心理学者が語る犬とティーンエイジャーの友好な関係
先日ニューヨークタイムズ紙に、犬がティーンエイジャーのストレス緩和や精神的な成長に大きなプラスになっていると述べる記事が掲載されました。記事の著者は、子供やティーンエイジャーの心理学の専門家リサ・ダムール博士です。
過去には22件の研究が、犬や猫など動物と一緒に成長した子供は自尊心が高く、認知能力が貼発達し、社会的なスキルが高い傾向があることを示唆しています。ダムール博士は、小さい子供だけでなく難しい年頃のティーンエイジャーにとっても、犬の存在は大切な恩恵であると述べています。
犬が助けてくれる様々なこと
10代の中高生は常に誰かから批評されたり審査されたりしているものです。勉強の面では教師や親から評価を下され、友達同士の関係でも外見やスクールカーストの地位でジャッジされ、SNSの世界ですら「いいね」やフォロワーの数でアイデンティティーを判断されます。そんなストレスの多い毎日を送るティーンにとって、否定も忠告もしないで側にいてくれる犬が大切な存在であるのは自然なことです。
髪型が決まらなくても、ニキビができていても、友達がいなくてボッチでも、犬はそんなことは全く気にせず愛してくれます。これは全ての年代の人にとって必要なことですが、多感なティーンエイジャーにとっては特に大切なことです。
ストレスに押しつぶされそうなときに、ハグをされたり頭を撫でられたりすることが血圧やホルモンの分泌に良い影響を及ぼして、心の回復に役立つことは数多くの研究でわかっています。けれども小さい子供と違って10代にもなれば親に抱きつくのは気恥ずかしく、友達を頼るには「嫌がられたり誤解されたりしたらどうしよう」という不安があるものです。
そんなとき、犬や猫はティーンにとって安心して寄り添える信頼できる存在です。動物との接触が心拍数や血圧、ホルモン分泌に影響してストレス軽減に役立つことは多くの研究が証明しています。アメリカの大学では、試験期間中などにキャンパス内にセラピードッグを導入するところも増えています。ある大学では、セラピードッグ導入後にドロップアウトする学生が減ったという報告もあるとのことです。
大人たちも犬の目線で考えてみよう
私たちは犬がくれる多くの恩恵を知っています。けれども全てのティーンエイジャーが犬と一緒に暮らせるわけではありません。そのような場合に心理学者が勧めているのは「犬の目線で考えてみよう」ということです。
未熟な10代の子供達の言葉や行動を否定するだけではなく、時にはシンプルに受け入れてみる。愛情を押し付けるのではなくて、ただ寄り添ってみる、ということです。
この記事はティーンエイジャーを対象にした考え方について書いていますが、近しい人との関係が煮詰まったら、時には犬の目線で考えてみるというのは大切な人生のヒントだと言えそうです。
まとめ
ニューヨークタイムズ紙に掲載された、犬などペットがティーンエイジャーにとって心のサポートになること、またそれはどうしてなのか、時には人間も犬のようにただ寄り添って受け入れることが大切だという記事をご紹介しました。
小さい子供からティーンエイジャー、仕事や社会に揉まれて疲れた大人たち、年齢を重ねたシニアの人々、全ての年代にとって犬が側にいてくれることの大切さが身に沁みるような気がしました。人間はそんな犬たちにきちんとお返しができる存在でいなくてはと、改めて強く思いました。
《参考》 https://www.nytimes.com/2019/07/04/well/family/teenagers-pets-dogs.html#commentsContainer