はじめは車を怖がる犬もいます。しかし、病院へ行くときのため、車に乗ることに慣れておく必要があります。徒歩で通える病院があれば良いのですが、病気やケガによって、遠くの病院へ行かなければならなくなってしまうかもしれません。自力で歩くことができなくなってしまった大型犬を抱っこして病院へ行くのは大変です。

監修ドッグトレーナーによる補足

日本は地震や豪雨、台風の影響で避難をしなければならない状況が多い国です。そのときに愛犬が外の世界や車に慣れていないとパニックに陥りかねませんね。

近年は異常気象が増加しており、今まではなんともなかった地域でも、大量の雨が降ったり、異常な高温に見舞われたりしています。これまでが大丈夫だからといって安心できない環境になっています。外の世界や車にも慣れておくことが安心に繋がるかと思います。

2.「人に慣れさせること」でやってはいけないこと

人の手に怯えて姿勢を低くするチワワ

誰とでも触れ合えば良いというわけではない

  • お散歩中に道ですれ違う人
  • 公園で会った人
  • ドッグランで会った人
  • 近所の人
  • 友人
  • 職場の人

人に慣れせるためとはいえ、誰とでも触れ合えば良いというわけではありません。犬にも、人に対する好き嫌いや得意、苦手があります。犬と触れ合うことが大好きだけど、犬との触れ合い方が下手な人もいます。社会化を学び始めたとき、人との嫌な経験や思いをしてしまっては、人に慣れるどころか、苦手になってしまうかもしれません。

まずは、病院の獣医さんや看護師さんやスタッフさん、トリミングサロンのトリマーさんやスタッフさんなど、犬が生きていく上で必ず慣れておく必要のある人と触れ合う機会を増やしてみると良いでしょう。

監修ドッグトレーナーによる補足

犬の扱いに慣れている人に触れ合ってもらうことは、非常にいい社会化に繋がるでしょう。社会化をするにあたって問題となるポイントは「恐怖心」です。なんでもかんでも触れ合えば慣れるという訳ではありません。愛犬が怖がらないようにしないといけないんです。

犬の扱いに長けたプロだと、怖がらないように接して触れ合ってくれますのでその点は安心して他人との社会化を進められますね。

3.「他の犬に慣れさせること」でやってはいけないこと

芝生でじゃれあう二頭の柴犬

どんな犬とでも触れ合えば良いというわけではない

  • 興奮して、はしゃぎすぎてしまう犬
  • いきなり飛びついてくる犬(じゃれている)
  • 他の犬に対して吠える犬
  • 怖がりで臆病な犬
  • 他の犬を追い回してしまう犬

社会化を学び始めたばかりのときは、こういった犬との触れ合いは避けた方が良いです。他の犬に攻撃されてしまった犬は、他の犬を怖がり、避けるようになってしまいます。同じように、他の犬に対して攻撃をしてしまうかもしれません。

最初に触れ合う犬

威嚇する犬を制止する人と驚く犬

  • 他の犬とスキンシップやコミュニケーションが上手な犬
  • 穏やかで温厚な犬
  • 落ち着いて過ごすことができる犬
  • 相手に自分の情報をしっかり与えてくれる犬

社会化を学び終えていて、他の犬との接し方が上手な犬がいます。こうやって(相手のお尻のニオイを嗅いで)挨拶するんだよ、と教えてくれます。自分の方が大先輩だけれど、後輩の犬に自分のお尻のニオイを嗅がせ、情報を与えてくれます。人間社会で生きていかなければならない犬同士、犬社会についても学び合うことができます。

4.「物に慣れさせること」でやってはいけないこと

歯石がついた歯をチェックされている犬

ブラッシングをしない

長毛の犬であれば、カラダ中が毛玉だらけになってしまいます。抜け毛やフケを取り除くことができず、不衛生な状態になってしまいます。悪臭を放ってしまうこともあります。皮膚病を発症してしまうこともあります。毎日のブラッシングを習慣化し、ブラシに慣れさせておきましょう。

歯磨きをしない

犬にも毎日の歯磨きが欠かせません。歯周病や口臭の原因になります。歯石がこびりつき、歯や骨まで溶かしてしまいます。歯や口の中の病気はもちろん、カラダ全体の病気を引き起こします。

首輪・ハーネス・リード・服の着用、キャリーバッグ

災害によって避難が必要になったとき、ハーネスやリードを着用しなければなりません。キャリーバッグやケージの中で過ごさなければなりません。服は防寒対策にもなります。抜け毛の予防にもなります。カラダが汚れてしまうことの予防にもなります。犬が安全に快適に過ごすために、どうしても必要になってしまうことがあるんです。

ドライヤー

月に1回程度のシャンプーでカラダを清潔にしてあげなければなりません。ドライヤーを怖がるようでは、しっかり乾かしてあげられません。自然乾燥は皮膚病の原因になってしまうことがあり、あまりおすすめできません。トリミングサロンでもドライヤーが使用されます。ストレスを軽減させてあげるためにも慣れておく必要があります。

監修ドッグトレーナーによる補足

健康面に関しても社会化は必要な項目です。一度に全ての社会化をしようとせず、少しずつ進めてみましょう。

歯磨きならば嫌がりにくい部分を少しだけ、首輪なら着けておく時間を決めておく、ドライヤーなら遠い場所で音だけ聞かせる。大事なのは愛犬が嫌がらない範囲内で社会化をしてあげることですね。

まとめ

犬の問題行動を度々ニュースで見かけます。赤ちゃんを噛んで死亡させてしまった。他の犬に噛みつき大怪我を負わせてしまった。すれ違う人や他の犬に吠えてしまう。他の人や犬と触れ合うことができない。犬の問題行動の原因は社会化不足にあります。犬には社会を学ぶ機会が必要です。
しかし、与えていない飼い主さんもいるようです。あなたの犬には問題行動はありませんか?その原因、社会化不足かもしれません。人間と暮らす上で必要なことを学ぶ機会を与えてあげてください。時間と根気は必要ですが、成犬になってからでも遅くはありません。

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